最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回は2021年8月25日にSilver Lining Studio / Akupara Games / Akatsuki Taiwan Incより、PC(Steam/GOG.com/EPIC GAMES) / iOS / Android 向けにリリースされた、セル画風アニメーションで描かれる謎解きADVゲーム『Behind the Frame ~とっておきの景色を~』の爆速プレイレポをお届けします。
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『Behind the Frame ~とっておきの景色を~』とは
本作は夢を目指す女性画家となり、絵画を通して秘められた思い出を見つけていく、ストーリー重視のポイント&クリックアドベンチャーゲーム。開発元は宮崎駿監督とジブリ映画に触発されたと発言しており、その影響の強いセル画調の背景とアニメーションがゲーム全体を通して展開するのが特徴です。ストーリー重視と謳っている様に、ゲームパートの謎解きは難しくないので、ショートムービーを観るかの様に物語を楽しめます。
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日本語にも対応しており、手書き文字や字幕のフォントも本作に合ったものが採用されていますが、現状パソコンでメールを打つ場面だけは英語文となっており翻訳されていません。
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ゲームのボリュームは全6チャプターとなっており、初回プレイで約1時間程度と、正にショートムービーを観ているよう。短くも心地よいストーリーと音楽、深まる謎は、もう一度プレイすることで新たな気づきを見つけられる作りにもなっています。本作の特徴であるセル画風のグラフィックは、空気感も感じられるだけでなく、アニメの中に入ったかの様な途中の演出も含め、切なくも清々しい気持ちにさせてくれることでしょう。
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『Behind the Frame』の実内容に迫る!
本作は、夢にひたむきな女性画家が、アメリカの公募展に出す作品を完成させるまでの物語。ゲームの舞台となるのは、マンションの一室にある主人公のアトリエ。暖かな朝、プレイヤーである画家が、今日も目の前のキャンバスに向かい、筆を取る場面からゲームはスタートします。ゲームジャンルは、ポイント&クリックアドベンチャーで、チュートリアルはUIの使い方といった簡単もののみ。さっそく、キャンバスに色を置いていきます。
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ペイントパートはパズル要素の1つとなっており、塗り絵の様に色を置ける場所と色が決まっているので、自由に描くことはできません。塗れる範囲の80%程度を塗りつぶすと、画家が意図した絵に変化します。最初に使える色は黄色のみで、塗り終えると探索パートへ。
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探索パートは、360度のパノラマ視点でセル画調の世界を見回し、気になる部分をクリックして調べていく、基本的なポイント&クリックの流れです。基本的に自由に移動することはできません。とりあえず、目玉焼きとパンを焼いて朝食を取り、コーヒーカップを用意し、コーヒーを淹れます。
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彼女の普段のルーチンをこなし、部屋を見回し彼女が描いたと思われる様々な絵を鑑賞。しかし、彼女自身にとってもどれも「何か足りない」と感じる絵の数々は、どこか他人の絵を見ているかのよう。一通り見て周り、作品の制作へ戻ると、向かいに住む同じ画家の老人も窓を開けて挨拶を……と、ライバル心を抱かれているのかいつも無視されてしまっているようで……。
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気を取り直して制作へ向かう老人を眺めながら、スケッチの練習をすることに決めた主人公。いくつかスケッチを終えると、似た絵が自分の部屋にあることに気づきます。スケッチもペイントと同様に、一定範囲を塗りつぶすと仕上がります。
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スケッチを終え、老人画家の部屋に飾られていた絵と似た絵を探しにアトリエを見回すと、すぐ目の前にありました。クリックして見るとペイントモードに......足りていない部分は、うっすらとした円が描かれた部分、太陽を黄色で塗りつぶすと絵が完成し、額の下から隠された引き出しが現れます。中には、メモと破れた絵が……どうしてそんなところから!?と疑問を持たざるをえません。
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メモは「J」というイニシャルからの見知らぬ手紙。そして破れた絵を繋ぎ合わせると、新たなパズルのヒントに。再度部屋を見回すと同じデザインの箱を発見!繋ぎ合わせた絵と同様に、葉っぱの部分を押すと中から緑色の絵の具が見つかります。
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夢を追う画家のはずなのに、何故かどこかに忘れてしまった絵の具を探しながら、作品を描くという展開に”なんで?”という小さな疑問がわきます。「画家としてあり得ないだろう」と突っ込まずにはいられませんが、プレイを進めるほどにさらに様々な疑問が増えていくことに......。果たして深まる疑問の真相は。
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心地よい音楽とパズル要素
毎朝鳥のさえずり聞き、お気に入りのカセットテープの曲を流す。本作では、チャプター毎のテーマに沿った曲が心地よく、ヨーロッパの何処かにあるアトリエの一室で過ごしている気持ちにさせてくれます。
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絵の具を探す過程で解いていくパズルは、 ボタンを押して開ける秘密箱や特定の箇所を塗り足して絵を完成させるといったもので、主人公の画家が作中で見せる感情と同様に「これ何だろう?」といった感情移入をさせるきっかけになっている様に感じました。だからこそ、イライラする難しさのパズルは無く、ストーリーの進行に差し支えない程度の難易度に留めている様に思います。
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なお、「絵を描く」要素として用意されたペイントパートもパズル要素の1つですが、プレイヤーの好きな絵を描くという自由度はなく、残念ながら単調さを感じてしまいます。しかしながら、エンディングを迎えた後に考えてみると、これが本作にとってはベストな仕様なんだろうと考え直せるような作りでした。
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ここまで紹介してきた『Behind the Frame ~とっておきの景色を~』。レポ内でも触れていたような、プレイを通して抱いていた疑問は最終的には解消され、晴れやかな気持ちにさせてくれることでしょう。色褪せたメモ、向かいに住む同じ画家の老人…...見る物全てが主人公にとって意味がある様にも感じられます。
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物語自体は、その背景にある多くが語られないものの、言い換えればプレイヤー自身がバックグラウンドを想像する余地を残してくれている様にも感じます。2週目のプレイでは、同じゲームプレイにも関わらず、新たな気づきと発見が得られることでしょう。
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心地よい作中のBGMは、公式サイトから再生することも可能です。普段気の抜けないゲームをプレイされている方も多いゲムスパ読者の皆様でしょうが、時にはショートムービーの様な本作に浸ってみるのもオススメです。Steamにて体験版も配信されているのでプレイしてみてはいかがでしょうか。
対応機種:PC(Steam / GOG.com / EPIC GAMES) / iOS / Android
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日: 2021年8月25日
記事執筆時の著者プレイ時間:1.1時間
価格:1,010円