Blizzard Entertainmentは日本時間17日に「OVERWATCH 2 REVEAL EVENT」を公開しました。それに合わせ、先行して共同メディアインタビューを実施し、第1部では既にお伝えしているとおりゲームプレイや報酬面に関するトピックが中心の内容となりました。
本稿では、各デザイナーがインタビュイーとなり、キャラクターやマップがどのように創られていったのかが明かされた第2部の内容をお届けします。
インタビュイー
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――PvEが発表されましたが、『オーバーウォッチ 2』の深層に迫る物語があるのでしょうか?
Gavin Jurgens-Fyhrie PvEについてはそのときが来るまで語れませんが、PvPではマッチ前に行われる会話、ジャンクラットが超遠距離から仕掛けた爆弾でリーパーを仕留めたときなど、プレイヤーの行動によって発生する「レア環境」と私たちが呼んでいるものを新たに用意しました。PvPだけでも物語がたくさんあり、前作では掛け合い台詞が約1,200個だったところを、今作ではさらに1,800個を追加しました。『オーバーウォッチ 2』(以下、OW2)全体では約25,000個の台詞がありますので、ファンは考察しがいがあると思います。
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――ジャンカー・クイーンはどのようにデザインされたのでしょうか。モチーフにしたものはありますか?
Kacey Helmsデザイン画を起こす段階から「感情コンセプト」というものを作り、彼女の一挙一足にどのような感情があるか、他のヒーローに対しどう反応するか、彼女の意外な一面といったものを数多く考えてきました。
外見の点から言うと、彼女は7フィート(約213cm)の身長があり、髪を逆立て服もつぎはぎです。武器もスクラップの寄せ集めのようで、一目で荒野の出身だと分かるでしょう。彼女の素晴らしいところは、アニメの台詞にあるようなパワフルな性格と強烈な個性です。何か小ネタが欲しいと言われたので、彼女のTシャツにはクイーンズランド州の記章をあしらいました。無銘の武器が多くある中で、彼女のナイフには「グレイシー」の名がついていて、これも大きな個性の一つです。
力強い女性像は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のフュリオサから大変多くの影響を受けました。
Geoff Goodman ヒーローのデザインを始めるときには、『OW』のゲームの中でどんな立ち位置になるかを考えます。彼女の場合は前作のタンクとは異なるよりアグレッシブな、ロールにおけるパラダイムシフトになるような存在です。どうしても彼女には斧を持たせたくて、これは戦闘にパーソナリティを反映させる上でも重要な点でした。
彼女は服にも数多くの武器を仕込み、他者を近寄せないオーラをまとっています。これは単に凶暴さを表しているのではなく、回復を兼ねることから彼女なりのサバイバル術でもあるのです。
オリジンストーリーでも見られるように、彼女の斧は投げつけても磁力で手元に戻すことができます。ただの斧よりも派手ですからね(笑)。ただ振るうだけででは他と大差ないので、投げて呼び戻せたら差別化できると思いました。なので、武器を投げるから服に山ほど予備を仕込んでいるんですね。
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――クリスマスやハロウィンなど季節もののスキンはありますか?
Kacey Helms 毎シーズンにあるわけではないですが、それぞれのイベントに向けたものがあります。
――ジャンカー・クイーンのビジュアルはとても気に入りました。シーズン制を導入しましたが、シーズンによってストーリー面の新たな要素が増えることはあるのでしょうか?
