Valve社から発売された携帯ゲーミングPC「Steam Deck」。現在国内でも予約が開始され、早く実機で遊んでみたいという方も多いことでしょう。
しかし同時に「Steam Deckでこの作品ちゃんと遊べるのだろうか」と疑問を感じる人もまたいると思います。そこで本サイトでは連載企画として話題の作品をピックアップし、「Steam Deck」で実際にプレイし実用プレイに耐えられるかどうかをレビューしていきたいと思います。第1回は『Stray』と『モンスターハンターライズ』です。
『Stray』とは
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本作はアクション・アドベンチャーゲームとなります。プレイヤーは家族からはぐれ、見知らぬ世界に迷い込んだ一匹の野良猫となりサイバーパンクな街を歩き回り家族の猫たちと再び合流することを目指します。しかし街を歩く度に、数々の謎が野良猫の行方を塞ぎ、時には命を狙われるようなことも…。
本作はとにかく「猫が可愛い」「猫らしいアクションが出来る」と猫のアクションに心を奪われる人が続出。またサイバーパンクの独特の雰囲気もまた非常に相まってただの猫を愛でるゲームだけではなく、しっかりとした没入感もプレイヤーに与えてくれる作品です。
なお、「Steam Deck」での本作の互換性は「確認済み」となります。
猫成分を携帯出来る喜び
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さて、『Stray』を「Steam Deck」で遊んだ感想ですが…はっきり言って「Steam Deck」との相性は抜群です。操作するボタンがそこまで多くないため、「Steam Deck」でも直感的に遊ぶことが出来ます。
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音楽も「Steam Deck」からのスピーカーで十分雰囲気を感じ取ることが出来、時には癒やされ時には不気味さを耳でも感じることが出来ます。
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画質や動きについてもほぼ言うことはありません。一部画面の描写が多い箇所ではFPSが下がりますが許容範囲。猫をただ見つめるだけなら十二分に美麗な画質で愛でることが可能でしょう。
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バッテリー消費についてはデフォルト設定で1時間50%程度。アクション要素がある為FPSやリフレッシュレートは下げたくないところもあり悩ましいところです。ゲーム全体が暗い雰囲気のため、モニターのライトを下げるとより見えなくなってしまうので、そのあたりは設定を変えられないもどかしさはあるかもしれません。
ただ、その点を除けば間違いなく「Steam Deck」でも本作は最高のゲーム体験が保証されていると言えるでしょう。猫成分をどこでも持ち運べる喜びを感じられます。
『モンスターハンターライズ』とは
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続いては『モンスターハンターライズ』。本作は『モンスターハンターシリーズ』の最新作となります。プレイヤーはハンターの一人となり、村などの脅威になるモンスターを多種多様な武器を持ち討伐していくアクションゲームとなります。
現在は大型DLCである『モンスターハンターライズ:サンブレイク』も発売され、最大4人までネットワークを介して協力プレイが可能ということも相まって日々ハンター達は迫りくるモンスター達を狩り続ける日々を過ごしていることでしょう。
なお、本作の「Steam Deck」の互換性は「プレイ可能(通常プレイは可能だが一部箇所において制限がかかる場合がある)」です。
圧倒的な快適性
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さて、「Steam Deck」で『モンスターハンターライズ』を遊んだ感想ですが、はっきり言って圧倒的に快適です。それくらいあらゆる面で優れています。
まずロード時間。ゲームを開始してデータを選択してから実際に操作出来るようになるまでスイッチではおおよそ10秒ほどかかるのに対して、「Steam Deck」では1~2秒。クエスト開始もそれくらいの差があります。殆どシームレスに動いてくれるので、ロードの待ち時間のストレスは皆無です。
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そして画質。デフォルト設定だとスイッチの倍くらい滑らかに動きます。これが携帯ゲームで遊べるというのが驚き。『モンスターハンターシリーズ』においてはモンスターの動きを見極めて攻撃を当てることが非常に大事になるので、画質や動きがくっきり見えるというのはそれだけで大きなアドバンテージになります。
一方、1点だけ少し大変なのがR2ボタンの感触。本作では「翔蟲」と呼ばれるものを使うことで縦横無尽にハンターを動かすことが出来るのですが、R2ボタンを押す時の人差し指の操作量が少々大きく、操作に四苦八苦する時がありました。これはL1ボタンも同様。筆者はライトボウガンを使用しており、L1ボタンを押しながら弾の種類を切り替える操作をする時にも多少違和感がありました。数時間もプレイすれば違和感は無くなると思いますが、最初は戸惑う人も多いかもしれません。
バッテリーの消費はデフォルト設定で1時間55%程度。2時間は持たないので、寝る前に数クエストやろうかなという遊び方が一番しっくりくるかもしれません。『Stray』以上にアクション要素が強いため、FPSやフレッシュレートを下げるのは余りしづらいところもありますから。
両作品ともぜひ体験して欲しい
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今回紹介した2作ですが、どちらも非常に素晴らしいゲーム体験を「Steam Deck」で感じることが出来ました。間違いなく「Steam Deck」で遊ぶ時に手放しでおすすめできる2作品です。つい熱中しすぎてバッテリーが切れてる、ということだけが怖いのでそこだけは注意して遊んでみてください。
また今回のレビューで動きの激しいアクションゲームに対して「Steam Deck」のポテンシャルが非常に高いことも認識出来ました。改めて非常によいデバイスだなと筆者は思います。ぜひ皆さんも「Steam Deck」がお手元に来たら体験してみて下さい。きっと新たな携帯ゲーム機の可能性を感じられると思います。