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Cygamesにて、ARPG『グランブルーファンタジー リリンク(以下、リリンク)』のプレスイベントが開催されました(同日には『グランブルーファンタジー ヴァーサス -ライジング-(以下、GBVSR)』も同時開催)。本記事ではついに発売日が2024年2月1日と発表された『リリンク』について、本イベントの模様をレポしていきます。
本作は大人気スマートフォンアプリ『グランブルーファンタジー(以下、グラブル)』をベースにしたPS4/PS5/PC(Steam)向けアクションRPGです。2024年で10周年を迎える『グラブル』の世界が3DアクションRPGとなって、ついにやってきます。
本イベントでは『リリンク』ゼネラルディレクターである福原哲也氏、そしてディレクターである梶泰幸氏への合同インタビューも実施。その模様もまとめてお届けしていきます。
また、同日に開催された『GBVSR』レポは別記事にて紹介しています。気になった方はそちらもあわせてご確認ください!
◆ライトなプレイからやりこみプレイまで、全方位対応! 完成度の高さは伊達じゃない!
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『グランブルーファンタジー リリンク』をざっくり説明すると、3Dとなった『グラブル』キャラクターたちをプレイアブルキャラとして操作し、リアルに表現されたグラブル世界を旅していくアクションRPGです。
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『リリンク』の舞台は、広大な空の世界の一角である「ゼーガ・グランデ空域」。本作で始めて描かれる新空域で、星晶獣や謎の組織「アヴィア教団」などと邂逅しながら旅をしていきます。
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プレイアブルキャラには『グラブル』で慣れ親しんだキャラクターの数々が目白押しです。「カタリナ」「ラカム」といった“お馴染み”の仲間から、「シャルロッテ」や「ランスロット」「ジークフリート」「ナルメア」などをはじめとした数多くのキャラクターが並びます。ちなみに、主人公の性別はゲーム中いつでも切り替えることが可能とのことで、原作である『グラブル』ファンならニヤリとしてしまいます。
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本イベントで紹介された遊び方は、大きく分けて3種類あります。ARPGとしてストーリーを遊ぶという点に加え、4人マルチプレイに対応した数々のクエスト、そしてやりこみ要素としてキャラカスタムや収集要素まで、ライトなプレイからヘビーに遊べるスタイルまで、まんべんなく用意されているようです。
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アクションが苦手な人でもストーリーを楽しめる「アシストモード」「フルアシストモード」が搭載されており、それらを活用すればクリアだけなら難しくないのではと思わせてくれます。
そしてやりこみ要素となるキャラクターごとの育成システムや高難度クエストも存在します。ソロのやりこみから、マルチプレイでの遊び方まで提示されている一作になっています。
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実際に筆者が試遊版をプレイした感触では、『グラブル』でお馴染みの状態異常をばらまく敵、そして奥義からのチェインバーストが『グラブル』らしさを感じさせてくれました。選ぶキャラクターで戦法、立ち回りが大幅に変わってくることも面白さの一つ。プレイアブルキャラごとの熟練度が重要なバトルシステムとなり、かなり歯ごたえがあります。
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そして「アシストモード」「フルアシストモード」も試してみたのですが、これが優秀! アシストモードはその名の通りゲームプレイをアシストしてくれる機能。危ないポジションでの自動回避など、ゲームの難易度を格段に下げてくれます。一方でビィがゲーミングに発光しているアイコンの「フルアシストモード」は、もう、ほぼ自動。移動するだけで勝手に敵をズバズバ倒してくれます。
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アクションが苦手という人も、間違いなくプレイできるほどの強さに舌を巻きます。しかしそれだけではなく、本作は前述のとおり「プレイングの熟練度」が重要なゲーム。フルアシストモードで立ち回りの観察をすることも上達の道に繋がっているのではないでしょうか。
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『グラブル』は2014年リリースと歴史の深いコンテンツです。現役プレイヤーはもちろん、学生時代にハマっていたなどかつて親しんでいた方も多いはず。そんな中で、本作はかつて、現在を問わず“解像度の高いグラブル世界”を味わいたかった人へのアンサーになる一作ではないでしょうか。
◆福原氏、梶氏『リリンク』インタビュー!2024年は“グラブル10周年”
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そして本イベントでは『リリンク』のゼネラルディレクターである福原哲也氏、そしてディレクターである梶泰幸氏への合同インタビューも実施!『GBVSR』に関する質問は先述した記事に譲るとして、ここでは『リリンク』へのディレクターインタビューをお届けします!
