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【特集】伊津野英昭さんお疲れ様でした! 『ドラゴンズドグマ』『ストZERO』などでカプコンを支えたクリエイターの軌跡を追いかける

30年5か月の重み

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【特集】伊津野英昭さんお疲れ様でした! 『ドラゴンズドグマ』『ストZERO』などでカプコンを支えたクリエイターの軌跡を追いかける
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1994年からカプコンを支えたクリエイター・伊津野英昭(いつのひであき)氏が同社を退職されることが判明しました。

そこで今回は、数多くの人気IPのディレクションを担当し、カプコンを支え続けてきた伊津野氏のクリエイティブを、各所で語られているインタビューから追いかけていこうと思います。


●入社後~『ストリートファイターZERO』『ジャスティス学園』など

1994年にカプコン入社後『クイズ・アンド・ドラゴンズ』や『クイズ殿様の野望2 全国版』というアーケードゲームに携わったあと、まだ入社二年目でありながら、後に『ストリートファイターZERO』となる企画にアサインされることとなりました。当時の心境について、現『ストリートファイター6』のディレクターである中山貴之氏が、伊津野氏にインタビューをしている記事があります。

シャドルー格闘家研究所 ゲスト 活動報告書(ROUND 2:伊津野英昭さん 前編)| カプコン

『ストリートファイターII』に続くスマッシュヒットタイトルを生み出すため、水面下で大量のプロジェクトが同時進行していた件について、中の人ながら驚いていた……という貴重な話が聴ける面白いインタビューです。またインタビューの後編では『スターグラディエイター』や『私立ジャスティス学園 LEGION OF HEROES』についても語ってくれています。売れなかったときのために『ストZERO2』からさくらを保険で入れてもらった……という話が笑いを誘いますね。

●ゼロ年代の活躍~『デビル メイ クライ』シリーズのディレクションへ

1990年代は『ジョジョの奇妙な冒険』や『パワーストーン』といった名作を生み出しつつ、時代は2000年代に突入します。カプコンの看板タイトルでもあり、彼の代表作である「デビルメイクライ」シリーズに『デビルメイクライ2』から関わっていきます。

当時の心境について振り返るインタビューがファミ通にありましたので、こちらも参照していきます。『デビルメイクライ2』に助っ人として参加したのにディレクターを任されて大変だったことや、その時に不完全燃焼を感じて『デビルメイクライ3』のチームを立ち上げたことなど、伊津野氏のエネルギッシュな側面を感じます。

『ワンピースマンション』『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風』『アウトモデリスタ』などのタイトルをディレクションしつつも、しばらく「デビルメイクライ」シリーズに付きっきりだった同氏。2008年に『デビルメイクライ4』を生み出したのちに、念願だったRPGに挑戦します。

●2010年代~『ドラゴンズドグマ』始動

ポーンという独特なシステムを擁した、非常に挑戦的なRPG『ドラゴンズドグマ』が2012年にリリースされます。当時の海外メディアによるインタビューで伊津野氏は「(日本国内で)間違いなく100万本は販売できる」「ワールドワイドで1,000万本を販売したい」といったコメントを残していました。


2012年の発言ではありますが、海外のゲーム市場で販売本数を予測することが難しく、これが国内ゲームメーカーが海外進出を躊躇する理由であったと指摘。高い志を持ちつつ、「リアルなファンタジーオープンワールドゲームを作るのが子供の頃からの夢」と語りながら、その夢が実現したと話していました。

●近年のクリエイティブ~『デビルメイクライ5』『ドラゴンズドグマ2』

Ninja Theoryの『ディーエムシー デビルメイクライ』のスーパーバイザーなどをしつつも、2019年についに自身の代表作である『デビルメイクライ5』に帰ってきます。お馴染みのダンテやネロに加え、まったく新しい操作性を持つ「V」が主人公として参戦したことが話題になりました。


本作についてはGame*Sparkでもインタビューを実施していました。魔獣を使いつつも最後は自分で触らなければならないというユニークな仕様のせいか、調整が終わるまで社内中から心配されたという苦労話が語られています……!

そして、同氏のカプコンでの最終作になったのが『ドラゴンズドグマ2』。令和の御世に発売されたとは思えないほどとんでもなく硬派なRPGに、ゲーマーの間で激論が交わされた一作です。


こちらもGame*Sparkにてインタビューを実施していました。最初の1本目の打ち上げで「2を作るぞー!」と叫んでいたという事実がいきなり面白いですね。

11年の間で数多くのオープンワールドRPGは生まれたものの、ポーンシステム自体はいまだユニークであるということなど、伊津野氏としては確かな手応えを感じている作品のようです。これは、新天地でもRPGを作ってくれることを期待してもよいのでしょうか?

●おまけ~『カプコンファイティングコレクション2』

伊津野氏がキャリアの初期に手掛けたいくつかの作品が、2025年発売の『カプコン ファイティング コレクション2』に収録されます。

『カプコン VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』や『パワーストーン』など、ジャンルを横断して彼のクリエイティブを体験できる非常に意義深いコレクションとなっています。これは買っておきたい一本ですね~。


以上、伊津野英昭さんの軌跡を追いかけていきました。伊津野さん、本当にお疲れ様でした。新天地でのご活躍も期待しております!


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《各務都心》

各務都心

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作しているシナリオライター。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

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