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THQ Nordicは、アクションゲーム『Destroy All Humans!(デストロイ オール ヒューマンズ!)』PS4/Xbox One版を2020年7月28日、PC版を7月29日に発売しました。本作は元々2005年に海外でプレイステーション2/Xbox向けに発売された作品で、過激な内容とアクション性、さまざまなやりこみ要素などが評価され2008年までシリーズ4作がリリースされています。
日本では海外から2年遅れて2007年にセガから第1作『デストロイオールヒューマンズ!』が発売。ただし当時の日本ではオリジナルの内容では残虐性が高すぎる内容に、当時のSCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント)が販売を許可しませんでした。そのため、セガが本作をリリースするために取った手段は「ゲーム内容をバカゲーにしてしまおう!」という恐ろしいものでした。
本稿ではリメイクされた最新作『Destroy All Humans!』のインプレッションを行いつつ、伝説のバカゲーとされるPS2版『デストロイオールヒューマンズ!』の内容を紹介。当時日本で遊ぶことができなかったオリジナルの脚本とセガ版の違いなども比べてみたいと思います。
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15年ぶりリメイク!『Destroy All Humans!』の物語
物語の発端はアメリカのとある基地にUFOが墜落したことから始まります。UFOにはひとりの宇宙人「クリプト-136」が搭乗しており、墜落のショックで倒れたところをアメリカ軍に捕獲されてしまいます。
それからしばらく経った1959年のこと、地球のはるか上空には一隻の宇宙船が待機しており、過去の事件で捕らわれた宇宙人と同系列のクローン「クリプト-137(以下クリプト)」と科学者「オーソポックス」の2人のフロン星人が搭乗しています。彼らの目的はそのものズバリ「人間の脳幹(脳みそ)」を集めること。フロン星人はクローン技術を駆使して自らの肉体を保持してきたのですが少しずつ劣化しており、いずれクローン作成ができなくなる状態です。
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フロン星人ははるか古代に訪れた地球の生物に手を出し、純粋なDNAを植え付けておいたのでした。「クリプト-136」が地球に赴いたのはその生物から純粋なDNAを抽出するための侵略行為のため。それが行方不明になったことでクローン作成の先行きが危うくなったことを危惧する「オーソポックス」と、自分のシリーズが今も地球の生物ごときに危うい状態になっていることが許せない「クリプト」は、再び地球への侵攻を開始するのでした。
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地球の生物など敵じゃない!強力な武器で大暴れ!
クリプトが最初に降り立ったのはのどかな農村部。前任「クリプト-136」からの連絡がないため、フロン星人には地球のどの生物が支配者なのかわからず最初に見つけた牛を相手にアプローチを仕掛けます。クリプトには相手の考えていることがわかる「スキャン」能力があるため牛の脳内を探りつつコミュニケーションを行いますが、しょせんは牛なのでろくに返事をしないどころか排泄物まで垂れ流す始末。
失礼な態度に怒り「サイコキネシス」で牛を殺したクリプトの元へ銃を持った農民が登場、殺して脳みそを奪っているところに警察や軍隊が到着することでいよいよ本格的な戦闘が開始です。いくら進んだ技術を持っているフロン星人でも銃で撃たれると普通にダメージを食らうため、戦闘には武器やスキルを使った立ち回りが重要となります。
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最初は電撃銃「ザップ・O・マティック」としか武器を使えないクリプトですが、物語が進むと強力な「分解光線」や人間の尻の穴を狙う武器「アナルプローブ」など使用できるようになります。武器ごとに人間のリアクションが異なり、電気ショックで骨が見えたり骸骨になって崩れるなど、コミカルながらもかなりグロい表現が行われます。ちなみに「アナルプローブ」は尻から侵入して脳みそを飛び出させる恐ろしい兵器です。
また、チュートリアルで牛に使用したESP「テレキネシス」は人間を吹き飛ばしたり物を投げたりと重要な戦術。クリプトは背中にジェットパックを背負っているため、爆発物を抱えて空を飛び地上の人間にぶつけてやる、なんていう戦術も使用可能です。なにしろこちらはフロン星人なので何も思うこと無く地球の生物など殺してしまいましょう。ただし「分解光線」などの強力すぎる武器は人間を骨にしてしまい、大切な脳みそを抜き取れないので注意が必要です。
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また、戦闘はクリプトだけでなく搭乗しているUFOでも行います。UFOから初期装備の名前は「殺人光線」という非常にわかりやすいもので、人間はもちろん建物や戦車なども簡単に破壊可能な優れもの。UFOもストーリーとともにパワーアップしていき、単純に強い兵器が多いので「圧倒的蹂躙感」を味わえるのが非常に楽しいポイントです。もちろんいずれ人間も対抗できる装備を用意してくるので注意は必要です。
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変装!洗脳!フロン星人は目的達成の手段を選ばない!
