2022年9月9日、アメリカプロバスケットボール「NBA」の公認ゲームのシリーズ最新作『NBA 2K23』が発売されました。
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新シーズンの開幕を10月に控えるNBAの選手たちが実名で登場しているほか、リアルなグラフィックと多彩なプレイモードで本格的なNBA体験が味わえる『NBA 2K23』の内容をプレイレポートで紹介いたします。
直感的な操作で豪快にプレイ!
シリーズを重ねるごとに進化を続ける本作。『NBA 2K23』ではバスケットボールならではのスキルムーブを再現したアニメーションが新たに追加されており、複雑な操作をせずともテクニカルなフィニッシュや豪快なダンクを楽しめます。細かな操作を練習できるトレーニングモードも充実しているので、シリーズのプレイが初めて、もしくは久しぶりのユーザーでも安心。
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今回はPS5でプレイしましたが、激しくコンタクトする場面ではアダプティブトリガーと振動機能によってマッチアップのぶつかり合いが感じられます。試合では流れによって能力がブーストされるなどゲームらしい要素もあり、リアルさと爽快さが融合したプレイが味わえました。
自分が操作していない選手もAIによる制御でしっかりとポジショニングしてくれるのがバスケの戦術理解が浅い筆者には非常に有難く、手軽に連携プレイも再現可能。もちろん手動でスクリーンプレイなどを指示することもでき、実名選手を操作してリアルな試合を演出したいコアなNBAファンから、シンプルな試合を楽しみたいプレイヤーまで幅広く対応した試合操作になっています。
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中継画質まで再現して「ジョーダンチャレンジ」が復活!
『NBA 2K23』の大きな目玉となっているのが「Jordanチャレンジ」モードです。誰もが知るレジェンドプレイヤー、マイケル・ジョーダンがキャリアで成し遂げた偉業をなぞっていくゲームモードで、節目となる試合をプレイして目標を達成していきます。
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チャレンジはジョーダンが脚光を浴び始めた大学時代のプレイに始まり、1998年のNBAファイナルで決めた「The Last Shot」まで全部で15種類。いずれも3つの目標が設定されており、ジョーダンの驚異的な得点能力による大量点でチームを勝利に導くのはもちろんのこと、当時の活躍に基づく試合内容を再現することが求められます。
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そして本モードではゲーム内の映像が当時の中継映像のようなグラフィックに変更される特徴的な機能「時代フィルター」を搭載。当時のNBAを見ていた訳ではなくとも思わず懐かしく感じてしまいます。
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再現されているのは字幕や得点表示だけでなく、ルールや戦術も現代バスケとは異なる当時のトレンドを反映しているという圧倒的なこだわりに驚きです。どうしてもプレイに集中したい場合は設定からオフにすることも可能なのでご安心を。
ゲーム内容とボリュームの充実に加えて各チャレンジの冒頭では当時を知る関係者がジョーダンの足跡を振り返るVTRも収録されており、いかにしてマイケル・ジョーダンがレジェンドとなったのかを臨場感たっぷりに追体験できるドキュメンタリーはかなり見ごたえアリ。
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「Jordanチャレンジ」が同シリーズ作品に最後に収録されたのは10年以上前と、ファン待望の復活となった本モード。「マイケル・ジョーダン」というレジェンドプレイヤーを強くフォーカスした内容は見どころたっぷりで、当時を知るファンにはたまらない復刻ではないでしょうか。
アメリカンなドラマが展開される「マイキャリア」が遊びごたえ◎
もちろん「Jordanチャレンジ」以外のモードも充実。女子プロリーグであるWNBAをプレイできる「The W」や、選手を集めてオリジナルのチームを完成させて対戦する「マイチーム」など、NBAにまつわる全てを楽しみ尽くせるゲーム構成になっています。
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自由にシーズンをシミュレートできる「マイNBA」モードでは、現代以外に3つの「時代」からスタート年代を選べるように。当時のメンバーでプレイできるだけでなく、歴史に残る偉大な選手の所属先を変えてみたり、夢のドリームチームを結成させてみたりと「もしも」を追求できるモードへと進化しています。
特に筆者がハマったのはひとりの選手となってドラフト指名を受けてからのプロ人生が描かれる「マイキャリア」モード。スポーツゲームの定番と言えば定番ですが、試合一辺倒ではなく「同世代のライバルプレイヤーと比較を受ける立場から活躍で周囲を納得させていく」シナリオがテンポ良く展開され、映画を見ているような満足感がプラスされています。
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コート外での楽しみも充実していて、ドラマパートではサポートしてくれる仲間との小気味よい会話が楽しめるだけでなく、活躍を続けて名声を高めていくことで自らファッションや音楽などビジネスについて発信する機会も増える仕組みに。今では当たり前になりつつあるスポーツ選手個人のブランディングを取り入れた、超スケールのアメリカンドリームを味わえるモードになっています。
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チーム全員を操作する他モードよりも没入感が高く、それでいて低めの難易度でもゴリ押しが完全に通用する訳ではないのが絶妙な歯応え。ライバルとの関係を煽られながら「次の試合こそ活躍してやるから見てろ!」と思わず何試合も続けてプレイしてしまいました。
今回は「Jordanチャレンジ」と「マイキャリア」を中心に『NBA 2K23』をプレイしてみましたが、この2モードだけでもかなりの時間遊べるボリュームになっています。次世代機なら「マイキャリア」内で街を歩く日常パートが「ザ・シティ」という独立したモードとして楽しめるようになっており、各所でクエストやゲームに興じるオープンワールド作品のような面白さも。
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スポーツゲームの宿命としてバスケットボールに関する一定の基礎知識は必要になりますが、あとは操作の上達にこだわらずともジョーダンの軌跡やNBAの迫力をしっかりと味わえる「リアルな体験」に強くフォーカスされた作品という印象です。
筆者はNBAの現役選手やシリーズ作品について詳しい方ではないので予備知識なしで全てのモードを堪能するのは難しいのですが、日本語対応と親切なガイドによって手探りでもプレイを進めやすいのは非常に有難かったです。時に「今の字幕は男女を間違えてない?」って場面があるのもご愛敬。
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現役バリバリなNBAファンの方から「マイケル・ジョーダンは見てたなぁ」と懐かしさを感じる方まで、バスケットボールファンなら幅広い世代が楽しめる一作に仕上がっています。