Valveは、ゲームプラットフォームSteamにて10月10日から10月17日まで「NEXTフェス」を開催中です。イベント期間中は、今後登場するゲームの体験版の配信や開発者によるライブストリーミングが楽しめます。
しかし、配信される体験版が数百を超えるこのイベント、一週間という期間ではとても遊びきれるものではありません。そこで、Game*Sparkではイベントで体験版を配信中の作品から気になるものをピックアップして紹介します。
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今回は、DeGenerals S.A.が開発を手掛ける戦車シム『Tank Squad』体験版のプレイレポートをお届けします。
VI号ティーガー戦車にⅢ号Ⅳ号、戦車を指揮して勝利を掴め!
本作は戦車を指揮して戦場で敵を撃破し、作戦目標をクリアしていく戦車シムです。
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VI号ティーガー戦車にⅢ号戦車・Ⅳ号戦車といった名戦車を指揮し、戦車や対戦車砲、また歩兵といった敵を撃破していくこととなります。
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本作では戦車シムとしては珍しく歩兵も積極的に戦闘に参加するのが特徴で、火炎瓶や携行型ロケット砲で対戦車戦を、あるいは脱出した搭乗員には小銃での銃撃といった具合に積極的な戦闘を行います。
如何に強力な装甲を誇る戦車とて撃破されてしまう辺り、なかなかリアルな難しさを体験することができますから油断は禁物。車長たるもの周辺警戒を厳となし、草むらに潜む歩兵すら見過ごさない観察眼が重要なのです。
では、戦車隊出撃!敵は赤軍、目標KV重戦車!
ゲーム開始!
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まずはオプション画面から。ゲーム内設定や画像オプション、音声など基本的な項目が並びます。言語設定には日本語の項目もありますが、どうやら記事執筆の時点では未対応のようです。
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操作方法はこのような感じです。戦車シムでは比較的一般的な設定となっているので、すんなり慣れることができるかと思います。
トレーニングモード
練習を兼ねてトレーニングモードを進めてみます。
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修理パート。取り外したエンジンの修理やクレーンを使用した解体などを行います。
ちなみにDeGenerals S.A.は戦車修理シム『Tank Mechanic Simulator』を開発しているだけあり、砲塔を外したりエンジンを据え付けたりとなかなか凝った作りとなっていますから、製品版での仕上がりがどうなるか楽しみだったりします。
続いて戦闘パートのトレーニングもこなしておきましょう。
操作自体はオーソドックスなスタイルで、外部視点や砲手視点、車長の双眼鏡視点の使い分けも戦車シムでは一般的なものです。
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戦車の挙動はわりと重々しいものでなかなかリアル、ですが惜しむらくは樹木との当たり判定などの作り込みが非常に甘い点は少し気になります。
途中で空襲に襲われたり発煙弾を使用しつつ、マーカーへと前進していきます。
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と、ここでふと思うところがあり双眼鏡で索敵。案の定敵戦車が潜んでいました。敵の「T-34/76」です。
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対するこちらはVI号ティーガー重戦車。火力・防御力ともに敵ではありません。狙いすました一撃で排除です。
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続いて近くに潜んでいた「M-42 42ミリ対戦車砲」も破壊して、安全を確保した上で村へと向かいます。
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村を占領した後は、草むらに隠れた敵戦車2両を撃破しチュートリアル終了です。
キャンペーンモード
さて、続いてキャンペーンモードも軽くご紹介します。
今回の戦闘領域は山間の村で、自然に紛れた敵歩兵や対戦車砲、また戦車などの脅威を排除していきます。
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キャンペーンモードでは複数の戦車から選択して出撃が可能で、VI号ティーガー戦車の他にもⅢ号M型やⅣ号H型などを操作できます。
また、設定次第で照準マーカーの表示なども可能ですから、初心者ならマーカー有りで、腕に覚えのあるプレイヤーならマーカー無しで硬派なプレイを楽しめます。もちろん、移動目標にはシュトルヒ数えての偏差射撃となります。
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草むらの多い地形も相まって、隠れた歩兵などはなかなか発見が難しいです。ですが、そのまま放置しておくと火炎瓶やら携行型ロケット砲で無謀にも挑みかかってきますから無視するわけにもいきません。
背の低い対戦車砲もまた然り。怪しい部分は念入りに索敵を行わないと、防御力と火力を兼ね備えたティーガー戦車でも油断すると撃破されてしまいます。
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ルート設定もプレイヤー次第ですから、ミッション目標を近場から順に攻略して行く必要もありません。大きく迂回して敵砲陣地を攻略後に、敵を背後から衝くという作戦も大いにアリです。
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最後は敵の「KV-1重戦車」との近距離戦を制して作戦完了。敵戦車の砲塔の動きを見て得意な遠距離戦から敢えて近距離での機動戦に持ち込む、そんな熱い戦いを楽しめます。
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「Tank Mechanic Simulator」を開発したDeGenerals S.A.だけあって、戦車ごとに異なる照準や地形の応じた挙動といった拘りは大したものです。ですが、幾分まだまだ開発途上のデモ版ということもあり、何故か黒い煙幕にテクスチャの描画異常といったバグや、オブジェクトの突き抜けといった当たり判定の甘さなどが少々気にはなりました。
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また、爆炎や着弾による土煙といったエフェクトは少々地味で、リアルと言えばリアルではあるものの、やや爽快感に欠くように感じました。特に敵撃破時に大きく表示されるアーケード風の演出を考えると、ゲーム性とリアルさのチグハグさは少々気にはなる点ではあります。
『鈍色の攻防 ~32人の戦車長~』や『パンツァーフロント』『War Thunder』に『Gunner, HEAT, PC!』などなど多くの作品がひしめき競い合うと同時に、コアなファンも多い戦車シムというこのジャンル。ぜひ製品版ではオリジナリティを発揮し、唯一無二の製品となることを期待したいところです。
『Tank Squad』はSteamにて現在体験版を配信中。発売日は2024年第1四半期の予定です。
スパくんのひとこと
有名な戦車の数々を指揮して作戦を達成していく戦車シムスパ。「ティーゲルのアハトアハト」、なんとも素敵な響きスパねぇ~。ん?なにか聞こえるスパね?「初弾装填、弾種スパくん」「弾種スパくん、装填よし!」…?
タイトル:Tank Squad
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2024第1四半期(予定)
記事執筆時の著者プレイ時間:3時間
価格:未定
¥8,580
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)