モビルスーツ6体同士の激しい戦闘が楽しめるチームシューター『GUNDAM EVOLUTION』。新たなガンダムゲーム、そしてeスポーツという視点からもサービスインが待ち望まれている本作ですが、応募者向けのネットワークテストが2022年4月8日から開始されました。
編集部では早速同作のテスト版をプレイしました。本稿では「ガンダムはあまり知らないけどシューターは大好き!」という筆者が同作を遊んで感じた事を中心としてレポートします。
シューターとしての味付け
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Game*Sparkを見てくださっている読者からすれば、まずいちばん気になる点はコレではないでしょうか。
「某オーバーなウォッチをするゲームに近いの?」
発表からどれだけ言われ続けたかわからないこの疑問。本作の今後の認知度いかんでは、非公式な略称も「ガンダムOW」になりそうな勢いです。それに対する返答として筆者は「そうでもあり、そうでなくもあり、それ以上でもあり」と返すのが適当かな、と思います。
スピード感のあるバトル
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最初の肌感としては、6VS6で常に動き続けるタイプのゲームな上、各MSに用意されているダッシュや緊急回避を組み合わせた共通能力"ブースト"システムにより、戦闘中でも高速移動ができるため、超ハイスピードな戦闘が楽しめた、というものです。また短時間、射撃や被ダメージなどの戦闘行為が一切ない状態を維持すると、以降戦闘を再開するまでかなりの速度で自動でHPが回復するため、FPSにありがちな、回復を探してウロウロ…という虚無の時間もほぼありません。非戦闘状態が長くなればなるほど回復量自体も増えていくようなので、回復アイテムを探し回る時間で体力が全回復していることも数え切れないほどありました。
オーソドックスな中にもアクセントが光るゲームルール
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テスト期間中に遊べるゲームルールは「ポイントキャプチャー」「ドミネーション」「デストラクション」の3種類。どれもシューター系のゲームで遊んだことがあれば「ああ、こういうルールね」と、すぐに飲み込めるものでした。
「ポイントキャプチャー」は攻撃と防衛に分かれ、用意された目標エリアを占拠する/守るのが目的。3つのルールの中で一番シンプルであり、それゆえ6VS6の火力すべてがぶつかる一番激しい戦闘が楽しめるものとなっています。
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「ドミネーション」は両チームが目標エリアを制圧した時間で競う、いわゆる”キングオブザヒル”的ルールです。ただ、制圧すべき目標が3箇所の中から一定時間ごとに選ばれるため、残り時間によっては「制圧を優先すべきか」「一旦捨てて次のエリアで守りを固めるか」といった戦略も生まれ、新鮮味がありました。
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「デストラクション」は攻撃/防衛に分かれ、攻撃側は目標に対して破壊兵器の設置から起爆を、防衛側は起爆阻止を目指すルール。カウンターなストライカーがグローバルなオフェンシブを繰り返すような、例のアレに近いものです。破壊兵器を設置する目標は常に2箇所、さらに攻撃側がより目標に近い位置でリスポンできるようになる”中継地点”も1箇所あり、防衛側はどのように戦力を分散、または集結させ守るべきか。攻撃側はメインに攻めている側を制圧して爆弾設置すべきか、それとも裏を取ってもう片方に設置すべきか。個々の判断が重要になってくるのが楽しいポイント。ちなみに中継地点は両チームが制圧しあえるので、防衛側もじっと目標を守るだけでなく、場合によってはドンドン前線を押し上げることに意味があるのもいいですね。
いずれのルールでも前述したブーストによる全機体の高い機動力で、どの使用機体でも移動が苦になる場面を感じたことはなく、かと言って目標の奪取や支援に復帰が早すぎることもないという、練られたバランスとレベルデザインを感じることもできました。
すべてのモビルスーツがキルを取るポテンシャルを持つ
そしてここが大事な部分、すべてのMSにゆるーく役割(サポート、タンクのような)はあるのですが、ほぼすべてのMSが単独でキルを狙えかねない火力を備えているということ。なんというか全員アッパー調整いれました!というような性能をしていて、これがメチャクチャ楽しいんです。
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リペアケーブルを接続して仲間を回復させながら行動ができるメタスというMS、おおよそ某Fortress2のメディックや某バーウォッチのマーシーを想像してください。この手の純サポートのような顔をした機体もメインウェポンのダメージが大きく設定されている上に悪くない連射速度と悪魔のような射撃精度(マガジン撃ち切るまでクロスヘア中心に弾が飛んでいく)を備えています、しかも仲間を回復させながら射撃可能。おかげでどのMSを選択してもアドレナリン出まくりの撃ち合いが楽しめるというのはなかなか珍しいのではないでしょうか。
