ユービーアイソフトは、『アサシン クリード シャドウズ』をPS5/Xbox Series X|S/Windows(Ubisoft Store、Epic Games Store)/Mac(Mac App Store)向けで11月15日に発売予定です。Game*Spark編集部では、アメリカ・ロサンゼルスで開催されたUbisoft Forwardの現地会場で、同作のプレゼン&ハンズオフに出席。また、ゲームディレクターのCharles Benoit氏へのインタビューも実施しました。
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そこで本記事では、同作のハンズオフのインプレッションとともに、Benoit氏へのインタビューを紹介します。
豪快に敵をなぎ倒す弥助のパワフルな戦闘がお披露目!
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ハンズオフの舞台となるのは福知山城。明智光秀が築城したことで知られる丹波国の城です。この地を治める大名を暗殺することが目的です。まずは手下の侍を暗殺する必要があるらしく、城下町を散策します。
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弥助は武士階級のため、町中を歩くと町民たちがお辞儀をしてきます。ゴテゴテとした甲冑も身に着けていますし、めちゃくちゃ目立ってます。ハンズオフ内ではパルクールを見せることもなかったので、弥助でステルス的なプレイをするにはひと工夫が必要そうです。
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早速目標となる武士を発見しましたが、天下の往来ということと弥助の風体もあり、ステルスではなく真っ向からの戦闘となります。武器は同時に2種類まで装備できるらしく、このハンズオンでは物々しい金棒と刀を装備していました。
金棒は動きこそ遅いものの、簡単に敵の体勢を崩したり兜をたたき壊したりと、見た目通りパワフルな戦いが可能なようです。瀕死の敵に豪快なフィニッシュムーブを決めたり、大ジャンプで飛び掛かるスキルによって周りの敵ごと吹き飛ばしたりなど、ダイナミックな戦闘が披露されました。
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また、刀同士の戦闘ではしっかりとしたチャンバラも展開。攻撃を受け流し、敵に打ち込んで体勢を崩すといった緊迫感のある立ち回りを見ることができました。
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最後は体力を削り切り、死に体となった敵を斬首してフィニッシュです。まるで切腹の介錯のような体勢になっているのはちょっと無理があるような気もしますが、水墨画風の画面演出も相まって雰囲気は抜群。かっこよければOKの精神を感じました。
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その後、どこからともなく奈緒江が現れて、福知山城にいる大名の暗殺へ向かうことに。この際に弥助と奈緒江のどちらを操作するかが選択できます。二人のプレイフィールはかなり差別化されているようなので、どちらを選ぶかによって攻略の仕方や難易度が変わってくることでしょう。今回のハンズオフでは、奈緒江が選択されました。
往年の忍者ゲーを彷彿とさせる要素も感じたステルスプレイ!闇夜に紛れる忍アサシン
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ここからは夜の福知山城内に移り、奈緒江によるプレイが開始。城内はかなり作りこまれており、大部分の建物は内部に自由に出入りできるようです。
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目を引く要素としては、匍匐移動の追加が挙げられます。近年のシリーズ作品でしゃがみ移動が追加されましたが、本作ではいよいよ匍匐移動も可能に。背の低い草むらなどでも、匍匐で移動すれば見つからずに安全に進めます。ステルスプレイ時の移動ルートの選択肢がさらに広がったといえるでしょう。
また、新たなアクションとして鍵縄で一気に屋根へ登るアクションも登場。『シンジケート』の「ロープランチャー」を思わせるような機能ですが、こちらはあくまで屋根の軒の部分にひっかけて上に登る程度で、そこまでダイナミックな移動はできません。しかし、特に突起物のない壁を無視して一気に屋根まで登れるアクションの追加は非常にありがたい。いかにも忍らしい動きなのもGoodです。
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さらに本作から、明るさがステルスに影響を及ぼすシステムが追加されました。光が届かない暗闇に身を潜めれば、敵に発見されず進めるのです。これを利用して明かりを消して敵に近づいて暗殺したり、やり過ごしたりといったことが可能に。また室内には行燈などの光源が多数設置されているので、こうしたものをこまめに消していくことが攻略のカギになりそうです。
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ほかにも、時代劇などのあるあるネタ「障子越しの暗殺」や、近年のタイトルから引き続いて実装されている非殺傷テイクダウンなども確認できました。
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もちろん、忍らしいアクションも存在。天井に宙吊りになって敵をやり過ごしたり、そのものズバリな水遁の術も披露されました。水遁の術はただ竹筒を取り出すだけの地味な絵面にも関わらず会場全体から大歓声が上がっており、忍者的なファンタジー要素もうまくゲームに取り入れていることがわかりました。
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最後は暗殺対象の大名に水遁の術で後ろから近づいてとどめ。“らしい”アクションが惜しげもなく披露され、会場のテンション的には弥助パートよりも盛り上がっていたように感じました。
ハンズオフ後には、本作のゲームディレクターを務めたCharles Benoit氏へインタビューを実施。いくつかの疑問をぶつけてみました。
『アサシン クリード シャドウズ』ディレクターCharles Benoit氏へインタビュー!
