イヌやネコを可愛いという方はたくさんいますが、どういうわけか、爬虫類はかなり好みが分かれる動物でもあります。中には同じようにモフモフしているものもありますが、ぬめっとしたウロコ肌、鋭い目つきがクセになる爬虫類の大きな親戚が恐竜さんです。
というわけで今回は、2023年5月10日に有料追加コンテンツが配信されたクライムアクション『シリアルクリーナーズ(Serial Cleaners)』のDLC「Dino Park」の気になる内容をお届けします。
そもそも『シリアルクリーナーズ』とは!?
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本作は、Draw Distanceが開発したステルスアクション。90年代の最後の大晦日を迎えるニューヨークを舞台に、個性的な4人の“掃除屋”が特殊清掃よろしく、現場に残された死体や証拠を綺麗さっぱり片付けて逃走する暗躍が描かれました。
今回のDLC「Dino Park」では、生きた恐竜が徘徊する島が新たな舞台となり、4つのステージが追加。人間による警戒網だけでなく、恐竜の本能もかいくぐりながらクライアントの依頼をこなす必要があり、様々なギミックを活用して掃除を成功させましょう。
また、本作は日本語言語に対応しており、ボタン表記を含めたフルコントローラーサポートも実装しています。
忙しい現代人のためのワンポイント解説!
◆ボブ
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頼られるチョイ悪おやじ。年齢はヒミツ。スキルが地味なせいか、筆者プレイ中は終始“歩兵”だった不遇なおじさんです。血の上を滑って高速移動できるとのこと。
◆ラティ
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知的でオトナの女性。29歳。パルクール的な移動アクション、スプレー落書きで敵の注意を引いて回避するなどの多才です。割と使いやすい。
◆ヴァイパー
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電脳担当。26歳。ステルス系キャラにはおなじみのハッキングスキルのほか、専用のダクト侵入など逃走時は無類の強さを誇ります。基本的に、ステルスゲームは女性キャラクターが使いやすい傾向があります。
◆サイコ
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難しいことは考えないピュアな男。40歳。チェーンソーを駆使して死体から壁まで何でも切り倒すオフェンス精神で突破口を作り出します。移動スキルがないのが欠点。
掃除好きにはたまらない“掃除屋”アクション
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「Dino Park」は、独立したシナリオとなっているので、本編をプレイしていなくても最初から選択することができます。追加された4つのステージは、クリアするごとに順を追ってアンロックされる方式となっており、それぞれ能力が違うキャラクター専用のギミックが用意されたステージです。
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クセの強い主人公一味の掛け合いの後、シームレスな導入からゲームがスタート。豪雨に紛れて上陸した時点で、すでに一帯は関係者と思われる大量の死体と血だまり、そして凶暴な恐竜によって制圧されていました。
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あくまで本作は純粋なステルスゲームとして設計されているので、恐竜や警備員を撃ち倒したり、麻酔銃でブスっと眠らせることはできず、敵の警戒を回避しながら目的を果たすパズル的な感覚が強いです。
敵の攻撃を一度でも受けると強制リトライとなりますが、ロードは秒未満で完了するためストレスは皆無。途中セーブも存在し、恐竜は檻に入れて閉じ込めることができるほか、障害物や高低差を利用すると追跡を諦めるので強気なプレイでも問題ありません。
ただ、敵は追跡に失敗すると武装や警戒度が強化され、プレイヤーも無限に走って逃げられるわけではないので、無用なリスクは避けるに越したことはないでしょう。
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死体や証拠品の処理も決められた手順があり、基本的には全て片付けないといけません。特に、死体は動かすと血の跡が残って追跡されやすくなり、来た道を戻って掃除するという二度手間になるので、これも忘れずに綺麗にしておきましょう。
細かい手足も含めた死体類、大小の証拠を同じように始末してから、べっとりとステージ全体に塗りたくられた血も掃除機で吸い取って脱出というのが基本的な流れです。
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恐竜が新たな関係性を生む
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恐竜が好きで映画も嗜んでいる方には、いろいろと見覚えのあるシーンが多いでしょう。明らかにそれらを意識したと思われるシーンがいくつか登場しますが、本作における恐竜はマスコットではなく、きちんとした要素として成立しています。
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当然ながら、恐竜は恐竜なので本能に従って行動しており、脳にチップを埋められているわけでもありません。人間の敵と遭遇すると、互いに攻撃を始めて最終的には捕食。無残なバラバラ死体となった警備員の亡骸を掃除する手間は増えますが、敵が減って攻略しやすくなり、プレイヤーそっちのけで戦うので素通りもできます。
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かなりギミックが凝っているので全ての可能性を試したわけではありませんが、はじめは柵で分けられていた両者がプレイヤーの介入によって戦闘になったり、わざと恐竜に追いかけられた状態で警備員たちに突入することで乱闘になったりと、サンドボックス的な試行錯誤を楽しめます。
あえて恐竜を閉じ込めないという選択肢も出てくる奥深さもあり、そうした自由度や展開の幅広さも本質として存在するステルスというジャンルに対する理解の深さ、開発者のこだわりがプレイを通じて見えてきました。
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前述の死体処理に関しても捨てる場所によって演出が異なり、大型の換気扇で細切れ、翼竜がキャッチして持ち去る、ラプトルの檻らしいところに投げ入れると木が揺れて食べる音だけが響くなど、知っているとより楽しめるネタが各所に仕込まれています。
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筆者は中間の難易度でプレイしましたが、単純な相手としては警備員より手強いので、難易度的な意味でも存在感があります。ステルスは難しいほど面白いという玄人プレイヤーはもちろん、程よい緊張感で適度にプレイしたいという方も、それぞれに合った難易度で裏社会の掃除を堪能しましょう。
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スパくんのひとこと
“始末された人間を始末する”という設定が皮肉ループで面白いスパね!こういう仕事は時給も良いけど、失敗したら自分が掃除されるから気をつけてスパ!
タイトル: Serial Cleaners - Dino Park
メーカー:Draw Distance、505 Games
対応機種:PC/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ
筆者がプレイした機種:PC(Steam)
発売日:2023年5月10日
記事執筆時の著者プレイ時間:3時間
価格:970円