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『バトルフィールド 2042』のジャンルは何か?このように聞かれたら多くの人が「FPS」と答えるでしょう。1人称視点で銃を撃っているのですから、それは当然間違ってはいません。
しかし筆者は、オープンベータテストに参加してこう思いました。このゲームは“オープンワールドサンドボックス”だと。
日本時間10月6日から10月10日まで実施されたオープンベータテスト。皆さんは参加しましたでしょうか?今回のテストでは、最大64人対64人の計128人対戦が実現。従来のシリーズより人数が2倍になった戦場は、そのマップスケールも拡大しました。今回選ばれたマップは、フランス領ギアナに位置するロケット発射場の「オービット」。巨大な建造物が建ち並ぶエリアと森林に分かれており、確率によって発生する雷雨やそれに伴う巨大な竜巻などの過酷な環境が待ち受けています。
ところで、『バトルフィールド 2042』の評判は現状どうなのか気になりますよね。そこで筆者は、記事や動画投稿サイト、SNSなどを巡って確かめてみました。その結果は概ね好評。回帰的なシステムや現代戦ならではの自由さに称賛の声が上がっている印象です。
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しかし、本当にそうでしょうか。かの『バトルフィールド ハードライン』ですら、初期の評判は高かったものです(諸説あり)。やはりここは、自分の足で戦場に赴き、その目で確かめるべきでしょう。そこで、ここからはBF歴10年の筆者がオープンベータテストを実際にプレイして、思ったことを書き連ねていきます。
さて、ここで冒頭にて触れた話題に戻りましょう。本作はオープンワールドサンドボックスである。これを説明するには、まずはその定義から確認していきましょう。オープンワールドとは、繰り返しのロードによって中断されずに、シームレスに広い空間を移動できるゲームのこと。有名なタイトルで言うと『グランド・セフト・オート』シリーズや『Fallout』シリーズなどがそれに当てはまります。
一方、サンドボックスとは英語で「砂場」を意味し、クエストやタスクが存在せず、プレイヤーが自ら遊び方を決められるゲームデザインを指します。サンドボックスといえばあの『マインクラフト』で有名ですね。
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では、『バトルフィールド 2042』はオープンワールドなのでしょうか?それを決めるに当たって重要になるのがやはりマップの大きさでしょう。そこで、筆者が拠点間に表示されている数値から距離を割り出し、実際に西端から東端までの距離を測ってみたところ約2.2キロメートルの距離がありました。この距離は実際に歩いてみると十分長い距離に思えますが、例えば『The Elder Scrolls V: Skyrim』のマップの広さは37平方キロメートルあると言われており、それに比べるとまだまだ小さいです。
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しかし、他の例としてユービーアイソフトから発売された『アサシン クリード ユニティ』を挙げると、その広さは2.75平方キロメートルとなっています。オープンワールドと呼ばれている『ユニティ』ですが、「オービット」に限って言えばそれに近いサイズ、もしくはそれ以上の大きさとなっており、シームレスな移動が可能という点でもオープンワールドの枠に当てはまっているのではないでしょうか。
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細かな定義が決まっていないジャンルではありますが、Game*Sparkでは『あなたの考えるオープンワールドゲームの定義』というリサーチを過去に行っているので、より深く知りたいという方はそちらも読んでみると、興味深い回答の数々が見られるかもしれません。
次に、サンドボックスなのかという問いに対しても、肯定すべき理由があります。まずは、本作には多くのプレイスタイルが存在しているという点。従来のシリーズでは4つの兵科に分かれ、それぞれにおおよその役割が決められていましたが、今作では兵科制は残しつつも、それぞれが固有の技能と特性を持った10名のスペシャリストが導入されます。その結果、立ち回りの幅が広がり、さらに自由度の高い戦闘が繰り広げられます。
例えば、前作の対戦車と言えばロケットランチャーやダイナマイトを使った立ち回りが主でしたが、今作では乗り物にC4を取り付けて敵に突っ込む「C4特攻」が復活。C4改めC5はあらゆる物に貼り付けられるので、それを利用して偵察ドローンに貼り付けることにより、戦車や高所で待ち伏せるプレイヤーに対して特攻させられます。ほかにもドローンはロックオンしてEMPジャマーを放つと、一定時間戦車の攻撃アクションを無効化します。
