2023年8月2日、インディーデベロッパーGrizzlyGamesはSteamにて新作タワーディフェンスゲーム『Thronefall』をPC(Windows/Mac)向けに早期アクセスリリースしました。本記事では、そんな同作のプレイフィールを紹介していきます。
『Thronefall』とは?

本作は迫りくる外敵から小さな王国を守り抜くタワーディフェンスゲーム。プレイヤーは王となり、昼は領地内で建造物や兵士の位置取りなど采配を振り、夜は自ら武器を振るい敵を蹴散らします。パラメータが複雑に絡まってややこしい……ということが極力抑えられており、金!施設!兵力!パワー!といった具合でシンプルなデザインが採用されています。
それでありながら絶妙なバランスの難易度で、経験値システムのお陰で敗北しても何かしらレベルアップと要素のアンロックがあるため、個人的には、遊びのモチベーションが高く保たれたまま何度もプレイしてしまう魅力がありました。筆者は『ELDEN RING』や、こちらのタイトルでも王になったことがあるので、本作でも覇者たる者の働きを民草へ見せてまいりましょう。
なおストアページによれば、「4つのプレイ可能なレベル、37のアンロック可能な特典と武器、3~5時間のコアプレイ時間、さらには無限に楽しめるハイスコアアタック」といったコンテンツが用意されており、早期アクセスでありながら濃ゆいボリューム感……!
操作・設定・言語

本作の操作はキーボード&マウスおよびコントローラーに対応。個人的には前者のほうが遊びやすかったのでそちらを選んでいます。全体的に設定項目はシンプルで、オーソドックスな内容が並びます。

そして言語は、既にばっちり日本語対応。一部テキストがわずかに英語のままだったりしますが、プレイしていて支障をきたすことはありませんでした。
本編開始
チュートリアルで学ぼう!

さあ始まりました『Thronefall』、最初のステージはチュートリアルも兼ねているため、画面上にはいくつかの指示や矢印が表示されます。基本に忠実な王となれ。ガイダンスに従ってさえいれば、戦闘方法と施設建設など迷うことなく学習できることでしょう。

まずは準備パートです。拠点となるお城が完成しました。建設時にボタン長押しでゴールドがチャリンチャリン音を鳴らすのが良いですね。本作、BGMもさることながら効果音ひとつとっても非常に心地良い音作りになっています。

ここから敵を迎撃していきます。夜を呼ぶ王となれ。各施設、兵士には体力がゲージ表示のスタイルで設定されており、敵から攻撃などを受けるとダメージになり、ゲージが0になると破壊(死亡)となります。幸い1ターンまたは時間経過で復活するのでガンガン攻めに出ても問題ありません。しかし城を落とされると「敗北」でゲームオーバーになってしまうので、王は適切な布陣を敷かねばなりません。

ともあれ習うより慣れろで早速敵を皆殺しにしましょう。ラッパを高らかに吹けばあっという間に夜がやってきます。このメロディが若干どこかで聞いたことのあるようなパパパパパウワードドン(訳:貴公の首は柱に吊るされるのがお似合いだ)な気がしないでもありません。
ここではチュートリアルなので簡単になっていますが、敵はマップ隅のいずれかから出現して攻め入ってきます。城までの道のりは蛇行していたり狭まっていたりするため、大勢に乗り込まれた場合であっても、うまいこと各個撃破へ持ち込むことができる巧みなデザイン。

王は遠距離、近距離を選択できて、あとは敵に接近すると自動的に攻撃を続けてくれます。時間経過で回復するアビリティを発動すれば強力な攻撃を放つことも可能だったり。

敵を殲滅したことで朝がやってきました。金色に輝く大地をまばゆく照らして昇るお日様は、文字通り夜を徹して孤軍奮闘した我らが王をも荘厳に彩ります。この段階から再び準備パートに入ります。不眠不休の王となれ。

獲得したスコアとは別会計(?)で、入手するゴールドを元手に領地のあちこちに手を入れていきます。なお画面内で赤くハイライトされた丸いアイコンは、「次はどこからどんな敵が何体やってくるか」を示すので、それらに対応した防衛強化を心掛けると良いでしょう。
とはいえ、建設や強化に使用するゴールドは無限に溢れてくるわけではなく、建設した家や畑などの施設から毎ターン収入を得る形になります。敵は攻め入る際に、王めがけて突撃してきますが、それよりも先に建物などのオブジェクトがあると、まずそちらへ群がる習性があります。

そのため、もしその集中攻撃を受ける場所に、大切な収入源である家々が立ち並んでいると、仮に夜を凌いでも次のターンでなかなかに厳しいことになってしまいます。素寒貧な王となれ。お金を投入する時は場所とタイミングについてよくよく考えなくてはなりませんね。
次のマップへ攻め入ろう!