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また、一定時間変形し飛行できるアクティブスキルを持つアッシマー。天井の無いようなエリアなら高高度を飛行して相手の視界外から裏を回ってスキだらけの背中を狙う……という、自分で試していて「これは…やっていいのか…!?」と思えてしまうような戦法まで取れてしまえるのも魅力の一つです。
一見スタンダードに見え、かつ原作では一般量産機でしかないジムやザクもこのゲームではエイムさえ行えていれば通常攻撃性能は十分。アクティブスキルも地味ながら強力なものが揃っており、例えばザクは体力は低いものの、移動速度は早く、ブーストのステップも3回使えるため逃げにも距離詰めにも使え、30発入のザクマシンガンをものの数秒で撃ちきるDPSの高さ、さらに一定時間無敵になってしまうアクティブスキルまで用意されています。
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なお、主役機であるところのガンダムはアンチタンク能力の高い(シールドを一時無力化)ハイパー・ハンマーが強力ながら、発射までの事前動作が長く、かつ弾速も遅いので某バーウォッチのロードホッグのフック的な使用感覚を掴めている人には使いやすいことでしょう。
「ガンダム」を動かす、「ガンダム」で遊ぶゲームとして楽しい
「ガンダムゲー」という視点から本作を見ると、原作やゲームからの設定をメチャメチャ誇張して必殺技に仕上げていたり、ファンであればあるほどクスッとくる内容に仕上がっているようです。(ガンダム好きの知り合いにプレイ内容を見せたところ、各所で「なんで!?」という反応が帰ってきました)
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原作では数回しか登場していないらしいマニアックな武装「スーパー・ナパーム」をGマニューバ(ゲージをためて使える超必殺技、Ult的なもの)でポンポン敵陣へ投げ込むガンダム。
コア・ファイターを射出して敵陣へ突っ込ませ、大爆発を起こして範囲に致命的ダメージを与えるガンタンク(たぶんリュウさんは入ってないと思いたいですが…)。
スキあらば巴投げ、いざとなったら月光蝶を狙ってくる∀ガンダム。
Gマニューバが「パンチ」なアッシマー(ただパンチするだけではなく突進+範囲ダメージ+直撃した相手にはスタンという豪華な性能つき)
これらは原作の描写を一部取り入れてはいるものの、半ばこじつけであったり過去のガンダムゲームからの影響も強いキャラ付けとなっています。ただ一方でそういうキャラ付けばかりなので、「ガンダム」としての正確さは本作では今のところ重要視されていないようです。逆に「オレ、ガンダムチョットワカル」的なマニアでなくとも素直に楽しめるFPSと言えるかもしれません。
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今回はネットワークテストということでしたが、今後改善すべき点もいくつか見受けられます。例えば試合終了時のエース表示や個人成績の部分、現状では誰がどれだけダメージを与えたか、どれだけの敵を撃破したかという部分での評価が大部分を占めており、拠点の制圧や破壊兵器の設置/解除を頑張った人をあまり褒めてくれません。バトル"だけ"こなせばいいと思われてしまうのは、この先のeスポーツ的展開にも良くないように感じます。
また、別件ではありますが、PCにおいてSteam版は日本向けには対応がアナウンスされておらず、現時点では日本ではBNOランチャーのみが公式のPC版プレイ方法というのも、eスポーツ的なものやコアゲーマーへのアプローチとしてみれば、障壁を作ってしまう結果が想像に難くなく、ちょっともったいないんじゃないかな…という部分も。国内ではBNOランチャーでの展開のみとするのであれば、継続したユーザー確保的な意味を含め、今後の施策を上手く立ち回ってほしいなー…と思ったりもしています。
ゲームとしての完成度、FPS的な撃ち合いとしての完成度は現時点でも非常に高く、普段は海外FPSを中心に遊んでいる筆者も「あと1戦だけだから…」と遊び続けて午前4時になっていたほどには熱中できるものに仕上がっていると思います。細かいバランス調整や新機体の登場など、この先の展開も楽しみです。
『GUNDAM EVOLUTION』はPlayStation 5、PlayStation 4、XBOX SeriesX/S、Xbox ONE、PCで配信予定となっています。
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