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僕、幽霊が苦手なんです。
でも……万が一出会ってしまった場合、一応のプランは持っています。それは自分も人間をやめて幽霊になってしまうことです!
物理攻撃が効かない幽霊にはこれしかありません。僕も幽霊になってしまえば相手に攻撃が通じるはず!人生は終わったが、ここからは僕のターンだ!
……って、どっちみち終わりじゃん。僕。
今回は、Tango Gameworksが開発し、ベセスダ・ソフトワークスが発売した『Ghostwire: Tokyo』のPS5版。本作は、主人公の伊月暁人が相棒の亡霊とともに、東京中の人間が消失した奇妙な事件を追っていくオープンワールドアクションアドベンチャーです。
オープンワールドといっても完全なものではありませんが、繁華街やビル群のような栄えた場所だけではなく、住宅街や路地裏まで、かなり広い範囲が探索可能です。海外の街並みがリアルに描写されたゲームをプレイするたびに「リアルなグラフィックで描かれた現代日本をオープンワールドで探索したいなあ」と思っていた僕にはうってつけのゲームですね!
まあ……なんか幽霊の類が出るらしいですが。
無人の東京と、亡霊に取り憑かれた主人公
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主人公の伊月暁人は、交通事故によって生死の境をさまよっていたが、KKという謎の亡霊に取り憑かれたことにより一命を取り止める。しかし、それはKKが暁人の肉体を乗っ取るために行ったことだった。
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そんな折、突如現れた般若面の男によって、東京は魑魅魍魎が跋扈する地獄に変貌する。
暁人とKKは、ひとまずこの状況を打開するために協力することになった。
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お!これは、反目しながらも協力して困難に立ち向かうバディモノの展開じゃないか!?
ホラーが苦手な僕にとって熱い展開になるのは助かる。
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ちなみにKKに取り憑かれた暁人の顔面には黒いモヤがかかっている。
この非常時では中二心をくすぐられるビジュアルだけど、平和な世界に戻ったあともこのままだったら……かなり嫌だな。
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その後、暁人の妹が入院する病院へ向かうも、そこには人っ子一人いなかった。
今や般若面のせいで、東京中の人間が消失してしまっている。残念ながら妹も無事ではないだろう……。
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って、妹いるじゃん!良かったな、暁人!
でも今まさに般若面が妹を連れ去ろうとしているところだ。もしや妹は物語の重要人物なのか?
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そして、これまで姿が見えなかったKKが突然実体化した。KKと般若面はなにやら因縁があるらしい。
って、KK……普通のおっさんじゃん!妖怪みたいなファンタジーなビジュアルを想像していたのに……。もしかしてKKって本名はキムラ カツオみたいな感じなのかな。
いずれにしても妹が般若面にさらわれてしまった!追わなければ!
鳥居で霧を晴らして行動範囲を広げるぜ!
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妹を助け出すためにすぐにでも般若面を追いたいのだが、東京の街は霧で覆われていて思うように進めない。
まず霧をはらす必要がある。
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各地に建設されている鳥居を浄化すると、その周囲の霧が晴れて通行可能になる。
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浄化といっても本当に鳥居をお掃除するわけではないぞ。
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鳥居の前で印を結ぶと浄化され、霧がはれていく。カッコイイ……。
そして、暁人の行く手を阻むのは霧だけではない。今や無人となった東京の街には、マレビトと呼ばれる敵が跋扈している。
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こいつは傘をさしたサラリーマンのような姿をしているが、影法師と呼ばれるマレビトだ。こちらを視認しない限り襲ってこないが、探索の邪魔になるのでサクッと退治してやろう。
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暁人は、亡霊の力を借りてエーテルショットを放つことができる。
エーテルショットには、連射性能が高い「風」、広範囲攻撃が繰り出せる「水」、射程が長くて高火力の「火」の3つの属性があり、状況によって使い分けていく。他にも、敵の動きを止める御札や弓矢といった武器もある。
敵から距離を取り、照準を合わせてエーテルショットを発射!……って、ホラーゲームなのにファンタジーな魔法使いキャラクターを操作している気分だな。
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そして、弱らせると出てくる敵のコアを引き抜くことでトドメを刺せる。
まあ普通に攻撃しても倒せるんだけど、複数の敵のコアを同時に引き抜けるのでなかなか便利だな。
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敵を倒してレベルが上がると、スキルツリーで、エーテルショットの威力を強化したり、アイテムの最大所持数を増加させたりできる。
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影法師以外にも、太っちょサラリーマン風の荒法師や、OL風の鉈女をはじめとした敵が登場する。
マレビト、いかにも「現代社会のストレスによって生み出された存在」って感じのビジュアルで、ちょっとコミカルさがあるな……。
「この程度ならホラーが苦手な僕でも余裕で対処できるな~」なんて調子をこいていると……
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たまに恐ろしい姿をした敵も登場するので注意が必要だ……!
