最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回は2022年3月17日に開発Andrew Shouldice氏、パブリッシャーFinjiより、PC(Steam/itch.io/Epic Games/GOG.com/Humble Games)/Xbox One/Xbox Series X|S/Xbox Game Pass向けにリリースされた、『ゼルダ』スタイルのキツネが未知の世界を冒険するクォータービューACT『TUNIC』の爆レポをお届けします。
本作は、Andrew Shouldice氏が1人で開発を手掛け、E3 2017で発表されて以来、約5年の歳月を掛けて完成させました。なお、音響効果は『ケイデンス・オブ・ハイラル・クリプト・オブ・ネクロダンサー feat. ゼルダの伝説』を担当したPower Up Audioが手がけており、Lifeformed氏とJanice Kwan氏が楽曲を提供しています。価格は、Steam(3,090円)/Epic Games(3,080円)/Xbox(3,633円)、各税込み。その他のプラットフォームでは29.99ドルで販売中です。
『TUNIC』とは
本作はかわいいキツネを操作して、流れ着いた未知の島を冒険していくクォータービューアクションゲームです。さまざまな仕掛けや隠された財宝、古代の遺跡を探索し物語の謎を解き明かしていきます。緑衣と金髪の少年に代わって、かわいいキツネのキャラクターと緑のチューニックが『ゼルダの伝説』を連想させます。
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本作の特徴は、アイテムの効果や冒険に役立つ冊子が未知の言語で説明されているため、ステータスアップやアイテムは試してみるまで効果が分からない様になっています。ゲームプレイのみならず、プレイ方法も自ら解読していかなければなりません。
また、かわいさと神秘的なグラフィックの中に潜むゲーム性は『ブレス オブ ザ ワイルド』と『ダークソウル』を合わせた様な骨太アクションとなっています。
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なお本作は、ゲームパッドとキーボードに対応していますが、マウスには未対応。筆者のゲームパッドが不調なため、キーボードでのプレイレポとなっています。
『TUNIC』の実内容に迫る!
ゲームをスタートさせると、ストーリーは語られることなく海岸から始まります。心地よい音楽とレトロモダンなグラフィックがマッチして、とてもいい雰囲気です。
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海岸から少し進むと入口とポストを発見。ポストの文字を読んでみるも未知の言語で理解できず……。とりあえず、中へ進むと宝箱があり、棒を入手。心もとないものの、スライムの様な敵に対処できるようになります。
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攻撃は3回まで繋げることができ、敵をロックオンすると周囲を動きながら攻撃できます。また、他の敵が付近にいれば、注目する敵を切り替えられます。
初めは垣根の様に生えた低い木が行動範囲を制限しているため、道なりに進むと火が灯った祭壇を発見。
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これが本作のセーブポイントとなっており、倒されると直前にセーブした祭壇から再スタート。また、祭壇を利用すると体力やポーションが回復し、倒した敵も復活します。
周りを散策するとカギを発見。道中でカギの掛かった扉があったものの、先ずは奥へ進んでみることに。
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先へ進むと目の前に黄金の壁が……。調べてみると、3つのヘキサゴンが眩く光り、亜空間へ飛ばされます。
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キツネの体が青くなっていることから、スピリットだけが亜空間に来ている可能性も。とにもかくにも、2つの鐘を鳴らして扉の先へ進んで行くと、長身のキツネの様な何かが3つのヘキサゴンによって封印されているようです。どうやら「トライフォース」ならぬ「ヘキサフォース」?を集めることに。
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先ほど手に入れたカギを使い、ロックの掛かった扉を開けると、目の前に「冒険のはじまり」と記載された紙切れが落ちています。両面を見てみると、これは完全に本作の説明書。しかも、未知の言語で書かれているため一部読めない部分もあり。読める箇所は既に理解している言葉ということなのか?
