絶妙に織り交ぜられた実写が緊迫感を与えてくれる科学捜査ADV+SLG『東京サイコデミック』オカルト事件を科学的アプローチで解き明かせ【東京ゲームダンジョン5】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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絶妙に織り交ぜられた実写が緊迫感を与えてくれる科学捜査ADV+SLG『東京サイコデミック』オカルト事件を科学的アプローチで解き明かせ【東京ゲームダンジョン5】

「オカルト×科学捜査」好きはチェックしてみる価値あり!

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絶妙に織り交ぜられた実写が緊迫感を与えてくれる科学捜査ADV+SLG『東京サイコデミック』オカルト事件を科学的アプローチで解き明かせ【東京ゲームダンジョン5】
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5月4日、インディーゲームイベント「東京ゲームダンジョン 5」が開催されました。本イベントには中・小規模開発から個人開発のゲームまでずらりと並び、ゲーム好きの心を湧き立ててくれます。

今回ご紹介するのはグラビティゲームアライズが手がけるPS5/PS4/ニンテンドースイッチ/PC(Steam)向け科学捜査ADV+SLG『東京サイコデミック ~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~(『東京サイコデミック』)』。本作は科学捜査を駆使して「人体自然発火事件」などの超常的な事件に挑んでいく一作です。特筆すべき点としては“オカルト×科学捜査”というジャンルに加え「実写が効果的に使用されている」という点もあるでしょう。

本記事では、5月30日に発売を控える本作を「東京ゲームダンジョン 5」で遊んできた感触をお伝えしていきます。

※本記事には実写で再現されたグロテスクな画像が含まれます。閲覧に際してはご注意ください。

◆「オカルト×科学捜査」!実写にリアリティを感じつつ、推理の爽快感も忘れていない

あらためて『東京サイコデミック』の特徴に触れると、イラスト・3Dで描かれたゲームの世界に“実写”が差し込まれるタイプの作品であることが挙げられるでしょう。筆者が試遊した範疇では、この“二次元とリアルの切り替わり”が実にうまく機能しており「オカルト的な事件の捜査」というゲーム的世界を「実際に起こった悲惨な事件を観ている感覚」に近づけてくれます。

ゲームを開始すると、さっそく“実写でのニュース映像”が流れます。『東京サイコデミック』の世界に大きな影響を与えたパンデミックの報道から、それが終息していく過程が生々しく映されていきます。このパンデミックは終息したものの、その後「超常的な事件」が多発するようになり、主人公たちが捜査していくというストーリーです。

もちろんこのパンデミックはコロナ禍を描いたものではありませんが、流れている映像が実写ということも相まって筆者の脳裏に否応なしに“ここ数年間で誕生した現実”を思い出させてくれました。オカルト×捜査物で重要な要素のひとつには「本当にあるかも」と思わせてくれるリアリティもあるはずで、プレイヤーを引き込んでくれる演出となっています。もちろん個々人よって想起される思い出は違いますが、がっつりと読ませてくれるADVパートも含めて「傷痕の残る世界」に共感が湧きます。

この世界で、多発している「超常的な事件」の解決に取り組んでいくのが『東京サイコデミック』の主軸となります。主人公は「紅葉 巴杏」の助手としてオカルト的な事件を調査していきます。

“オカルト×捜査”なジャンルが好きであれば色んな人に会って“足で稼ぐ捜査”をイメージする人も多いかも知れませんが、筆者がプレイしたかぎりでは「部屋の外での捜査」は少なそうな印象を受けました。科学捜査SLGというジャンルに違わず、部屋に届けられる大量の資料に科学的なアプローチをしていき、事件の真相に迫っていくわけです。

まず捜査することになったのは「人体自然発火事件」……オカルト好きなら一度は耳にしたことがあるだろう有名な怪現象ですね。現実の都市伝説では、“火元になるものがなかったにもかかわらず密室で人が焼け焦げていた”という内容でしばしば話題に上がります。