Gavin Jurgens-Fyhrie 詳細はまだお話しできませんが、ジャンカー・クイーンについては、ナラティヴチームはヴィジュアルを見てすぐに気に入りました。ナイフにグレイシー、斧にカーネイジと武器に名前を付け、彼女の内面もすぐに固まりました。ジャンクラットをとても憎んでおり、ロードホッグとは込み入った事情があります。徐々に明らかにしていきたいですが、全てのヒーローにおいてもサプライズがあり、今はまだ明かせません。
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――私はオーストラリア人ですが、ゲームにオーストラリアが登場するのはうれしいです。重要な場所になった理由や、文化や歴史に関するトピックがあれば教えてください。
Geoff Goodman スタートはジャンクラットとロードホッグ、2人のヒーローからでした。ずいぶん前のことで細かい部分はもう鮮明には語れませんが、どのようなキャラクターにするか話し合いを重ねたのは覚えています。ですが、どのようにジャンカータウンを創ったのかは、残念ながら思い出せませんでした。
大枠の『OW』の物語がある中で、登場人物それぞれが主人公となる物語もあります。ひとりひとりが世界に影響をもたらし、物語に厚みを加えていきます。プレイヤーにまだ明かしていない勢力もいくつかあるのですが、ネタバレは止めておきましょう。プレイヤーが想像するよりも大きな物語があるんです。
――D.Vaは多くのファンがいる中でかなり大きな変化がありました。外見やそれ以外も含め、どのようにキャラクターを進化させているのでしょうか?
Kacey Helms 私もそうですが、プレイヤーの皆さんには誰かしらお気に入りのキャラクターがいると思います。それを変えるには勇気がいり
ますが、テクノロジーや成長した部分をアップデートしても、本質的な部分はそのまま変えず、細部に至るまでファンの方が納得していただけるよう祈ります。『OW』の特徴的なアートスタイルを維持しながら、手作業によってプレイヤーが気づきにくいところも丁寧に更新していくことで、新しいものもきっとクールになっていると思います。
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――Brizzardの中にもブラジル出身の従業員がいると思いますが、リオデジャネイロのマップを制作する際に現地の写真など参考にしたものはありますか?
Kacey Helms大変参考になりました。多くの人が知らない細かいディテールや、小ネタを仕込むなど、マップ制作にとても熱心でした。他にも現地の人からサウンドを送ってもらったり、実際に行って収録したり、それらも本場感を演出するのに役立っています。もちろんたくさんの写真もですね。
――最近ではキャラクターがゲームを飛び出して愛されるようになりました。制作者としてどう思いますか?
Kacey Helms もちろん個人的にはとてもうれしく思いますし、私も入社する前は1ファンでした。キャラクターはただいるだけでなく、それぞれに物語とバックグラウンドがあり、それが多くの人を惹き付けるのです。コスプレやイラストで皆さんが楽しんでいるのを見るは私たちにとっても楽しく、それを通じで出てきたアイデアをキャラクターに還元しています。
Geoff Goodman 1人のヒーローを創るまでには数多くの初期案があり、様々パーツを組み替えてみて試行錯誤を重ねます。その中から一人のキャラクターが立ち上がる不思議な瞬間があります。例えば、アナは当初薬品を調合してバフを与える錬金術師として進めていました。しかし彼女の武器であるスナイパーライフルを見た瞬間、薬品グレネードを発射するアイデアを閃いたのです。そこから彼女のバックストーリーができあがっていきました。
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――ジャンカー・クイーンは積極的に前に出るタイプですか?それともチームのそばで固めるタイプですか?
Geoff Goodman 実のところ中間ぐらいでしょうか。彼女はD.Vaやウィンストンのような強力な移動能力を持っていません。向かってくる敵に合わせて行動するような設計です。ブリギッテやリーパーと組んで、スピードバフをかけつつ一気に突撃するという戦い方もありますね。スナイパーの攻撃を防ぐシールドを持っていないので、少人数で組んで狭い場所を選んで行動するのをおすすめします。ナイフ投げを当てるにはテクニックがいりますが、バックアップを引きずり出して隊形を乱すことも可能です。
『OW』世界の新しい謎についてはやはりローンチまでのお楽しみと言うことで、踏み込んだところはまだ明らかにはできないようです。その一方で、「ヒーローをいかに魅力的な存在にするか」に並々ならぬ労力をかけていることが垣間見えるインタビューでした。
『オーバーウォッチ2』は10月5日にサービス開始予定です。