――『リリンク』は新規プレイヤーも視野に入っていると聞きました。本作を遊ぶ上で、『グラブル』の知識はどの程度必要なのでしょうか?
福原哲也氏(以下、福原氏):『リリンク』だけでなく『GBVSR』も基本的にグラブルを知らない人でも遊べるようにはしています。ただひとつだけ言うなら、「主人公とルリアがどう出会って旅に出たか」という所だけ、TVアニメ「GRANBLUE FANTASY The Animation」1、2話を観ておいていただけると、世界観について手っ取り早く理解していただけるので、オススメさせてください。
――あらためて、『リリンク』の特色について教えてください。
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福原氏:原作『グラブル』はモバイルのブラウザゲームという表現に制約がある中で作っていったので、バトルなどには“想像の余地がある表現”を取り入れつつ、「RPGって言えばこうだよね」というフォーマットに落とし込んでいます。
それが『リリンク』では3Dになって、等身大のキャラクターがリアルスケールのマップを歩く。つまり“情報量”が増えました。原作と同じく仲間たちと強大なボスと戦うシーンでも「こうやって戦っていたんだ!」とわかるのが、原作ファンの皆さんにとっても楽しい部分だと思います。
――見た限り、『リリンク』のビジュアルはかなりのレベルで『グラブル』の世界を再現していると思います。苦労された点、力を入れられた点を教えてください。
福原氏:『グラブル』の世界を3Dでどう作るかというのは、特に苦労した部分です。最近のフォトリアルが主流となっている風潮の中で、独特な画になるようチャレンジしました。
梶泰幸氏(以下、梶氏): 私はもともと背景アーティスト出身でして、3D世界で『グランブルーファンタジー』をどう再現するかを、じっくり話し合いながら構成していきました。『リリンク』ならではと思っている点は、オブジェクトひとつひとつのテクスチャーを手描きしたりと、尋常じゃない魂の込め方をしていき積み上げていったところです。そういう繊細な部分で『グラブル』らしい世界を作れたのではと思っています。
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福原氏: フィールドの上の空も、全部のステージで違っていますよね。
梶氏: そうですね。すべてのステージで空模様や雲の形なども表現して「ゼーガ・グランデ空域という新しい空域の“空”はどういったものなのか」と、突き詰めながら作成しました。
ーー本作は開発が長期に渡った印象です。その点を踏まえて、長期開発で拘られた部分を教えていただけますか?
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福原氏: Cygamesの全タイトルで重視しているものとなりますが、基本操作部分などの手触りの部分です。バトルシステムやUIなどで「快適性」を重視して、時には代表取締役社長の渡邊であったりプロジェクト外のスタッフに意見をもらったりもしながら、何度も改善を行ってきました。Cygamesのコンテンツとして出す以上、ここはしっかりとしたものにしようと力を入れました。
梶氏: グラフィック面と遊び心地にひとつひとつ拘りをみせて緻密にブラッシュアップを重ねていったので、時間がかかりましたが、「Cygamesが作るゲームのクオリティの高さ」を実感していただけるようになったかなと思います。
ーー本作では星晶獣「プロトバハムート」が操作できるそうですね。「星晶獣でのプレイ」はイベント的な要素なのか、それともゲーム中でのプレイングとして遊べるのでしょうか?
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梶氏: 基本的にはイベントバトルだと思っていただいて差し支えないです。ただ、驚くほどスムーズにプロトバハムートを操作できるようにしていますので、アクションゲームとしてのド派手さやスペクタル感を楽しんでいただけたらと思います。
ーー『リリンク』では全キャラに専用アクションが用意されていると知って驚きました。それだけコストもかかったと思われますが、決断された理由はどこにあるのでしょうか?
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梶氏:まずは「私が絶対にやりたかったから」です。 “『グランブルーファンタジー』のキャラクターをアクションで操作する”ということに、妥協をしたくなかったんです。ですから全員遊び(プレイ感)も違いますし、触り心地も一人ずつ大きく変わります。
だからこそ「このキャラクターが好き」という方に納得していただけるのではと思いますし、アクションゲームが好きな方も好みの操作感のキャラを探せるのではと。
福原氏:極端な話、キャラクターごとに「違うアクションゲームを遊んでいるような感覚」で作ってきたので、すごく大変でしたね。ですが、敵との噛み合わせで特定のキャラクターが使いづらくなるという場面が無いよう、どのキャラクターでも全編面白くプレイできるようにチューニングしました。
ーー『リリンク』でしか見られないようなキャラクターのエピソードはあるのでしょうか?
