気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、The Wandering Band開発、PC/Mac向けに3月8日にSteam版がリリースされた(スイッチ/PS5/PS4/XSX/Xbox Oneでも発売済み。PC/Mac版はEpic Gamesストアで発売済み)空中都市建設シミュレーション『Airborne Kingdom』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、資源や住人の管理を行いながら空中都市を発展させていくシミュレーション。プレイヤーは空中を移動しながら地上世界の都市と交流を行い、新たなテクノロジーや人材などを獲得して都市を大きくしていきます。日本語にも対応済み。
『Airborne Kingdom』は、2,570円で配信中(Steam)。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Zach Mumbach氏(以下Zach)本作のデザイナーのZach Mumbachです。今、私の一番好きなPCゲームは『シヴィライゼーション』シリーズですが、正直言うと、その時の気分によって常に変化します。たくさんのゲームが大好きなので、一つだけ選ぶのは難しいですね。
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Zach私たちのスタジオは4人の初期メンバーによって設立されました。私たちは全員EAの大きなスタジオで一緒に仕事をした仲だったのですが、自分たちでクリエイティブな決断をして独自のものを作りたいと思い、ブレインストーミングしてたくさんのアイデアを出しました。その中で「空中都市建設ゲーム」が私たち全員が一番気に入ったものだったのです。
――本作の特徴を教えてください。
Zach本作でプレイヤーは、空中都市の管理を任されます。本作は都市建設ゲームですので、プレイヤーは住居、食料、水、そのほかのニーズを提供し、街を大きくしていくのです。特徴的な点は、「揚力」と「傾き」を考慮しなくてはいけないということです。プレイヤーはこれを常に頭に入れながら、都市の計画を練らなくてはいけません。「揚力」を与える建物はより多くの重量を支えることができ、より大きな都市を作ることができるようになりますが、新しい建物による重量は王国の「傾き」に影響を与えてしまいます。プレイヤーはこれを上手くコントロールする必要があるのです。
プレイヤーはただ王国を建設するだけでなく、王国を移動させ、世界中で資源を集めたり、新しい都市や遺跡を見つけたり、クエストをこなして新しいリクルートをすることも可能です。
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――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Zach正直言って、私たちは自分たちが楽しめるゲームを作っただけで、ターゲットを決めていたわけではありません。多くの都市建設ゲームが好きなゲーマーの方に楽しんでいただけると思いますが、本作はどんな人でも遊べるように作りました。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Zach本作を作っている間、多くのインスピレーションを受けました。他の都市建設ゲームから受けた影響は大きく、特に『Frostpunk』『Anno』『Kingdoms and Castles』の影響は大きいですね。ビジュアル面でも様々なものから影響を受けていますが、ジブリ作品からは特に影響を受けました。環境はオーガスタス・オズボーン・ランプローという水彩画家や、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のイントロからも影響を受けています。本作に登場する建物は、オルゴールやDaniel Agdagという複雑なペーパークラフトを使ったストップモーション映画アーティストの作品からインスピレーションを受けています。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Zachはい、しかし他の方々ほどではありませんでした。私たちは設立当初からリモートスタジオで、メンバーは世界中の様々な場所に住んでいます。年に数回は全員で集まる機会を設けようとしていますが、パンデミックにより、長いことできていません。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Zachはい、配信も収益化もまったく問題ありません。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Zach私は1980年代と1990年代に子供時代を過ごしましたので、日本はまさにゲーム文化の中心地だと思っています。子供の頃は日本のゲームをたくさんプレイしましたので、たくさんの影響を受けました。そのため、私たちにとってゲームを作りそれを日本でもリリースし、日本の方に買って遊んでいただくというのは、とても特別なことなのです。本作を遊んでいただき、本当にありがとうございます!
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。