日本は大丈夫か? “メスガキに罵られる性癖の力で山登り”アクション『ZAKO NO AHIRU』っていうのが作られているんだが?【東京ゲームダンジョン6】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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日本は大丈夫か? “メスガキに罵られる性癖の力で山登り”アクション『ZAKO NO AHIRU』っていうのが作られているんだが?【東京ゲームダンジョン6】

メスガキって実はよく知らないし、あの某有名人を萌えキャラにしたような感じで考えてるけど……違うの?

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日本は大丈夫か? “メスガキに罵られる性癖の力で山登り”アクション『ZAKO NO AHIRU』っていうのが作られているんだが?【東京ゲームダンジョン6】
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この記事が掲載される前日に僕が考案したんですけど、「日本は大丈夫なんだろうかコンテンツ」(以下、日本大丈夫?コン)がオンラインのメディアでいろいろ流行ってるなと思います。


「日本大丈夫?コン」にはたとえば「生意気な女の子に罵られる悔しさを心のうちに溜めておき、あとで性的にやりかえす」というのを前提とした、えーっと……メス……ガキ? 合ってる? すいません、ほんと詳しくなくて……メスガキというキャラクター設定やらシチュエーションやらがあると思います。

いろいろ大丈夫なのかとか、簡単に概略を書いているだけで思わなくないですが、そんな「メスガキ」要素をフィーチャーしたゲーム『ZAKO NO AHIRU』がなんと東京ゲームダンジョン6に登場しているじゃありませんか。大丈夫? 東京ゲームダンジョン6はアダルトゲームはさすがにご法度ですよね?

おそるおそるブースに立ち寄り、試遊してみたところ、内容は「罵られた怒りや悔しさを、罵ってきた相手への性欲に変える」という内容ではなく、なんと「罵られた怒りや悔しさで山に登るという、とんでもなく歪んでいるが健康的なゲームになっているのでした。

インディーゲーム展示イベント「東京ゲームダンジョン」現地レポート記事はこちらから!

「ざぁ~こ」そんな煽りを子供とそもそもの自分の精神のふたつから同時に受ける

プレイヤーはアヒルのおもちゃ。移動するには体のなかに溜まった水を噴出し、高いところを飛び越えたり崖を乗り越えたりしなくてはいけません。アヒルのおもちゃが向かうのは旗が立ったゴールただひとつ。しかし、そんな水噴出の独特の操作ゆえに、何度も行ったり来たりしたり、崖から転げ落ちたりしたり……ん? なんか声が聞こえる?

こんなゲームもクリアできないの~?」「ざぁ~こ(ハート)なに? 知らんうちに僕はYouTubeかTwitchでライブでもしてたの? なんかよくわからん小娘から変なチャットが来るんだけど? 言葉に気をつけな? 普通に開示請求するよ?

いや、さっきからプレイしながら崖を何度も転げ落ちてるので「俺はこんなゲームもクリアできないの~?」と自らを無意識下レベルで煽っているんで、他人からの煽りはもう結構なんだけど! そこそこのゲーマーならみんな経験あるよな!? 別にメスガキに煽られずとも自分の心に煽られる感じって! 「なんで俺はガスコイン神父の動きが分かっているのにまた負けるんだ!」みたいな。

スティックを倒せば左右にゴロゴロ~!」あ、メスガキさん意外にちゃんとヒントくれるんですね。破天荒に見せながら絶対に一線を超えないことで人気を得る芸能人みたいな配慮でありがたい。

でもそこそこ売れて調子に乗って、他の売れかけたメスガキ(系の自分の立ち位置を食いかねない新興の相手)のSNSアカウントに「お前は偉くないので○んでくださーい(絵文字)予選敗退でーす(絵文字)」って煽りはするなよ! そういうポストひとつで即座に世間から消えるから! と、だんだん親心が湧いてきました。

本作のコンセプトは、平たく言えば『Getting Over It with Bennett Foddy』(以下、Getting Over It)の妙なナレーションがかわいいメスガキさんだったらなあ、というとんでもなくシンプルなものらしいです。

しかし、これは単なる人気ゲームのフォロワー作品というわけでもないように思います。ここまでネタ枠のゲームみたいにふざけたレポートを書いてますが、実はかなり巧みに作りこまれたアクションゲームでもあるのです。

アヒルの水噴出の動きやエフェクト演出、そして連打で水噴出を許さないながらも、どこでもう一度、水噴出が可能になるかのリチャージ演出。カートゥーン的なシェーディングの背景アート、なかなか上手く進めなくて停滞していたところで、少し進めたと思ったら一気に前方向にぶっ飛べる「ゴムのギミック」を入れる緊張と緩和など……「うわっ、これ作ってる人はアクションゲームの勘が鋭いな。どこが遊んでて気持ちいいかのツボを掴んでるな」と感じられました。

開発は福岡県の学生インディーサークル「FUファイターズ」という若手のチーム。僕はゲームを遊ぶときにクリエイターのゲームやってる力(どれだけいろんなゲームに触れているか、そしてゲームのどこを面白いと分析できているか)を結構考えるんですが、FUファイターズの皆さんはかなり「ゲームやってる力」が高いように思います。

「人気ゲームをそのまま何も考えずに完コピ」しても、案外面白くは出来ないものです。だからこそ「どこを面白いと思うのか」の勘所を掴むことは、開発で必須と思います。その意味で本作は「Getting Over It」の面白さや、他のアクションの面白さも意外になかなか分析して作っていて好印象でした。

まあそれにしても、メスガキさんというのあんまよくわかんないままで「あれって実写にしたらフワちゃんだよなあ。そうじゃないの?」ってああいうキャラが好きな人に怒られそうなことを思ってしまいました。

「ざぁ~こ(ハート)ざぁ~こ(ハート)」――なんだ! また変な声が聞こえる! もう『ZAKO NO AHIRU』の試遊は終えたのに! 「そんな消え始めた芸能人を持ち出して読者の気を引こうなんて間違った努力だね~」――どこだ! メスガキ! ……いない!? 貴様どこにいる! ……はっ、あの声はもしや筆者の心から無意識下に出ている!? まさか東京ゲームダンジョン6の取材からここまで徹夜で原稿を書き続けた悪影響が幻聴となっているのか!?


なんだかいろいろ書きましたが『ZAKO NO AHIRU』はSteamでのリリースを2025年に予定。読者の皆さんはゆっくり睡眠時間を取ってゲームを遊んでくださいね。

インディーゲーム展示イベント「東京ゲームダンジョン」現地レポート記事はこちらから!



《葛西 祝》

ジャンル複合ライティング 葛西 祝

ビデオゲームを中核に、映画やアニメーション、現代美術や格闘技などなどを横断したテキストをさまざまなメディアで企画・執筆。Game*SparkやInsideでは、シリアスなインタビューからIQを捨てたようなバカ企画まで横断した記事を制作している。

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