手に入れた紙切れを読むと、どうやら最初の目的は「東の鐘」を鳴らすことらしい。
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道中、敵を倒しつつ上へ登って行くと、神殿の様な入口が現れます。近くの道しるべには「東の森」との案内が、おっ読める!
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入口を進みスライムを倒すと、更なる説明書の切れ端を発見。読んでみると、回避ボタンを押し続けると「走れる」との記載が。ちょうど走れないのかなと思ってました!
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近くの階段を上ると、最初の目的であろう「東の鐘」を発見。しかし、上がる手段がないため一旦降りて脇道を探索することに……。
その後、探索を続けていくと、剣や盾、お馴染みのバクダン、手頃なダイナマイトなどを入手していきます。敵も重装備になり、遠距離攻撃をしてくるモンスターなど、強敵が増え武器を振っているだけでは厳しい戦いに。
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本作ではスタミナ要素はありますが、ダッシュや攻撃によるアクションでは消費しません。スタミナは、盾での防御、パリィや回避行動の際に消費します。スタミナが尽きた状態になると、受けるダメージ量が増えるなどいくつかデメリットもあり。
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強敵に対しては真正面から挑むよりも、背後から先手を打つのが有効です。また、序盤から手に入るダイナマイトが強力なので、苦手な敵を一掃するのに役立ちます。
慣れ浸しんだゲーム×未知の言語と謎
本作のユニークな点は、未知の言語と説明書の存在です。ゲームを全くプレイしたことないユーザーは、『ゼルダ』や『ソウル』シリーズでのアタリマエの知識がないため、『TUNIC』は難しいゲームになってしまうかもしれません。
何故ならゲームプレイでのパズル的要素はもちろん、ゲームの基本操作やシステムすらも未知の言語によって謎に包まれているからです。
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本作をプレイするユーザーは、それらのゲームをプレイ済みだろうと思いますが……その場合は事前知識があるので、次に何をすればいいのか画面から読み取ることでしょう。それでも、看板や特定のアクション、アイテムの内容やステータス、ゲームの操作に至るまで、未知の言語で記載されているため直ぐには解読できないこともしばしば……。
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例えば、新しく入手したアイテム。形から効果が明白な物もあれば、実際使うまで分からない物も。入手したものの、意味もなく使ってはもったいないと、ぶっつけ本番で未知のアイテムを使うと、攻撃アイテムかと思いきや全く予想外でつい「そっちか」と口走ってしまいました……。
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本作は特定のアイテムを手に入れて、捧げることでステータスアップも可能です。しかし、これも同様でステータスアップのやり方が説明書に挿絵付きで載っており、分かり易いはずなのに2番目のボス付近でようやく判明。
そんな本作のアイコニックな説明書は作りこまれており、拡大すると紙に印刷したかの様なテクスチャで表現されてます。昨今説明書を読まなくなった今、懐かしさが込み上げます。そして、背景のプレイ画面はブラウン管仕様に。
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基本操作や仕組み、いわゆるチュートリアルに当たる部分も全て未知の言語で表現されているので、好みが分かれる可能性はあります。それでも、思いのほか知識欲のように早く次の物語に進みたい!ではなく、次のページを読みたい!という感情が不思議と湧いてきます。
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『TUNIC』は、基本動作やシステム面もユーザーが謎を解き明かしながら進めるスタイルのため、今回はネタバレに繋がり過ぎないプレイレポを目指しました。様々な〇〇〇系はありますが、その中でもユニークな作品になっているかと思います。
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また、ステータスを上げずにクリアといった縛りプレイも可能です。未知の言語以外にも、隠し通路や宝箱も豊富に用意されているので隅々まで探索したくなることでしょう。ユーモアの詰まった『TUNIC』を是非体験してみてはいかがでしょうか。
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対応機種:PC(Steam/itch.io/Epic Games/GOG.com/Humble Games)/Xbox One/Xbox Series X|S/Xbox Game Pass
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日: 2022年3月17日
記事執筆時の著者プレイ時間:3.5時間
価格:3,090円