ついに始まった「Steamサマーセール」。本記事ではセール対象のゲームの中から、筆者の独断と偏見でおススメの3DダンジョンRPG(DRPG)を9作紹介していきたいと思います。
『両手いっぱいに芋の花を』
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緩やかに滅びを迎えつつあるポストアポカリプス世界で、どんな場所でも育つという「芋の種子」を求めて、その手がかりがあるという孤島の迷宮に挑むのが本作『両手いっぱいに芋の花を』です。8つのクラスからなる冒険者を作成し、3人パーティを編成して迷宮に挑みます。本作の戦闘ではあらかじめ敵の行動が開示されている点と、ほとんどの行動に影響を与える「スタミナ」が重要な点が上手くかみ合わさり、「ソウル系」アクションゲームのような絶妙な緊張感を生み出しています。
立体交差などのギミックを含めたダンジョン構造は複雑ですがオートマッピングなどの機能が充実しており、遊びやすさは数あるDRPGの中でも随一です。また1度クリアしても、違うクラスによるパーティ編成で最初から遊び直してみるとまったく異なる戦略が要求されたりと、意外と長く楽しめるゲームでおススメします。
『デモンゲイズ エクストラ』
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PS Vitaで発売され、好評を博したDRPG『デモンゲイズ』のリマスター版が本作です。プレイヤーは凶暴な機械生物「デモン」を従える力を持った「デモンゲイザー」となり、辺境の宿屋「竜姫亭」を拠点として冒険者を雇いながら各地のデモンを討伐していきます。
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本作の魅力と言えばやはり遊びやすい操作性と豊富なトレジャーハント要素でしょう。本作では今まで歩いた部分をオートマッピングしていつでも見られるのはもちろんの事、1度踏破した地点であればそこまで自動移動をすることが可能です。このおかげでダンジョン探索はとにかく快適です。またダンジョンに点在する「サークル」に「ジェム」を投げ入れると貴重なアイテムを持った敵が出現する、というシンプルかつわかりやすいトレジャーハントがこれまた楽しく、DRPGを遊んだことがない方にもお勧めできるゲームです。
『東京新世録オペレーションアビス/バベル』
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先述の『デモンゲイズ』の開発元であるエクスペリエンスの処女作『Generation XTH』をリメイクした作品群がこの2作になります。本作の基本的なシステムはPS2で発売された『ウィザードリィ エクス』をベースとしていますが、舞台は現代の東京で、「コードライザー」と呼ばれる変身能力を身につけた学生キャラクターを作成し、6人パーティを編成してアビス(迷宮)と化した東京各地で戦っていくこととなります。
キャラクターメイキングは細かい表情パーツまでカスタマイズしてキャラクターを作るモードと、あらかじめ決められたポートレートを選択してキャラクターを作るモードの2つに分かれており、手軽に遊びたい人は後者を、細かくこだわりたい人は前者を選ぶと良いでしょう。
1作目『オペレーションアビス』ではカルト宗教団体や国家の機密機関との戦いを描いており、この手のRPGとしては珍しい設定が異彩を放っています。そして2作目『オペレーションバベル』では1キャラクターにメイン/サブの2クラスを設定できる「クロスブラッド」システムが導入され、キャラクター育成の幅が乗算的に増しました。
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両作とも『ウィザードリィ』譲りのアイテムドロップや鑑定要素があり、トレジャーハントが非常に面白いのですが、特に2作目『オペレーションバベル』ではラストダンジョン到達後に解禁されるアイテム群が非常に強力かつバラエティに満ちていて、より強いアイテムを探すのが楽しいのでトレジャーハント中心のゲームを求めている方にはおススメです。
『蒼き翼のシュバリエ+新釈・剣の街の異邦人』
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『蒼き翼のシュバリエ+新釈・剣の街の異邦人』はエクスペリエンスの開発したゲームのカップリング作品で、両作とも『デモンゲイズ』の前日談となる物語となります。
『蒼き翼のシュバリエ』は「勇者が運命のもとに集った仲間(生徒)たちとともに魔王に挑む」という王道JRPGを踏襲した内容であり、3Dダンジョンながらマップ閲覧に制限はなく、またマップ上に点在する「トラップポイント」に魔物の餌を仕掛けることで、貴重なアイテムを持ったモンスターを集めて戦利品を得る……というシンプルかつ楽しいトレジャーハント要素が搭載されています。DRPG未経験者にもおススメできるタイトルです。
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また、『新釈・剣の街の異邦人』は『蒼き翼のシュバリエ』のその後の世界を描く後日談であり、こちらはファンタジー世界に異世界転移した現代人たちでギルドを結成し、元の世界へ戻るための手掛かりを求めて各地のダンジョンを放浪するといった内容になります。今作ではダンジョン内に点在する待ち伏せポイントで一定の士気を消費して敵の輸送隊を待ち伏せし、輸送隊を襲撃することでアイテムを得る……という、本作も遊びやすいトレジャーハント要素が揃っています。
古典的なDRPGを志向していることもあってか、本作はやや難易度が高い部分もありますが、キャラクターを6人作ってパーティを編成してダンジョンに潜るタイプのDRPGの入門にはもってこいなタイトルだと思います。
