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『あつまれ どうぶつの森』が発売されてから二ヶ月超。本作の住民が話すところによれば、海の向こうには様々な「ヤツ」がいるそうです。離島で出会えるどうぶつやフレンドのみでなく、SNSなどで知り合った一期一会な他のプレイヤーさえも「あっちの島」にいると考えると、常に誰かとどこかで繋がっているような気がして夢が広がります。
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そんな海の彼方への空想にふけっていたころ、Game*Spark編集部に読者から“幻の島”を紹介する一通のメールが届きました。そこでは「島クリエイター」を使って五輪競技に即したコースを作り、遠くから来た住民にレースを行わせているそうです。
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そのときは現実世界の五輪競技大会が2021年夏へと延期され、「それも無理なら中止の見通し」というニュースが舞い込んだところでした。このタイミングでわざわざ『あつ森』で五輪をイジるなんて、どんな人なのだろう……そんな思いと共にGame*Spark編集部はライター陣を揃え、取材すべく「幻の五輪島」に出陣。5人の敏腕ライター&編集者を引き連れて、「わいわいゲーム実況チャンネル」で活動しているゲーム配信者わいわいさんの島を見学させてもらいました。
気になる島の中身をチェック! 制作エピソードも訊いてみた
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まずは「五輪島」の様子からご紹介。1枚め右下のマップを見れば分かるとおり、島の中心には「2020」と五輪マークがデカデカと描かれています。ゲートを越えると早速競技コースがお出迎えです。最大8名が参加できるように整備されていました。
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五輪島で行われる競技のルールは、いわゆる「障害物競走」のようなものです。必須アイテムは「つりざお」「たかとびぼう」「はしご」の3種類。コースの途中で“なんでもいいから魚を一匹釣る”というルールも設けられています。スタート地点に置いてある「サカナのまきエサ」はそのための道具というわけですね。
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スクリーンショットでは分かりにくいのですが、コース後半の竹林迷路は意外に厄介。クライマックスの「おにんぎょう」は見た目以上に通過できる箇所が分かりにくく、複数人が入り乱れるとなかなかカオスです。
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そしてこれらの障害を乗り越えたのち、ゴールした者は「謎かけ」に答えねばなりません。謎かけのお題はレース開始時に主催者……つまりわいわいさんから提示されるので、選手各位は「謎かけの答えを考えながら、アイテムを巧みに切り替えつつ、障害物が配置されまくったコースを全力で走る」ということになります。
延期となってしまった競技大会とはまったく違った角度から頭脳と操作力を試してくる「五輪島」。実際にコースを案内してもらったあと、制作者のわいわいさんにいくつかの質問を投げかけてみました。
ーー島についてのお話の前に、簡単な自己紹介をお願いします。
わいわいゲーム実況動画を投稿しているわいわいと言います! ゲーム実況歴は11年くらい。ニコニコ動画でスタートして、YouTubeでの活動はまだ数年です。視聴者にとって親しみやすい存在でありたいので、自分のことを「おじさん」と言うようにしてます。他に特徴的なところを自分で挙げるとしたら、「常に喋ってる」ってところですね。ゲーム実況でも喋りがメインなので、あんまり「ゲーム実況」と呼ぶにはふさわしくないかも。音声付きのブログみたいな感じですね!
ーーPCゲームをメインに実況動画を投稿されてますが、コアなチョイスが目立ちますね。
わいわいインディーゲームが多めですね!ゲーム名がおもろかったり、シリーズものでない単発もの、ネタゲーなんかを結構遊んでます。最近はビッグタイトルもプレイしますけど、基本的にはインパクトが強いゲームばかりです! なんだったら、ただ歩くだけのシミュレーターとか、『Moutain』なんかでも実況できますよ。操作しないで延々喋りまくれますから。
ーーなぜ「五輪島」を動画として公開しようと思ったのですか?
わいわいもともとここまで作り込む予定はなかったんですけど、あるとき「やっぱり作ろう」と思い直したんですよ。「わいわいゲーム実況チャンネル」では『あつ森』の動画シリーズを投稿していたのですが、このゲームっていつまでも遊べちゃうじゃないですか。
ーーたしかに「クリア」や物語のクライマックスなどはありませんしね。
わいわいそうそう。なので、その締めくくりとして時世と絡めたことをできないかなと考えて。ちょうどその頃、緊急事態宣言が出るかどうか……という時期だったのも理由です。
ーー発令されるかどうか、「検討している」というタイミングですね。
わいわい立派な話に聞こえちゃうかもしれないんですが、僕は「自粛しよう!」と呼びかける以上のことをしたいんです。例えば僕みたいなタイプの人間であれば、面白い動画をYouTubeに投稿したらいいんですよ。それをみんなに観てもらえば、その間は外出を自粛してもらえる。そこで視聴者が参加できるようにもしたくて、五輪競技を絡めてみました。
ーー島の制作にはどれくらいの時間がかかりましたか?
わいわい正確に測っていないけど、コース完成段階で『あつ森』の合計プレイ時間は300を越えていたので、少なくともそれ以下ですね。お金もいくらかかったか分からないのですが、カブ売買はしないのでかなりの大金を投じたわけでもないです。
ーーそれらしい家具がたくさん揃えられてたので、てっきり相当なベルを使ったり、フレンドからの協力を得たりしていたのかと思っていました。
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わいわいフレンドに協力を頼むことはあったけど、「マルチプレイでできること」の試行錯誤がメインでした。この道具は使えるのか使えないのか、家具や地形に対するアクションはどこまでできるのか……とか。そういうのも、『あつ森』の日常生活を過ごしながらコツコツ進めていきましたね。
ーーなるほど。興味深いお話でした。汗と涙の結晶であろうそのコースをGame*Sparkライター陣に実際に走らせてほしいのですが……実行委員長、お願いできますか?
わいわいやりましょう! それでは早速入場してもらってください!
「幻の五輪島」に挑戦!
ということで、わいわいさんに「五輪島レース」を特別に開催してもらいました。参加者は『あつまれ どうぶつの森』レビューや「有志日本語化の現場から」を執筆するFUN、「ゲームで英語漬け:Game*Spark的学習術」を執筆するSkollfang、ラジオ善意メインMCのゲーム占い師である文章書く彦、ニュース記事や爆速プレイレポを担当するMr.Katoh。更に『あつ森』テレワークでも話題となったインサイド編集長のすえながにも参戦してもらいました。『あつ森』で催された五輪競技チャレンジの行く末は、わいわいさん直々の実況動画でご覧ください!
今回ご協力いただいたゲーム実況者わいわいさんは、わいわいゲーム実況チャンネルで活動中。本記事執筆時においては『あつ森』動画シリーズがクライマックスということなので、興味をお持ちになった方はそちらもあわせてチェックしてみてください。