気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Studio Sai開発、PC/PS5/PS4向けに9月12日にリリースされた恋愛アクションRPG『Eternights』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、ラブストーリーとアドレナリン全開の戦闘を融合させた、終末世界での暮らしを最大限に楽しむ恋愛アクションゲーム。ある日突然人々が怪物に変化してしまった世界を舞台に、主人公と仲間たちが力を合わせ、絆を深めながら世界を救っていくことになります。日本語にも対応済み。
『Eternights』は、4,180円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Jaeこんにちは。Studio Saiの創設者であり、本作を開発したJaeです。私は基本的に本作のプログラミング、アート、ストーリー、プロデュースを担当しました。一番好きなゲームは、アトラスの『キャサリン』です。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Jae本作はデートアクションゲームで、世界が終わる中で生き残ろうとする若者たちが、互いに深い関係を築いていくというものです。
ゲーム内ではダンジョンを探索し、キャラクターたちと関係を築いていきますが、時間は限られています。そのため、誰と一緒に時間を過ごしたいかを選択しなければなりません。
2019年、私はごく初期のプロトタイプに取り組んでいたのですが、その時、友人の一人が『ペルソナ5』を勧めてくれました。120時間にも及ぶゲームでしたが、私はキャラクターたちの交差する物語をゲームに落とし込むという、その素晴らしさにとてもショックを受けました。私はキャラクター主導のストーリーゲームを作りたいと思っていたので、『ペルソナ5』はこの種の経験をもっと追求する良いインスピレーションを与えてくれたのです。最終的には、フルタイムの仕事を辞める勇気も与えてくれました。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Jae私はアニメを見て育ちましたので、1人のファンとして、新海誠監督のようなクリエイターの魅惑的なストーリーテリングにいつも魅了されてきました。実際、彼のユニークなスタイルからインスピレーションを得て、『君の名は』や『言の葉の庭』といった作品のエッセンスを体現した世界を作りたいと思いました。
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――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Jae2022年、私が子供の頃から遊んできたシリーズである『FF16』の次に私のタイトルが発表されたことには驚きました。正直、ほろ苦い瞬間でもありました。State of Playで取り上げられるようなプロジェクトができたので嬉しかったのですが、一人の開発者にできることは限られていたので、そういう意味では悲しかったのです。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Jaeあるプレイヤーから「フィードバック」という件名のメールが届きました。本作に何か問題があるのだろうと思ってそれを開いてみたら、なんと「エンディングで泣いてしまった」という心のこもったメッセージだったのです。実を言うと、私はそれまでSteamのレビューを読んでいませんでした。実際に読んでみると、ラストで泣いたという人のレビューがたくさんありました。その一通のメールが、私の一日を幸せなものにしてくれたのです。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Jae機会があれば本作を補完するストーリーを提供したいと思っています。現在、次のプロジェクトを準備中ですが、次回作は本作と同じ世界を共有する作品になります。本作のキャラクターも登場するかもしれませんね。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Jaeはい、大丈夫です。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Jae私はプレイヤーとキャラクターたちを繋ぐため、Studio Saiを設立しました。ミン、シーア、ユウナ、ヨハンの4人が、皆さんと心を通わせているのがわかって本当に嬉しいです。
本作を作っていて、たくさんのことを学びました。本当にたくさんのことです。
皆さんが本作を楽しんでくれることを願っています。そして、Studio Saiの今後にもご期待ください。
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。