「オーソポックス」から課せられるミッションは単純な殺人だけではありません。ステージによっては群衆の中にいる人物の拉致などがあるのですが、当然ながら人間社会に突然宇宙人が登場したらパニックです。そのため、クリプトは必要に応じて「変装」「洗脳」「記憶消去」「洗脳」など、さまざまな能力を解放していきます。
「変装」はそのままターゲットの人物に成り代わるもの。ステージによっては特定の人物しか入れない場所もあるため、目的の人物を探し出す必要もあります。変装中は維持のためのゲージを消費していくため、他人の脳をスキャンして回復する必要があります、また、変装シーンを他人に見られた場合にはペナルティが発生するなど強力ながらリスクも高い能力です。
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また「記憶消去」は相手の警戒時に使えるだけでなく、一部の強力な敵にスタン効果を与えるため非常に強力。洗脳系のスキルは相手をフォローさせる、騒ぎを起こして人間の注意を引かせるなどさまざまな効果がありますが比較的発動までの時間が長いという欠点があります。
武器やスキルが揃ってくるころには人間側の特別なキャラクター「マジェスティック」が登場。彼らは変装を見破る装置を有しているほか、明らかに人間の技術を超えた武器を使用してくる集団です。彼らの謎を解くことも本作の大きな目的のひとつのようですが……。
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爽快さと自由度の両立!名作と言われる理由あり!
「宇宙人による虐殺ゲーの雰囲気を感じさせつつ、しっかりと考えてプレイできるゲームデザイン」が非常に優秀に感じる本作。基本的に武器やスキルが強いため、ちょっとした相手ならば軽く倒せてしまいます。しかし、油断して銃を持った連中に囲まれれば、あっという間にピンチになってしまうくらいのバランスをしっかり保っているのです。また、単純なようで少し使用スキルが多いため最初は少し戸惑うかも知れません。
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しかし慣れると高い自由度で好き放題に暴れることもできます。戦闘ミッションであっても警戒度を上げない「変装」利用プレイや、わざと警戒度を上げてやってきた兵士を「洗脳」して同士討ちさせる外道プレイも。また、クエストや脳みそをゲットして稼げるDNAポイントでの武器やスキル、円盤などのアップグレードのほか、マップ内に隠されたアイテムの探索などのやりこみ要素も用意されています。
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市長以外を始末するのも有りです。
これは時間内のキル数を競うものでDNAポイントが稼げます。
また、本作はそのストーリーや世界観も大きな魅力のひとつ。1950年代のアメリカがベースで、共産主義国家と対立していた時代のため、国民感情を操作するために暗躍する組織なども作中に存在しています。宇宙人侵略による騒動で起きた破壊行為を新聞でプロパガンダに使用するような場面が出てくることも。とてもいい意味でシンプルな性格のキャラクターたちは、映画やドラマを見ているような心地よさを感じさせます。
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派手な爽快度とやりごたえのあるミッションなど、発売15年経ってなお名作と言われる理由がよくわかります。15年越しに日本で遊べるようになったオリジナル版『Destroy All Humans!』はPC/PS4/Xbox One向けに発売中です。
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楽しそうだな聴衆。