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また、LMGなどに装填できる弾種のAP弾は、装甲に対してダメージを与えられ、対戦車の幅が広がったと言えましょう。その他にもスペシャリストの専門技能や特性によって遊び方は増え“敵をキルする”というだけが決して重要ではないので、初心者でも遊びやすい作品になった印象を受けました。
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さらに、本作の公式サイトを見てみると、所々でサンドボックスという言葉を用いてゲームの紹介がされています。その中でも、製品版で実装を予定している「バトルフィールド ポータル」はさらにプレイスタイルを増やし、自由に遊べる砂場を提供することでしょう。ポータルでは、過去作からのマップや武器、乗り物などが登場し、これらを自由に組み合わせられます。詳しい内容は、こちらの記事にて解説しているので、気になる場合はそちらもご覧ください。
これらのことから『バトルフィールド 2042』はFPSの枠組みを超え、オープンワールドサンドボックスとなったと言えるのではないでしょうか。今回実施されたオープンベータテストではその片鱗を感じることができ、新時代のバトルフィールドとして、ひとりのプレイヤーを充分満足させてくれる作品となっていました。
さて、ここまでBF信者であるがゆえに手放しで褒め称えてしまいましたが、公平を期すために今回気づいた悪い点についても語っていきましょう。
まずはプレイヤーの死体や兵器が荒ぶる現象について。これはシリーズ伝統と言ってもいいでしょう。もはやこれを見ないと物足りないまでありますね。しかし、航空機が荒ぶったりワープする様はプレイしていてかなり厄介だったので、製品版での修正に期待したいところです。その他にもヒットマーカーが表示され続ける、乗り物が召喚できない、一定の条件を満たすとエリア外に落ちる、銃が一時的に撃てなくなるなど多数のバグが報告されています。
次に、半数以上の人が体感したであろう「重さ」についてです。今回のベータテストは要求スペックがかなり高めに設定されており、PC・コンソール機においてフレームレートの低下やカクつきが発生していました。また、先月Steamにて実施されていたビデオカード別使用率の調査表を見てみると「NVIDIA GeForce GTX 1060」が最もシェアが高かったことからも、多くの人が動作の重さに悩まされたのではないでしょうか。
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なお、今回のベータテストでは古いビルドが使われていたとのことですが、現在の開発の環境では最適化が進んでおり、未実装のシステムやバグについても改善が行われているとの報告がされています。また、製品版ではNVIDIA DLSSの対応も予定しており、フレームレートの向上も期待できるでしょう。
内容についてはどうでしょうか。やはりマップが広大であるというのは移動に時間がかかります。拠点間の距離は500メートル前後離れており、その移動には乗り物が欲しいところ。しかし輸送車両として活躍する「LATV4 Recon」は呼び出せる数が6台までとなっており、使いたい時に呼び出せない状況が多い印象でした。
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たまたま通りかかった善良なプレイヤーが一時停止し乗せてくれる、なんてことはほぼないので、もう少し道端などにバギーやバイクを設置して欲しいですね。
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今回『バトルフィールド 2042』のオープンベータテストをプレイした所感をお伝えしてきましたが、まだ本作の評価を決めるには時期尚早でしょう。製品版ではコンクエストやブレイクスルーからなる「All-out Warfare」、楽しみ方はプレイヤー次第の「バトルフィールド ポータル」、さらに未だ情報が隠されている「Hazard Zone」など多くのコンテンツが登場を予定しています。
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『バトルフィールド 2042』はPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Windows(Steam、Epic Gamesストア、Origin)向けに11月19日発売予定。発売まであと1か月ありますが、今からノーパットのひとりとして、戦場で皆さんに会うのを楽しみにしています。