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福原氏: メインストーリーとは別にショートストーリーをキャラクターごとに10話分ぐらい用意しています。原作の「フェイトエピソード」ではシナリオを楽しんでいただくものになっていますが、『リリンク』ではシナリオに加えてバトルをするものもあり、クリアするとキャラクターを強化することができます満遍なくプレイするとかなりのボリュームになりますね。
また、操作キャラクターによってメインストーリーでのセリフも一部変化します。極端な話で言うと、キャラの数だけメインストーリーを繰り返し楽しめるのではないでしょうか。キャラクター好きの方にも十分満足してもらえるのではと思っています。
ーーエンディングまでの想定プレイ時間はどれくらいになるでしょうか? また、ソロプレイとマルチプレイで難易度は変わってきますか?
福原氏: ストーリーに関しては一旦、20時間でエンディングと言えるところまではたどり着きます。ただ、その後もストーリーは少し続きまして、本当の終わりまでは早足でプレイしても合計で30~40時間くらいかかります。
20時間は人によっては短いと思われるかもしれないですが、後半のストーリー展開やバトルの体験などを考えると、アクションゲームとしてかなり密度が濃いので実際にプレイいただければそこまで気にならないのではと思います。
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クエストには4人マルチで行くこともできるし、NPCを連れていくこともできます。もちろん、自分1キャラだけで挑戦することも可能です。高難度でも時間をかければひとりで勝てますが、マルチで挑めば、早くボスを倒せるのは間違いありません。
ーークエストの周回はゲームクリアに必須なのでしょうか?
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梶氏:ゲーム全体としては、敵を倒しながらスムーズにストーリーを進められるようになっています。ただ、全キャラクターをまんべんなく育成したい場合は、その素材収集のために周回がある程度必要になっているので、『グラブル』らしいやりこみ要素も用意しています。
福原氏:メインストーリーで先に進むためのキーアイテムや重要素材は初回クリア報酬で獲得できるのですが、より多くのキャラクターを育成したかったりスキルなど尖った成長をさせたい時には、ドロップアイテムを狙って周回が必要になる形になります。ただ、基本的に「ストーリーを楽しむ上で、途中で詰まってしまう」といったことは起きないようにデザインしています。
ーー「フェイトエピソード」についてなのですが、キャラごとのバックストーリーを知らないプレイヤーでも楽しめる内容なのでしょうか?
福原氏:楽しめます。冒頭でキャラクターの紹介が行われるので、知らないキャラでもおおよその関係性を知ることができます。バトル中のキャラクター同士の掛け合い台詞も多いので、なんとなくプレイしていても「このキャラクターはこういう性格をしているのか」といったことがぼんやりとはわかるようになっています。
――最後に、楽しみにしているファンの方にコメントをお願いします。
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梶氏: 発表からリリースまで、かなりお待たせしていて申し訳なかったのですが、ようやく発売日が来年の2月1日に決定しまして、やっと皆さんにお届けできることになりました。特にアクション部分に相当こだわっていて、触り心地や気持ちよさを追求したので、長い間お待たせしたことに見合うクオリティになっています。ぜひ、遊んでいただければと思います。
福原氏:グラブルファンの方に関しては、長い間お待たせしたことを申し訳なく思っています。ただその上で、かけた時間の分だけ良いゲームにできたとも思います。
本作が発表された当時『グラブル』はまだ3周年より前だったので、最初は「2018年発売予定!」としていたのですが、『グラブル』10周年も目前のタイミングでの発売になってしまいました。大変申し訳ないと思いつつ、10周年を半年後に控える現在でも『グラブル』を遊んでいる人が数多く居てくださることをとてもうれしく思っています。
これから『リリンク』と『GBVSR』のリリース時期が2か月ぐらいのスパンで出て、その後『グラブル』10周年と続きます。『リリンク』『GBVSR』、そして原作『グラブル』もあわせて、2024年という10周年イヤーを盛り上げていきたいと思います。良いと思ったタイトルだけでもぜひ遊んでいただきたいです。ありがとうございました。
『グランブルーファンタジー リリンク』は、PS4/PS5/PC(Steam)向けで2024年2月1日に発売予定です。
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