■「連携アクション」の恩恵でバトルの楽しさが向上
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原作と比べて大きく変わった点は、フィールドの広域化や寄り道要素だけに限りません。特に大きなポイントのひとつは、バトルシステムでしょう。
『FF7 リメイク』の時点で、「ATB(アクティブタイムバトルシステム)」によるコマンドバトルとアクションを組み合わせたゲームシステムに進化しており、『FF7 リバース』もその基本を前作から受け継いでいます。
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その主幹となる要素は『FF7 リメイク』からの継承なので、前作のバトルが気に入った人は、そのまま『FF7 リバース』でも楽しめることでしょう。かといって、前作のバトルで物足りなかった人が、本作でも同じ感想を持つとは限りません。
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まず、レッドXIIIのプレイブル化、ユフィやケット・シーの加入で、パーティ構成の幅がぐっと増しました。取得するアビリティのおかげで、バトルの立ち回りは各キャラごとに大きく違っており、キャラを変えるだけでもなかなかに刺激的です。
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また新要素が追加されたことで、『FF7 リバース』のバトルが密度を増したように感じました。特に、パーティメンバー同士が繰り出す「連携アクション」は攻撃から防御まで多彩に揃っている上に、ATBゲージなどのリソースを一切消費しないのでいつでも自由に繰り出せます。
原作の『FF7』は、ATBが溜まると行動可能となり、リアルタイムに変化する戦況に合わせ、最適な判断をその都度下す戦略性が求められました。その要素を取り入れつつも、ATBゲージを消費しない通常攻撃、ガードに回避といった要素を取り入れ、ATBによるコマンドとアクション要素の融合を果たしたのが『FF7 リメイク』です。
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『FF7 リメイク』は新たなゲーム体験の提供に成功しましたが、ATBゲージの重要性が大きく、通常攻撃は「ゲージが溜まるまでの間を短くするため」という印象が強めでした。しかし『FF7 リバース』で導入された連携アクションのおかげで、「ATBゲージが溜まるまでの間」にメリハリが生まれ、戦闘自体の楽しさを引き上げてくれたように感じます。
攻撃系の連携アクションは、近接キャラでは手が出しにくい飛行系モンスターを殴りやすくなったり、通常攻撃を上回るダメージを与えられたりと、嬉しい効果が多々。また、防御系連携アクションを上手く使えば、被ダメージを抑えたり、守りを固めつつ攻撃に転じたりと、戦いの流れを上手くコントロールすることも可能です。
アクション要素が増えても大丈夫! 『FF7』ライクなATBコマンドバトルの楽しさも健在
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連携アクションひとつをとっても、『FF7 リメイク』から更にバトルが進化したことが分かります。しかしバトルの要素が増えたことで、アクションが苦手なユーザーからすれば、新たなハードルが立ちはだかった状況とも言えるかもしれません。
原作の『FF7』は、(アクティブの場合)素早い判断と迅速なコマンド入力も重要でしたが、アクション要素とまでは言えないものでした。しかし『FF7 リバース』のバトルはかなりアクション性が高く、攻撃はもちろん防御やガードもリアルタイムにこなさないと、強敵との戦いに苦戦を強いられていまいます。
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しかし、必ずしもプレイヤーがアクションに挑む必要はありません。バトルモードの設定を「クラシック」に切り替えれば、アクション全般を自動操作に任せ、プレイヤーはコマンド入力のみ行うだけで強敵と十分渡り合えます。
「クラシック」だと、プレイヤーの操作と比べて手数は落ちますが、ガードが固めなのでHPの減りがかなり抑えられます。プレイヤーはATBゲージが溜まるまで静観できるので、無闇に慌てる必要もなし。コマンド選択中は時間の流れが極端に遅くなるので、的確な判断を下す余裕も十分あります。
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実際に「クラシック」で遊んだところ、画面上では敵・味方が激しく入り乱れるものの、ATBゲージの溜まり具合と戦況を比較し、適時コマンドを入力するだけで、戦闘がサクサクと進みました。
自分が直接操作してがむしゃらに攻撃ばかり行うと、被ダメージも大きいのですぐ窮地に陥ります。そうした雑なプレイと比べると、「クラシック」の立ち回りは堅実で、ピンチに陥るまでに対策できたり、対処する余裕を作ることも可能でした。
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プレイ感そのものが……とまでは言えませんが、「ATBゲージが溜まるまで戦況を見守り、判断を下す」という「クラシック」でのバトルは、原作のプレイテンポと近いようにも感じます。「バトルの表現が派手なコマンドRPG」として遊んでも、十分楽しめる手応えだと思います。
敢えて難点を挙げるなら、「クラシック」の自動操作は守り重視なので、プレイヤー操作時と比べると戦闘にかかる時間自体は長めです。この点を「時間がかかる」と感じるか、「じっくり考えられる」と受け止めるかで、「クラシック」に対する印象が大きく変わります。
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ただ、『FF7』のような「ATBゲージを使いこなすコマンドバトル」に焦点を絞るプレイを本作でも楽しめるのは事実。アクション要素があるものの「原作ファンが置いてけぼりになる」とはならず、「クラシック」の存在がより多くのユーザーを楽しませてくれることでしょう。
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原作ファンのユーザー視点でチェックした『FF7 リバース』レビュー、今回は以上となります。「探索」では寄り道要素が増え、それぞれが連動する指向性の高さでプレイ意欲をかき立てる一方、本筋だけを進めるストイックなプレイも可能と、任意で楽しみ方が選べるのが嬉しい点です。
また「バトル」は、連携アクションの導入でメリハリが生まれ、アクションする楽しさを倍増。その上で、コマンドバトルだけに専念する「クラシック」もしっかりと受け継いでいるので、原作ファンも本作のバトルを十分楽しめます。
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今回は詳しく言及しませんでしたが、『FF7』と言えば数々のミニゲームも印象深いところ。その魅力は『FF7 リバース』にも受け継がれており、カットどころかいずれもパワーアップしていて、原作に負けないほど記憶に残るものばかりです。こうした原作の魅力を丁寧に拾う点も、本作が持つ素晴らしさのひとつです。
これはひとりのファンとしての主観的な感想ですが、探索もバトルも手応えが大きく増した『FF7 リバース』は、“原作の再現”という枠に留まっていないように感じます。むしろ印象としては、原作を遊んでいた時、頭の中に広がっていた「好き勝手に想像していた『FF7』」の実体化、に近いのかもしれません。
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想像の中にしかなかった『FF7』が、実際に遊べるようになった──大げさな物言いかもしれませんが、これが『FF7 リバース』に対する筆者の率直な感想です。“現実になった夢”が、ここにありました。
良い点
・RPGらしい寄り道要素が格段に増え、それぞれが連鎖してプレイ意欲を大いに促す
・探索要素は分かりやすく、導線がしっかりとしている
・寄り道は必須要素ではなく、物語を中心に楽しむプレイも可能
・「連携アクション」の導入で、アクションバトルにいい意味で緩急がついた
・前作から引き続き「クラシック」を採用。今風のグラフィックを楽しみつつ、コマンドバトルに注力できる
悪い点
・フィールド探索のおける「未知の発見」は少なめ。オープンワールド的な魅力を期待すると肩すかし
・バトルのアクション操作は、一定以上の腕前が求められる。攻撃一辺倒だとピンチに陥りやすいので注意が必要
・「クラシック」はコマンドRPG派にお勧めのモードだが、戦闘の時間がかかりがち