推理の開始はドアの前にどさっと置かれた捜査資料を開けていくところから。……この置き方がカッコいい! 中からは被害者の情報や事件発生時のカメラ映像、検視調書など“部屋の中で事件の核心に迫れる”ほどの資料が詰まっていました。

さらにミステリ好きの心を盛り上げてくれるのが「赤い糸が蜘蛛の巣のように張り巡らされたコルクボード(エビデンスボード)」! ミステリでよくみるこれの完成度が、それそのまま推理の進捗と見ていいでしょう。その一方で、捜査の途中では「ネット上での協力者」なども登場し「2024年の科学捜査」という印象を与えてくれますね。ダークウェブ的、テレワーク的な今の技術を反映しつつ、ミステリ好きのツボをつくノスタルジーある演出がいい感じです。

さて、本作の特徴である“実写で表現されたリアリティ”は捜査にこそ活きてきます。試遊で体験できた捜査方法は監視カメラのチェック画像分析のふたつ。まずは監視カメラに映った事件の様子を確認していくのですが、ここで実写が使用されていました。先ほどまで「ミステリものっぽい!」と上げていた推理テンションが、急に現実味を帯び少しゾッとします。

先ほどまで「キャラクター」と感じていた被害者を「実際の人間」と認識した瞬間は、良い意味で冷や水を浴びせられたようで……一気に緊迫感を持たせてくれました。

もちろん推理物の定番というかなんというか、監視カメラのみで推理が劇的に進展するわけはなく……重要な場所はカメラの死角になっていました。

そこで次は事件現場の写真を分析しています。これも実写とあって、かなりショッキングなビジュアルです。「人体発火事件の後」ということで、眼を背けたくなるような写真を見つめながら火元“候補”を探していきます。

もちろん『東京サイコデミック』は“グロ画像でのジャンプスケア的な恐怖”のために実写を入れているわけではなく、捜査のリアリティを補強するための現実感としてグロテスクな要素が採用されています。事実、このシーンに至る前に小さくこのグロめな写真がちらちら見えていたりと、プレイヤー側に心の準備をさせてくれていました。「科学捜査のリアリティを確保するため」ということはプレイをしていて十二分にわかります。それでもショッキングなのは確かですが……。

そうして集めたデータをコルクボードに貼っていきます。事件の捜査が「動画チェック」「画像分析」と細かく達成感を与えてくれつつも、このボード上で「事件における主人公たちの推察・進捗」を一気に可視化させ、整理させていくのは結構な爽快感を感じますね。

先述した「実写での緊張感」は確かにありますが、それと同時並行で「ミステリとしての俯瞰的な視点」も交差していき、現実とは似て非なる“『東京サイコデミック』というゲーム世界”に没入している感覚を強く味わえました。

そして残念ながら、ここで試遊を終了。冒頭のADVパートも含めれば結構な時間ゲームをプレイしていましたが、これでもまだ序盤の序盤です。じっくり腰を据えて「人体自然発火事件」の真相にまで迫りたいところでしたが時間が足りませんでした。


今回の試遊では、オカルト的な超常事件をベースに行われる“ガチ目な科学捜査”を堪能できました。これは実写という要素を上手く取り入れつつ、負担になりすぎないよう絶妙なバランスで「イラスト・3D」による俯瞰が挟まれた結果と感じています。実に効果的な演出となっていますので、気になった方はぜひチェックしてください。

『東京サイコデミック ~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~』は、5月30日にPS5/PS4/ニンテンドースイッチ/PC(Steam)向けに発売予定。現在、体験版も配信されています。


《高村 響》

ゲームライター(難易度カジュアル) 高村 響

最近、ゲームをしながら「なんか近頃ゲームしてないな」と思うようになってきた。文学研究で博士課程まで進んだものの諸事情(ゲームのしすぎなど)でドロップアウト。中島らもとか安部公房を調べていた。近頃は「かしこそうな記事書かせてください!」と知性ない発言をよくしている。しかしアホであることは賢いことの次に良い状態かもしれない……。

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