
遂に日本でも出荷スタートとなったValveのハンドヘルドゲーミングPC「Steam Deck」。既に手元に届いた読者も多数いらっしゃるのではないでしょうか。筆者も発送予定日の夕方に無事受け取り、セットアップなどを済ませ、いろいろな検証を行っているところです。
そんな話題のSteam Deckはタッチスクリーンを採用。このタイミングで、発売前から方々で呟かれていた「ある目的」を検証することが必要ではないでしょうか?
ある目的とは?

詳しいゲーム説明や紹介は過去記事に譲りますが、『アイドルマスター スターリットシーズン』には登場アイドルとコミュニケーションを重ねる日常パートがあります。その中には「タッチイベント」という、実際にアイドルの身体部分などに触れて進行するパートも登場。アーケード版の初代からおなじみとなっているシステムです。
さて、ゲムスパ読者の紳士方には伝わらないかもしれませんが……タッチスクリーンがあるのであればやることはひとつ。早速“目的”を検証すべく、『アイマス』が動くかどうかも含めて試してみることにしましょう。

『アイドルマスター スターリットシーズン』を起動してみると、無慈悲にも表示される「非対応」の文字にいきなり出鼻をくじかれてしまいました。しかし初代から律子Pである筆者は退きません。ここで退いたら検証になりませんし、折角の大容量のSteam Deck(512G)が意味を為しませんので、臆すること無くインストールして進めます。
結論から先に言えば起動し、動作は見る限りではスムーズ……がオプションでDirect X12に設定していると日常パートなどでフリーズするため、変更が必須。しかし、手元に届いたSteam Deckで一番最初に起動したのが本作品であった筆者にとっては、他のゲームでステータスが非対応だったとしても期待できる結果だけに僥倖です。
ただ、それでも場面の転換時などでフリーズなどの不具合が発生。やはり動作は不安定なので、本作品のためだけにSteam Deckを買うというのは、目玉であるレイトレーシングも選択できないこともあってオススメはできません。

ローディングタイミングや幕間の切り替えアニメーションなどで頻繁にラグが発生しますが、それ以外では初期設定から画質を上げても、30を切るような激しいFPSの低下にはほぼ遭遇しませんでした。音に小さなノイズが混じることはありますが、ライブ(音ゲー)パートでも、ユニゾンアピールなどの発生タイミングなどを除いて致命的な処理落ちは発生しなかったので、相性は良いと言えるでしょう。

画質を落とさないでプレイできるかを考えた結果、最終的な設定はスクリーンショットの構成で落ち着きました。安定した動作のためには本体側のGPUクロックも固定するのが必須と言えるでしょう。しかし、バッテリーの消耗が非常に速いのが欠点。充電なしでは、2時間あまりで保たなくなってしまいました。
目的は達成、紳士にも勧められるアイドルコミュニケーション

タッチパネルの検証という紳士的な目的――そんなプロデューサーの餌食もとい検証に協力してもらうのは、765プロダクション所属の如月千早です。別にナニかやましい目的があるわけではないのですが、やはり『アイマス』と言えばタッチコミュニケーションではないですか?

実際に試してみると、なんと嬉しいことにタッチパネルでしっかりと操作できることが確認できました!うれしさのあまりか、寒さのあまりか頭を撫でるつもりが滑って胸にタッチしてしまう愚行を犯してしまいました。本当です!本当なんです!

怒られてしまいましたが検証できたので「ヨシ!」というところでしょう。アイドルと文字通りタッチコミュニケーションができるのも素晴らしいことですが、タッチ操作の良さが劇的に感じられるのは本作に登場する「スキルパネル」です。

以前のレビューで些末な問題として挙げていたUI/UXは、タッチパネルによって非常に快適になります。「スキルパネル」の項目がタッチで選択できることで操作が直感的になり、煩わしさが大きく解消されています(上記画面はPCでの撮影)。
とはいえ、ハンドヘルド環境で遊ぶには不安定

Steamをハンドヘルドで持ち歩くという観点では素晴らしいコンセプトのSteam Deckですが、本作品に関しては少々辛いというのが正直な感想。著しいバッテリー消耗やフリーズと懸念もあるため、やはり「非対応」であることは念頭に置くべきです。現状ではオススメしにくいですが、ひとまずは今後のアップデートに期待しましょう。早く仕事を片付けて、年末はコタツで「STAGE 4 YOU!」としゃれ込みたいところです。