『黄泉ヲ裂ク華(Undernauts: Labyrinth of Yomi)』
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本作もエクスペリエンスの開発作品となりますが、本作は「架空の1970年代日本、謎の構造体・黄泉から得られる新資源・アルゲンの採掘を行う地下探工士(アンダーノーツ)たちの活躍を描く」という、今までの作品とは少し毛色の違うDRPGになります。
本作の肝は「超電・耐電・神電スイッチ」というパーティスキルを活かした戦闘と、難度でも振り直し自由なスキル・ステータスポイントです。各スイッチは戦闘中基本的に1度だけ使える強力な技で、「超電」はそのターン全員の消費MP0かつスキル強化、「耐電」は敵からのダメージ大幅軽減+ターン終了時にHP回復、「神電」はそのターン全員が先制攻撃+効果中に敵を全滅させると敵撃破報酬2倍という効果になっています。ザコ戦では初手超電でフルパワーを敵全体に叩き込み、次のターンに神電で先制でとどめを刺す……を決めたときの気分は格別なものがあります。
また、本作は拠点で職業も含めステータスやスキルを振り直すことができ、自由な編成が可能です。冒険に詰まったときにまったく別のパーティ編成を組むという事が容易で、遊びやすいDRPGであることは間違いないです。
『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』
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日本一ソフトウェアが送り出した意欲的なDRPGが本作です。「壁壊し」「最大40人パーティ」など、既存のDRPGの常識を覆す要素が多く取り入れられています。
ルフラン市の地下に広がる広大な地下迷宮には瘴気が満ちており、人間による探索が不可能ですが、魔女ドロニアとその弟子ルカによって作られる「人形兵」、およびプレイヤーの魂が封じられた魔法書「妖路歴程」ならば探索が可能……という事で、プレイヤーは少しずつ「人形兵」を補充しながら、前人未到の大迷宮を少しずつ踏破していくことになります。
また、本作のアイテムやモンスターには様々な前置詞がついていることがあり、同じように見えるアイテムやモンスターでも性能が異なります。この辺りの要素は『ディアブロ』に通じるトレジャーハントの面白さがあります。
また、本作の続編となる『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団』もセール対象となっていますので、興味のある方はそちらもチェックしてみてください。
『限界凸記 モエロクロニクル』
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コンパイルハートが送るモンスター娘特化DRPGが『限界凸記 モエロクロニクル』です。プレイヤーはダンジョンに巣くうモンスター娘を次から次へ仲間にしていき、ダンジョンの奥深く奥深くを目指します。
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モンスター娘には様々な属性や好感度が存在し、これらで性能が変わってくるほか、「パンツ」を履き替えることでキャラクターの性能が大胆に変わってきます。この仕様考えた奴、何喰ってんだ。
ゲーム全体から漂う「下品さ」が人を選ぶという点はありますが、モンスター娘愛好家や、ゆるめのDRPGを遊んでみたい人には悪くないかもしれません。
『●LIVE IN DUNGEON』
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「異世界ダンジョンを実況する」という、最近流行のジャンルをいち早く取り入れていたのが本作です。プレイヤーは飼い猫とともにカメラ片手に、異世界のダンジョンを実況し、視聴者とコミュニケーションを取って行くことになります。
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冒険中には視聴者のコメントが多数つくので、矢印キーでレスを返していきます。WASDキーで移動、Enterキーでコマンド入力しながらレスを返していくのはかなり忙しいですが、通貨である「いいね!」の増加や、戦闘中であればスキルのクールダウンが短くなるという利点があるので、レス返しは積極的に行っていくと良いでしょう。本作のボリュームは決して大きいものではありませんが、エンディングまで遊ぶと記憶に残るタイトルだと思います。
『Vaporum』
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日本製のDRPGとは趣が異なる、リアルタイムサイバーパンクDRPGが『Vaporum』です。謎の施設へ潜り込むこととなったプレイヤーは、その道中でパワードスーツや武器を拾いながら、施設の謎を解いていくことになります。
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難易度選択も幅広く、日本語訳のクオリティも高いゲームなので、リアルタイムDRPGが初めてな人でも大丈夫です。平行移動と向き変更を合わせたヒットアンドアウェイ戦法といった、リアルタイムDRPGではお馴染みのテクニックもバッチリ学べます。
ここまで、数あるSteamのDRPGの中でも、サマーセール対象かつ日本語対応のものをピックアップしてみました。ここまでの紹介が皆様の参考になれば幸いです。
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