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Game*Sparkで日々紹介される採れたての注目Steamインディーゲームたち。
その中で、このゲームあのゲームの内容が知りたい、そう思う方は少なくないのではないでしょうか?そこで、そんなゲームの中から1本をピックアップして紹介するのがこの企画「しぼりたて!特選Steamプレイレポ」。実際の内容をスッキリスピーディにお届けしたいと思います。こってりなプレイレポ類が見たいなら爆速プレイレポもお忘れなく。
今回取り上げるのは、「ベトナム本気の恐怖演出」「忠実に再現されたベトナムの文化と街並み」などが魅力の『The Death | Thần Trùng』です。
『The Death | Thần Trùng』とは?
本作は、3人からなる小さなインディーデベロッパーDUT Studioが開発するベトナム産ホラーアドベンチャーゲームです。舞台は現代のベトナムの首都ハノイ。プレイヤーはあるアパートに引っ越してきた若者として、そこで起きる恐怖体験を見届けていきます。
ゲームはウォーキングシミュレーター形式で進行し、アパートの各所を巡り、パズルを解きながら、過去にそこで起きた出来事を紐解いていきます。本作は2022年9月15日に配信を開始。Steamでは配信からわずか3日ほどで1,700以上のレビューを集め「圧倒的に好評」を獲得。ベトナム人からのレビューを中心に好評を集め、ベトナムの文化や街並みの再現度が高く評価されています。それでは、そんな本作の魅力のポイントをさっそく紹介していきましょう!
ステキポインツその1!「ベトナム本気の恐怖演出」
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はじめに忠告しておくと、本作にはジャンプスケア(びっくり演出)が多用されています。道の曲がり角やドアの先などのわかりやすいポイントでのジャンプスケアはまだ予想しやすいですが、一見なんともない場所でも演出が発生するため常に油断できません。
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ゲームはプロローグから始まり、全5章の編成。しかし、プロローグから本気のストレートパンチを放たれるため、苦手な方は序盤でノックアウトしてしまう可能性もあるかもしれません。そんな本作のストーリーは、1人の青年が古めかしい路地に佇む一棟のアパートに引っ越してくる場面から始まります。
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いつの間にかアパートに閉じ込められてしまった青年は、過去にこのアパートで起きた一家の死の謎を追いながら脱出を目指します。恐怖演出は多いですが、ゴアやグロ要素はほとんどなく、何かに追いかけられるということもありません。ただし、純粋なサイコホラーとしてプレイヤーを驚かせ、恐怖させてくるのでその分ずっしりとした内容に仕上がっています。
ステキポインツその2!「忠実に再現されたベトナムの文化と街並み」
本場のベトナム人が作ったとあって、本作はベトナムの首都ハノイの街並みや文化が忠実に再現され、それらが高く評価されています。
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ハノイの街並みは近代的なビルがそびえ立つ一方で、下町情緒あふれる住宅が密集しており、カラフルな色合いでありながらどこか色褪せた様子がベトナムらしさを感じさせています。本作では、そんな住宅街の一部が再現されており、そこで起きた事件を現代のベトナムから体験していきます。
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ストーリーは謎解きをしながら進行していき、各所でベトナムの文化が絡められながら描かれます。壁に貼られたポスターや建物の材質、タイルの質感に至るまで自然に取り入れられており、本場のベトナム人ユーザーからも違和感を感じさせない出来栄えに絶賛の声が挙がっています。
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ゲーム内の謎解きのひとつとして用いられるパズルは同ジャンルの作品に比べると、非常に難易度の高い内容になっています。しかし、もし謎が解けなくても時間が経てば救済処置として、謎をスキップしてくれる機能も搭載されているので安心です。
圧倒的に好評な『The Death | Thần Trùng』はベトナム人だけでなく、日本人としても納得の内容でした。
1周は約3時間ほどのちょうどよいボリュームとなっており、バグにも全く遭遇しませんでした。しかし、不満点はいくつか存在します。ホラーゲームとしては定番なのですが、本作の時間帯は常に夜となっており、視認性が悪いのが難点。光源としてライターを使える場面もありますが、それでも非常に暗いままです。また、足の遅さはレビューでも多く指摘されており、ダッシュコマンドも実装されていません。ウォーキングシムスタイルにおいて足が遅いことはストレスに直結するため、早急な改善が求められています。
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以上の点以外は、とりわけ不満はなく、低価格でありながら綺麗にまとまった作品となっています。日本語にも対応(残念ながら質は良くないですが)しているので、ある程度のホラー耐性があるならば是非プレイしてみてはいかがでしょうか。