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――忍は『アサシン クリード』で描くには格好の題材だったと思います。ここまで忍を主人公とした『アサクリ』が開発されなかった理由は何だと思いますか?なぜ今ここで忍が選ばれたのでしょうか?
Charles Benoit氏(以下、Charles)おっしゃる通り、「アサシン=忍」という認識が広く共有されていることはわかっていました。ですが『アサクリ』はタイトルごとに様々なテーマで作られており、開発スタジオも違います。
また、スタジオごとにそのタイトルでやりたいことやロードマップ、ファンが求めているものなども考える必要があります。それらとブランドの発展などを含めて総合的に考えた結果、今回のタイミングとなりました。
――開発の際の歴史考証には、日本の専門家などに協力を仰ぎましたか?また、調査などにはどれほどの労力をかけたのでしょうか。
Charlesこれまでのシリーズ開発で培った専門家のネットワークがありまして、それを駆使して日本在住の歴史専門家3名に協力していただきました。またUbisoft Japanとも連携を取って情報収集したり、週一回のリモート会議で情報を共有したりしました。ほかにも、開発スタジオの共有フォルダには1000ページ以上の資料などもあり、それらを活用しました。
――アサシンクリードユニバースにおいては、『Assassin’s Creed Memories』にてヤマウチタカという日本のアサシンの存在が明かされていました。ちょうど本作と同じ安土桃山時代の人物で、織田信長を暗殺したアサシンです。そのほかにも、実在した人物では服部半蔵や本田忠勝、望月千代女などがユニバースに関わっています。こうした人物たちは本作に関わってきますか?
Charles『Memories』で語られた設定やストーリーなどは、本作とは無関係となります。ですが、服部半蔵はゲームに登場する予定です。
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――ハンズオフでは奈緒江のプレイを見れました。その中で明かりを消して暗闇を利用するステルスや、天井に宙吊りになって敵をやり過ごすといった、これまでのシリーズには見られないようなステルス要素が登場しました。これらは同社の『スプリンターセル』シリーズで特徴的な要素のように思われますが、同シリーズから参考にした部分などはあるのでしょうか。
Charles『スプリンターセル』からインスパイアされた部分というのはありません。どちらかといえば忍のファンタジー的な要素をゲームプレイのメインに据えたいと考え、ゲーム中の動きなどは80年代頃の忍者映画や、日本でリリースされた忍者ゲーム『天誅』シリーズなどをイメージしています。
――『ヴァルハラ』では武器の装備に自由度があり、両手に盾を持って戦うということも可能でした。本作においては、特に弥助に関わる部分かと思いますが、武器の装備は自由に行えるのでしょうか。
Charlesまず、弥助と奈緒江にはそれぞれ装備できる武器があります。両手に盾というほどの自由度はありませんが、武器は2つまで同時に装備でき、それらを自由に切り替えられます。本作では自分にとって一番使いやすい武器、組み合わせを見つけることが重要です。
武器はそれぞれに長所と短所があり、例えば金棒はパワフルに攻撃できますが動きが遅く、素早い敵には刀が適しています。また一つの武器カテゴリーの中でもさらに種類があり、刀でも敵の鎧ごと切り裂くものもあれば、出血させて体力を削っていくようなものも存在するなど、戦闘においては多種多様な武器の使い分けが可能です。
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――弥助はシリーズ主人公としては初めて実在の人物となり、国内外で議論を呼んでいますね。数ある実在の侍たちの中から彼が選ばれた理由は何でしょうか。
Charlesまずゲームプレイの面から、ステルスメインの忍である奈緒江と対になる、戦闘メインのキャラクターというスタイルの違いをはっきりと描写したかったという理由があります。体の大きさだけを見ても、違いが一目瞭然でわかりますしね。
次にストーリー面からの理由としては、信長の身近にいたという点が挙げられます。弥助は彼の天下統一事業を近くから見てきた人物ですが、一方で奈緒江は信長によって苦しめられている立場です。二人の主人公による、この対比を作りたかったということです。
最後の理由として、奈緒江は日本人として日本の中からの視点、弥助は外国人として外からの視点を持っているという点です。ちょうどこの頃の日本はポルトガル人がやってきて、文化的に大きな影響を受けた時代でもあります。そういった部分を描写したかったのです。
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――最後に、日本のファンに向けて一言お願いします。
Charles本作を開発するにあたって、日本の歴史を深く知るきっかけとなりました。戦国時代はヒーローのような存在が登場した、非常に興味深いく面白い時代です。もちろん日本の方はよく知っている歴史だとは思いますが、そんな戦国時代を我々の『アサシン クリード シャドウズ』でも楽しんでいただければ幸いです。
長らく噂されてきた日本舞台の『アサクリ』。満を持しての登場となる本作では、“戦闘”と“ステルス”の二つの要素をとにかく突き詰めた仕上がりとなっていそうです。忍者的なファンタジーと豪快なチャンバラアクションが楽しめる、一粒で二度おいしい作品を期待したいところです。
『アサシン クリード シャドウズ』は、PS5/Xbox Series X|S/Windows(Ubisoft Store、Epic Games Store)/Mac(Mac App Store)向けで11月15日に発売予定です。