気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Cameron Ladjevardi氏とDavid Elliot氏開発、PC/Mac向けに4月12日にリリースされた魔法の額縁パズルアドベンチャー『Epiphany City』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、魔法の額縁を使って謎を解いていくパズルアドベンチャー。すべての希望を失った女の子のリリーは、魔法の額縁を使うことで、絵画に命を吹き込んだり、時間を変えたりと、様々なものを自分のニーズに合わせて変えていきます。記事執筆時点では日本語未対応。
『Epiphany City』は、1,010円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
David Elliot氏(以下David)本作のリードデザイナーでライターのDavid Elliotです。私が一番好きなゲームは、今までもこれからもずっと、『大乱闘スマッシュブラザーズDX』でしょう。かなり本格的に対戦をしていますので。しかしそれでは他のゲームにとって不公平ですので、これ以外に好きなゲームとして『Undertale』と『クロノ・トリガー』の2つを同着に入れておきます。(笑)
子供の頃に『クロノ・トリガー』をクリアしてクレジットが流れたとき、この作品がこれからもずっと好きなゲームになるだろうと確信しました。あの瞬間はこれからも忘れられないことでしょう。『Undertale』はサウンドトラックが何より素晴らしいのですが、この作品のゲームプレイとストーリーの奏でるハーモニーのデザインは、他に匹敵するものがありませんね。
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
David本作を作り始めた理由は、主に2つあります。
昔から自分でゲームを作りたいと思っていましたが、「ゲームなんて時間の無駄だ」「ゲームはお前にとって悪影響だ」という声にさらされ続けていました。しかしそれにただ反論するのは、他の人を納得させる最善の方法だとは思わなかったのです。その代わり、ゲームをプレイした経験がない人に、ゲームというものが素晴らしいものなんだと思わせるようなゲームを作りたいと思いました。もちろん、ゲーマーのための、パズルを解く快感、難しいものを乗り越える達成感、思いもしなかったものを発見する喜びのようなものは本作にもあります。しかし多くの時間をかけなくても、そして過去にゲームをプレイした経験がなくても、本作ではそれらを味わうことができるのです。
これを踏まえた上で、どんなプレイヤーでも『The Witness』のような驚くような体験ができるゲームを作りたいと思いました。しかし、その方法がわかりませんでした。そんな天才的なこと、自分には絶対にできっこないと思っていたのです……『NieR:Automata』を作ったヨコオタロウ氏の講演をGDCで聞くまでは。彼の使ったデザインストラテジーは、『Stephen's Sausage Roll』や『Baba Is You』のようなパズルゲームにもすぐに当てはまったのです。こうして、私は本作の開発をスタートさせることができました。
――本作の特徴を教えてください。
David本作は唯一無比のパズルシステムを搭載しています。プレイヤーの創造力と想像力で、あらゆるものの状況を変えることができるのです。プレイヤーは魔法の額縁を使うことで絵を実際のものに変えることができたり、時間を変えたり、新しい道を作り出したりできます。例えば、月の写真を手に取り、それをゴルフのティーの上に置くことで、ゴルフボールにすることができるのです。言葉で説明するのは難しいのですが、記事上にあるローンチトレイラーの最初の5秒間を見れば、その意味がわかるでしょう。
ストーリー面だと、私の知っている他のどんなゲームよりも多くのユニークな手描きキャラクターたちが登場します。これにより、とても感情移入できるようになっているでしょう。本作のために800枚以上のキャラクターの絵が描かれ、そのうち200枚以上が主人公のものになります。
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――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
David
最近似たようなものばかりで、何か新しいものを試してみたい人
パズルゲームが好きな人
手書きの絵で描かれる感情が揺さぶられるストーリーを体験したい人
ゲームを始めてみたい人や、そういう人を手助けしたい人
――本作が影響を受けた作品はありますか?
David『The Witness』と『Braid』が一番大きな影響を受けたものですね。これらのまるで映画のような素晴らしいひねりが加えられたストーリーと、クリエイティブで思いもしなかったデザインから影響を受けました。
しかし、本作はまた『プラント vs. ゾンビ』『ペーパーマリオ』から影響を受けています。この2つは、複雑なジャンル(タワーディフェンスとJRPG)を誰にでも楽しめる形にした完璧な例です。なんたって私の父ですら、『プラント vs. ゾンビ』を遊んでゲームをするようになったのですから!影響を受けたものについては、自分でしっかりとした投稿をしていますので、よろしければこちらもご覧ください(英語)。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Davidもしファンの方で、翻訳をしていただける方がいらっしゃいましたら、もちろん大歓迎ですし、感謝いたします!クレジットに名前を追記することもできますよ。日本語ローカライズは私たちにとってもとても優先度が高いものですので、どうか手伝っていただけると嬉しいです!
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
David正直言って、それほど影響はありませんでした。私たちは完全にリモートで開発をしていますので、ほとんど変化なかったのです。何かあったとすれば、開発メンバーの中には仕事を失ったものもおり、より本作にかける時間が増えることとなりました。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Davidもちろんです!ぜひ本作を配信したり、動画をアップロードしてください!皆さんの反応を見てみたいです(笑)。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
David先ほども述べた通り、日本語は私たちにとって優先度の高い言語です。それはもちろん、ゲーム業界における存在感の大きさからですね。しかし、もう一つ理由があります。本作のストーリーとエンディングは、英語ではとても議論の的になるようなものになっています。日本のプレイヤーの皆さんがこれをどのように解釈するか、知りたいのです!私の大好きなゲームの一つである『Undertale』は日本でも人気だと聞きましたので、私たちのゲームが『Undertale』から受けた影響が、皆さんにも伝わるかどうか、知りたいです。
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。