2022年8月7日から8月8日に行わる「Bitsummit X-Roads」は、10周年を迎え古都・京都での恒例のゲーム展示会となりました。ビジネスデイと一般開放日の二日間にわたって行われた本展示会から気になった作品を、本誌ライターがピックアップしてお届けします。
本記事では展示作品の中でも異色なSF哲学というストーリーをもった横スクロールアクション『XEARZ』を紹介します。
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体験できたタイトルの中でも筆者が印象に残ったタイトルの一つで、初日のビジネスデイでも、プレイする人が絶えず列を成していました。
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SF哲学とも称されたテーマの本作品は、AIに意識(≒クオリア)があるかと言うテーマでストーリーラインが組まれており、国産インディー作品でありながら一風変わった世界観で構築されています。
多種多様な作品に影響を受けたと既に公開されているSteamのストアページにも記載がありますが、開発であるABC Gamesのyamato氏にお話を伺ったところ、元々国内向けというよりは、海外ユーザーを意識して開発しており、今回の出展も海外メディアへのアピールの側面も強いとのことでしたが、日本国内でもポジティブな評判が多く意外だったと語られていたのが印象的でした。
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本作品はステージクリア型の構成になっており、刀による近接攻撃と銃撃による遠隔攻撃を駆使しながら進むゲームデザインになっています。試遊ではチュートリアルから巨大生物の体内への侵入という構成でした。
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特徴として、敵だけでなく、画面上に見えるオブジェクトの大半が破壊可能になっていて、オブジェクトを破壊した際にはプレイヤーの強化アイテムが手に入るなど、メトロイドヴァニア的な要素も含まれています。
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本作品は横スクロールアクションではありますが、独自とも言える要素が『餓狼伝説』や『トップハンター』といったSNK作品に影響を受けたというライン移動で、画面の前後にめまぐるしく移動することで様々なルートで進めることも大きな特徴です。道中では巨大な敵とライン移動を駆使して戦闘するシーンもあります。
ライン移動自体も簡単に行えるようになっており、文字通り軽快に前後の別ラインへと切り替えられます。ですが、ライン移動ができない場所ではそもそも移動自体が制限されているため、誤操作して落下死というような出来事も筆者のプレイ中にはなく、ユーザーフレンドリーな設計になっています。
本来は道中に落とし穴が多数あったとのことで、テストプレイヤーから不評だったこともあってか(プレイの快適化のため)大分減らされたとのこと。とはいえ、要所要所にはギミックとしては存在しているため、アクションゲームとしての歯ごたえはしっかりと感じることができました。
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オリジナルのエンジンで制作されている本作品は既にブラッシュアップの段階に入っており、順調にいけば2023年には発売できるとのこと。イベント終了後にはストアページでもデモ版を公開するとのことなので、本記事を見て興味を持たれた読者の方はそちらをプレイされてみると良いかもしれません。