……という具合に、チュートリアルで基礎基本を学べたのでいよいよ本番です。ワールドマップで目的地を選択していきましょう。現時点では限定的なマップ数ですが、製品版ではさらにコンテンツが追加予定とのことです。

先程のチュートリアルステージで勝利を収めたため、武器、特典、ミューテーターのいくつかが解放されました。前2つはいわゆるパッシブスキル(?)で、後ろはデバフ。難度は上がりますが、その分見返りが増えるため、戦いを求める王となった皆様におかれましては、挑戦してみるのも良いかもしれません。

さて領地の様子を見てみましょう。なるほど、周囲に川があるため敵が攻め込む場所は制限されるわけですね。それであればまず、この一本道の先を重点的に防衛した方が良いですな……とかなんとか、歴戦の将のように考え込んでいた筆者ですが、このあと普通に川を渡ってきた敵に蹂躙されます。

現状新しく兵士を雇うお金もないので、またも孤軍奮闘する我らが王。しかし今回は風車に細工を仕掛け、敵に破壊されたら爆発するようにしました。まあ流石にこんな見え見えのトラップに引っかかる敵は、

いたよ。

その後も順調に軍資金をため続け、やっと拠点をアップグレードすることができました。これで守りはより堅牢に、建設可能施設はさらにバリエーションが増えます。守りを固めることも重要ですが、個人的に金策を優先して拠点強化を目指した方が、長い目で見れば、敵の攻撃が激しくなる後半あたりで最終決戦の準備を整えることができそうです。

とりあえず今回は槍兵と弓兵を率いることに。こうした兵士ユニットは、まとめて選択して任意の場所に連れていったり、指定したポイントで待機させたりとなかなか柔軟に指揮することができます。皆のもの、我に続け!

そんな我らが王は、安全な後方に控えることなどせず、自ら先陣を切って勇ましく戦います。ある程度数を捌いたら味方兵士に現場を任せつつ、自らは取りこぼした敵を追撃していきます。

こんな感じで敵の勢力もだんだんと強くなってくるため、どうしても手持ちの兵士や自分だけでは手が回らない場面が増えてきます。そんな時に便利なのが城壁や自動攻撃をしてくれるタワーの建設です。
それぞれ耐久値が設定されているので、敵が攻撃をしてくれる間は足止めにもなります。そういった敵侵攻のタイミングをずらすことによって、マップ内で「手が回らない」場所を減らし、臨機応変に対応しながら各個撃破へ持ち込むのです(理想)。まあ実際は、さっくり壊されて慌てふためきながら敵に翻弄されていたのですが……。

そんなこんなで最後の朝。マップの四方に敵の大群を示す赤いアイコンがずらりと並びますが、こちらも拠点は準備バッチリで、兵士の数も全方位へ揃えています。もちろん本当はもっと施設のアップグレードなどを行いたかったのですが、資金が足らず……!

あちこちで激戦がはじまり、我らが王も味方兵士を囮にしつつ、敵の背後に回って次々と撃破していきます。というかもう突撃して蹴散らすことだけが目当てになっている気がしてきました。

そんな頭ビッテンフェルトな奇跡の人こと我らが王も、攻城兵器が2台も現れた時は青ざめました。これらは堅牢な城の耐久値をチョコレートみたくとろとろにしちゃう決戦兵器なんです。

なんとか撃退して次の場所へ向かえば城にも敵の魔の手が!あわてて突撃し、どっちを向いても敵ばかりな状況に今度は頭グエン・バン・ヒューになりながら攻撃を乱れ突きしていきます。

勝利!このあたりまでくると、だいぶゲームプレイの勘所がわかってくるので、大勢に囲まれても押し返すことができるスキルが身についていることでしょう。
おわりに

次の荒野マップでは金鉱を設置してより多くのゴールドが手に入ったり、マップ構造もジグザグになったりと、より面白い攻略ができるデザインになっていました。

これまで快進撃で勘所も掴んできた我らが王、ここでは順調に敵を蹴散らしながら、逆転敗北をキメました。あれ?

いや違うんです。筆者のプレイにまだ脇の甘さがあるのはその通りですが、途中まで調子良く拠点周りを強化しても、後半戦でいつの間にか敵の物量に押し切られて城がチョコレートになっていたのです。本作は、わずらわしいパラメータ管理などがない分、シンプルに敵とこちらの動きとタイミングの噛み合いによって、場合によっては一瞬で戦況が逆転します。
だからといって本作が激ムズ理不尽、ということでは決してなく、個人的に今ものすごく楽しんでいます。本当に、ちょっとしたきっかけ一つで「あともうちょっとで上手くできそう……!」という光明が見えている時の楽しさと来たら!
早期アクセス故にまだまだ荒削りな部分もあるかもしれませんが、全体的に高い完成度を既に持つ本作。皆様も是非、頭を猪突猛進にして元気に敵を蹴散らしてまいりましょう。
タイトル:『Thronefall』
対応機種:PC(Windows/Mac)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2023年8月2日
著者プレイ時間:2.5時間
サブスク配信有無:記事執筆時点では、無し
価格:800円(2023年8月10日まで720円のセール中)
※製品情報は記事執筆時点のもの
スパくんのひとこと
王様が、いの一番に敵へ突っ込んでいくスパ!その間、他の場所でも味方兵士がしっかり仕事を果たしていると、かなりテンション上がるスパ!