今回は、ミレニアムキッチンが開発し、ネクアから発売されたニンテンドースイッチ向けソフト『クレヨンしんちゃん「オラと博士の夏休み」~おわらない七日間の旅~』。本作は、九州の小さな町「アッソー」に旅行に来た野原一家が、ちょっと変わった博士との出会いによって不思議な出来事に巻き込まれながらも、虫取りや魚釣りなど田舎暮らしを満喫する、夏休み体験アドベンチャーです。
『ぼくのなつやすみ』シリーズのスタッフが本作の開発に携わっており、発売前から『ぼく夏』ならぬ『オラ夏』の呼び名で話題になっていました。
「クレヨンしんちゃん」は現在も漫画やアニメが放送されていることもあって、僕の中では比較的新しいと思っていたのですが……もう30年以上連載している長寿作品なんですね。

あ……僕、しんちゃんと同世代だった……。
どこかで見た顔も……あれ、別人?

みさえの古い友人が住む九州の小さな町「アッソー」に、一週間の旅行に来た野原一家。アッソーに向かう途中、ちょっと変わった博士との出会いによって不思議な出来事に巻き込まれていく。

モニターになることを条件に、撮った写真がイラストとして描写される不思議なカメラを博士から貰う。
博士は素晴らしい発明だと自画自賛していたけど……

……なんてことは博士が可愛そうだから言わない。

そして夕方になり、みさえの友人のヨヨコの家に到着する。妹のララコちゃんと父親が3人で住む「ひのやま家」で、これから一週間お世話になるようだ。

そしてお隣のお宅にいる子どもたちは……なんだかどこかで見たことがあるぞ。
この子供たちの名前はかずまくんとキネちゃんだ。カザマくんとネネちゃんと見た目も名前もそっくり……。劇場版やアニメの特別編で、レギュラーメンバーとそっくりなキャラクターが出てくるのはよくあるよね。

超絶ダッシュのケツだけ星人で町を駆け回れ!

夜が明けてアッソー生活2日め!

朝食を食べてから夕方になるまでの間、虫取りや魚釣りをしたり、町の人のお手伝いをしたり自由に行動出来る。

まずは操作確認だ。なるほど、虫あみや釣り竿は最初から持っているのか。ふむふむ、ZR・ZLボタンで……ケツだけ星人!?
ケツだけ星人とは……顔を隠して尻を突き出してブリブリ~!と言いながら尻を振る、しんちゃんのギャグだ。
ゲームではどんな役割を持っているのだろう。町の人を驚かせるのだろうか……と思いながら使ってみると……
これダッシュじゃん!しかもかなり速くて便利だ!

本作のRTAに挑戦する場合、イベントシーン以外はしんちゃんの顔が見えないなんてことになりそうだな。

フィールド上にいる虫は虫あみで捕獲可能だ。様々な虫を集めていく面白さがある。
捕まえた時にしんちゃんがクルクルと回るリアクションをするのがとても可愛い。アニメでもこういう動きをしてたよな~。

川では釣りが可能。魚影の近くに糸を垂らし、魚が食いついたらボタンを押して竿を引くだけで釣り上げられる。
ちなみに僕は、子供の頃に虫取りや河で釣りをしたことが今までに一度もない。
盆や正月に自然豊かな親戚の家に行って、同年代のいとこたちと虫取りをする機会はあったのだが……引っ込み思案だったため、いつも1人でゲームボーイをプレイしていたのを覚えている。


夕方になると大人達が「そろそろ帰る時間だよ」と促されて帰宅する。
晩ごはんを食べてお風呂に入っておやすみなさい……と思いきや、一部制限されるものの、夜も色んな場所を探索出来るぞ。
園児のポケットの中に一万円札……!

本作に登場するスポットはひのやま家だけではない。小さな町ながら商店やカレー屋もあるし……

DJ遊びが出来るカフェ &バー……

農園なんかもある。農園では作物が育てられるぞ。

こうしたアッソーでの夏休みをただただ体験するだけではなく、壁新聞として記録できる。

イベントを見たり、用意されている目標を達成したりすることで、壁新聞のネタが得られる……といっても、意識してネタを探さなくても普通にプレイしていればイベントは発生するし、虫取りや魚釣りを楽しんでいる内に目標は達成され、記事のネタは自然と増えていく。
良い記事をバシバシ載せてもらって新聞購読者をどんどん増やすぜ!

また、あのしんちゃんがお金稼ぎをするのも面白い。
商店で売っている食材や拾える野草など、指定されたものを指定された場所に持っていくことでお小遣いが貰える。1回のお小遣いは数十円程度だが、時間が許す限り1日に何度もお手伝い出来るので、商店で食材を仕入れて配達するだけでも、およそ園児が持っていてはいけないレベルのお小遣いが手に入る。

商店で販売されているチョコビには、恐竜バトルのミニゲームで使用するカードがついてくる。

カードにはレア度があるので、お目当てのものが出るまでチョコビを大人買い……!
現在のしんちゃんのお小遣いは、1万円を軽く超えているぜ!

そうこうしている内に一週間が過ぎ、とうとうカスカベに帰る日がやってきた。
七日間の旅が終わってしまうのだ……。

電車に乗って帰ろうとしたその時……博士の不思議な発明により時間が巻き戻り、7月31日、つまりはアッソーに来た日に戻されてしまった。
博士を止めなければループから抜け出せないのだろうか。夏休みが永遠に終わらないってそんなの……

ご褒美じゃないか!
この後はまた一週間を繰り返すのですが、ループ前とは発生するイベントが少しずつ変わり、行ける場所や登場する人物が徐々に増えていきます。
プレイ開始から12時間ほどでクリアしました。全ての要素をコンプリートしようとするともう少し時間がかかるとは思いますが、全体的にボリュームは少なめです。
しんちゃんのひとつひとつの動作が可愛らしく、アニメのしんちゃんらしさがありました。ただ、「クレヨンしんちゃん」の要素を強く感じたのはそれくらいで、『ぼくのなつやすみ』の主人公がしんちゃんになった程度に思えます。劇場版「クレヨンしんちゃん」のような濃厚なストーリーを期待しているとちょっと肩透かしをくうかもしれません。
また、昆虫や魚の種類も少なかったですし、『ぼくなつ』の虫相撲と比べて恐竜バトルの内容の薄さが気になりました。
ボリュームの少なさは気になりましたが、虫取りや魚釣りの楽しさ、田舎生活のノスタルジックな雰囲気は抜群に良かったです。
『クレヨンしんちゃん「オラと博士の夏休み」~おわらない七日間の旅~』はニンテンドースイッチを対象に発売中です。