魔王討伐は序章に過ぎない！？技の「ひらめき」が戦い握る新作DRPG『Demon Lord Reincarnation』【プレイレポ】

Steamのサマーセールも終わり、毎日うだるような暑さにうんざりしながら過ごしている方も多いのではないでしょうか。今回はGraverobber Foundationが開発・販売を手掛ける、2023年7月19日に配信が開始された3DダンジョンRPG『Demon Lord Reincarnation』を配信前に遊ぶ機会を得ましたので、そのプレイレポートをお届けします。

※注：本記事は一部ゲームのネタバレを含みます。予めご了承ください。

『Demon Lord Reincarnation』とは

本作は4人編成で3Dダンジョンを探索して、徘徊している敵を倒しながら迷宮の奥へ奥へと進む、いわゆる「DRPG」です。復活してしまった魔王LEINADを討伐すべく、4人の冒険者を率いてダンジョンに挑みます。

イラストレーションに様々な『ウィザードリィ』ライクゲームに使用されているとり夫氏の素材が使われているので、本作もまたウィザードリィライクゲームなのか……と思われる方もいるかもしれませんが、実は本作は『ウィザードリィ』とはまったく異なっています。次項以降、そのあたりの違いを見ていきましょう。

『ウィザードリィ』というより『サガ』シリーズ！？経験値なし、戦って強くなれ

本作ではキャラクターメイキングは存在せず、拠点にあるたき火の位置で待つことで冒険者をスカウトします。

名前や職業がランダムで決まった冒険者がたき火で待っていると現れるので、パーティ編成のバランスなどを考えながら参入させるかどうかを決めましょう。また、拠点にいる衛兵に話しかけることで既に参入しているパーティメンバーを解雇することも可能です。

4人の冒険者が揃ったら地下迷宮に挑む頃合い。しかしながら本作ではオートマッピングが実装されておらず、「CHECK」コマンドによる現在位置座標表示しか行えません。本作のダンジョンは結構複雑で、地下1階から「通り抜けられる壁」が登場するなど、マッピングなしでのクリアは困難です。このゲームに挑む前に、あらかじめ方眼紙なり方眼ノートなりを買っておくか、各種PC用マッピングツールを用意しておくことを強くお勧めします。

序盤の戦闘もかなりシビア。最初の数戦では死者が出ることが珍しくない（と、マニュアルにも書いてある！）上、本作では死者を蘇生させることはできません。死んだ仲間は亡霊として迷宮を彷徨い、自パーティを見かけるとモンスターを引き連れて襲ってきます。もし相対してしまったら、心を鬼にして彼らを成仏させましょう。なお、死んだ仲間のパーティ枠は拠点のたき火でメンバーを補充することができます。補充メンバーは自パーティのキャラクターとほぼ同じ強さなので、迷宮深層で死者が出ても新規キャラクターが弱過ぎて死ぬ……という事はありません。

他に本作の特色として挙げられるのは「経験値の概念がない」こと。ではどのように成長するのか……というと、毎戦闘後にキャラクターの能力値がアップしていきます。このあたりは『ロマンシングサ・ガ』を思い起こさせます。

また各キャラクターのスキルには個別に熟練度があり、使い込んでいくと名前の末尾にI→II→IIIと付いてスキルの威力が上がっていくほか、戦闘中に他のスキルを閃くことがあります。この辺りも『サガ』シリーズを想起させる要素です。

迷宮を探索していると稀に宝箱が見つかり、盗賊キャラクターで罠を外して開けることができるのは『ウィザードリィ』同様ですが、本作にはアイテムの概念もありません。宝箱のボーナス要素は装備品を更新して能力値が上がった、もしくは薬や巻物の効果でHPなどが増えた……という形に落とし込まれています。

地下5階で待つ魔王を討伐せよ。そして……

地下深く潜れば潜るほど強力な敵が出現するようになりますが、その分こちらの能力値も上がりやすくなります。本作では休憩コマンド（ゲームパッドではBボタン、キーボードではRキー）を押すことでどこでも小休憩ができ、HP・スキルポイントを回復することができますが、開けた場所でこのコマンドを実行すると敵の不意打ちを喰らってしまうので注意が必要です。通路の行き止まりが良い回復ポイントとなるでしょう。

強力なモンスターや複雑なダンジョンを潜り抜けて地下5階の最深部にたどり着くと、魔王LEINADが待ち構えています。ここまで培った経験を活かして、全力で戦いましょう。

しかし本作は、魔王を倒しても冒険は終わりません。なぜなら……

再度復活した魔王LEINADを操作して地上を目指す逆転モードが始まるからです！

このモードでは今までダンジョンの障害物だった「魔法陣」に立ち寄ることで、配下となるモンスターを召喚することができる……という、『ウィザードリィ4 ワードナの逆襲』にかなり近いシステムを採用しています。ゲームのフィーリングこそ全く違えど本作が『ウィザードリィ4』に強いオマージュを捧げているのは間違いないでしょう。

本作『Demon Lord Reincarnation』は一見『ウィザードリィ』ライクなDRPGに見えますが、システム面は『サガ』シリーズに近い……という、独特なプレイ感覚を持つDRPGです。序盤のバランスが不親切でオートマッピングもないのでDRPGの入門者には勧められませんが、変わったプレイ感覚のDRPGがプレイしたい……という方には遊んでみてほしい一品です。

スパくんのひとこと