こいつ、口裂っていうの!?なにその『クロックタワー』のアイツみたいなハサミは!
般若面?そんなことより東京観光だ!
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霧がはれて行動範囲も広がった。さあ妹を助け出しに行くぞっと……その前に、ちょっと寄り道しちゃおうかな。
決して「妹の救出を後回しにして東京観光したいな~」とか「現代日本が舞台のゲームって少ないからワクワクするよな~」なんて思っているわけではなくて……強敵に立ち向かう前に強化が必要なのだ。
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各地には、サイドミッションや収集要素が用意されており、これらをこなすことでも暁人の能力が強化されていく。
例えば、街中に漂っている人間の霊を吸収することでも経験値が手に入る。人間の霊は、路地裏からビルの屋上まで色んな場所で漂っているので、ザコ敵を倒すよりもこちらの方が経験値の入手効率が良い。
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ビルの屋上に登るには、空中に漂っている天狗に向けてワイヤーを射出し、引っ張り上げてもらう必要がある。
ちなみに、いつでも天狗を呼び出せるスキルを使えば、高所への移動が楽になるぞ!
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でも、天狗にワイヤーがぶっ刺さっているように見えるけど……大丈夫だよね?
一応、天狗の力を借りているって体だけど、怒ってないよね?
高所から飛び降りる際は滑空飛行できるので、天狗の呼び出しスキルと併用すれば、空中での自由度がグンと増すな!
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天狗以外にも、ろくろ首や座敷わらしなどの妖怪が存在し、捕獲をしたり願い事を叶えたりすることで、暁人の強化アイテムがもらえる。
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僕が一番好きな妖怪は河童だ。きゅうりを餌におびき寄せられる姿はマヌケで可愛い。
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人間は消失してしまったが、動物は無事だ。犬にドッグフードを与えたり、猫を可愛がったり出来るぞ!
そんなわけで動物を見つけるため街をブラブラしちゃうんだよね。
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そうそう、街歩きといえば思い出したんだけど……ビルの屋上などに設置されている変電設備がかなりリアルで驚いた!
なんでそんなもんに驚いているかというと、昔、設備製造の仕事をしていたんだよね。
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本作には、撮影モードが搭載されているので、街歩きで映えるスポットを見つけたら逃さず写真を撮っておきたい。
僕は、座敷わらしと記念撮影をしちゃった!
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そうこうしているうちに、暁人とKKとの関係に変化が起きていた。出会った頃は「体の自由を寄越せ!」「そうはさせるか!」と反目しあっていたのに、いつの間にか親友のように軽口をたたき合っている。
このふたりの会話を聞きながら街をブラブラするのが個人的に一番楽しい。
……ってあれ、なんか忘れている気がするけど……あ、妹。
ストーリーはサクっと20時間ほどでクリアできましたが、その後、やり込み要素のコンプリートを目指したり、特に理由もなく街をぶらぶらしたりしていたら、いつのまにか50時間以上プレイしていました。
鳥居がそこかしこに建っている以外、繁華街から住宅街にいたるまで、現代日本の街並みがしっかりと再現されていました。路地裏の物置や電気のメーター、何を植えるでもなく放置されている軒先の植木鉢など、現実世界でも「こういうのあるよな~」といったものもきちんと配置されています。
バトルでは、ホラーゲームに登場しそうな恐ろしい姿の敵をバンバンと倒せるので、気分がスッとしました!ただ、僕としてはエーテルショット中心のバトルがやや単調に感じたので、攻撃方法にもう少しバリエーションが欲しいと思いました。この部分は、アクション性を重視するか、探索要素を重視するかで、プレイヤーの評価が変わってくるかもしれません。
いずれにしても「オープンワールドの東京を探索できる!」というポイントが本作最大の魅力です。
『Ghostwire: Tokyo』はPS5/PCを対象に発売中です。