気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Shattered Pixel開発、PC/Mac/Linux/Android向けに3月24日にリリースされたローグライクダンジョンRPG『Shattered Pixel Dungeon』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、シンプルなシステムが特徴のローグライクダンジョンRPG。ランダムなマップ生成、4人のヒーロー、8つのサブクラス、60種類以上の敵、30種類以上の罠、100種類以上の装備品、150種類以上のアイテムなど、そのボリュームも特徴です。日本語にも対応済み(一部最新アップデート部分は未対応)。
『Shattered Pixel Dungeon』は、1,010円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Evan Debenham氏(以下Evan)こんにちは!カナダのインディーゲーム開発者、Evan Debenhamです。本作の開発は8年間行っており、当初は私のサイドプロジェクトだったものの、徐々にフルタイムの仕事へと変化していきました。好きなゲームを一本選ぶのは難しいですが、『Undertale』は間違いなく候補の一本ですね。
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Evan本作の開発はおよそ8年前、オリジナル版である『Pixel Dungeon』の開発者がソースコードを公開した時に始まりました。私は『Pixel Dungeon』が大好きだったのですが、この作品のシステムの一部に不満を感じていたのです。そのため、自分の初めてのゲーム開発プロジェクトとして、この作品をいじるのが良いんじゃないかと思いました。
本作はとてもシンプルなところから始まりましたが、『Pixel Dungeon』のコミュニティからとてもポジティブな反応を受け続け、本作の規模も徐々に大きくなっていったのです。そして今、本作は一本のゲームと言える規模にまで成長しました!
――本作の特徴を教えてください。
Evan本作一番の特徴は、『Pixel Dungeon』をベースにしたゲームだというその歴史に他なりません。本作は別の一本のゲームと呼べるほど十分な量の特徴的な要素が搭載されていますが、『Pixel Dungeon』と明らかに似たような要素も数多く見ることができるのです。
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――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Evan本作を一番楽しめる人は、難しいゲームが好きな人たちだと思います。特に、本作は昔ながらのローグライクが好きでありながら、複雑なシステムが嫌いで、それでいてより難しいものに挑戦したい人のために作られました。
本作は他の「ローグライト」ゲームとは異なり、ダンジョンを冒険中ずっと続くようなパワーアップは存在しません。クリアすることができるかは、いくつのアップグレードを解放したか、ということではなく、純粋にプレイヤーのスキルに左右されるのです。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Evan本作は『Pixel Dungeon』のソースコードをベースにしていますので、影響を受けているものは明らかでしょう。『Pixel Dungeon』以外ですと、同じジャンルの他のゲームからもインスピレーションを受けています。特に『Brogue』という昔のローグライクゲームからかなり影響を受けており、この作品はとにかくシンプルさを追求したものでした。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Evan新型コロナは私の私生活に影響を与えましたが、仕事にはそれほど影響はありませんでした。私は以前から自宅から仕事をしていましたので、新型コロナで変わった事といえば、人々がより長い時間ゲームをするようになったことぐらいです。これにより、ビジネス的には新型コロナは私にとってポジティブな影響しかありませんでした。他の多くの人たちにとって、新型コロナはとても大変なものでしたので、自分はとても幸運だと思っています。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Evanもちろんです!本作を使ってコンテンツを作っていただけるととても嬉しいです。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Evanコミュニティにいる翻訳者の方々のおかげで、本作には大きな世界的なプレイヤーコミュニティがあります。以前から私は、本作は日本のプレイヤーの方々に楽しんでいただけると思っていましたが、あまり興味を持っていただけていませんでした。本作をぜひ遊んでみていただけると嬉しいですし、楽しんでいただけると最高です!
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。