
3月17日から21日まで米サンフランシスコで開催されたゲーム開発者会議GDC 2025。このイベントにあわせ、世界で多くのユーザーを抱えるゲームプラットフォーム『Roblox(ロブロックス)』がAIを使った新しい機能を披露していました。
今回、GDC会場で同社のStef Corazza氏にお話しを伺うことができましたのでお届けします。
3DキャラクターをAIで生成できるように

──まず、現在のRobloxのユーザー数の状況を教えてください。
Stef Corazza氏(以下、敬称略):現在の1日のアクティブユーザーは約8,500万人です。ユーザー数はここ2、3年でおよそ2倍になりました。年齢層では、13歳以上が60%を占めていると思います。クリエイターの場合は20代前半ともう少し上の年齢層となります。毎日8,530万人が『Roblox』をプレイしており、確実に成長しています。
──日本についてはいかがでしょうか。
Corazza:日本は最も急速に成長している国のひとつです。例にあげると、アニマルキャラのバレーボールが人気で、日本の文化につながるゲームもプラットフォーム上に増えてきています。また、日本には多くのローカルクリエイターがいます。クリエイターがマーケットを理解することで、現地にユーザーを呼び込む可能性が高まります。特に日本では、電車を使ったゲームが多く、現地のマーケットをよく理解している日本のデベロッパーによって作られたものがたくさん出てきていますね。
──日本のユーザーが増えてきているとはいえ、まだ他の国と比較するとゲーマーに浸透していないように感じています。さらに日本のゲーマーに興味を持ってもらうためにはどうすればいいと思いますか?
Corazza:まずは日本のクリエイターコミュニティを活発にすることですね。より地域に関連したコンテンツを持つことは間違いなくそれの助けになります。ローカライズも確かにユーザーを増やすのに役立つとは思いますが、ただ単に現地で翻訳されたものを持ってくるだけではあまり効果はないと思います。私たちは昨年、ユーザーが求めているけどあまりないジャンルについて調査しました。そのようなジャンルをデベロッパーが構築することで、ユーザーが求めているものを見つけることができ、クリエイターの成功にもつながると思います。 日本でも、そういったジャンルで多くのクリエイターが活躍しています。

まず「Roblox Studio」は、日本語を含む16カ国語に対応しています。ですから、プレーヤーであれ、スタジオであれ、サポートしている言語数は同じです。また、チャットの翻訳機能も役に立っていると思います。『Roblox』では、AIを使ってプレイヤー間のチャットを翻訳しているので、日本にいる人がアメリカにいる人と違う言語で会話しても、リアルタイムで翻訳して会話ができるのです。
──ゲーム内でほかの言語のユーザーともより多くつながることができるんですね。

Corazza:また、日本では多くのIPホルダーと仕事をしています。講談社が『進撃の巨人』のコンテストを開催したことはご存知だと思います。このコンテストはとてもエキサイティングで、日本のユーザーにとっても有意義なものです。ほかにはハローキティとのコラボもあります。このように、多くの素晴らしいIPがこのプラットフォームに入ってきています。
──サービス開始以来、現在では様々なコンテンツが追加されていると思いますが、今回新しく追加された機能について教えてください。
Corazza:今回追加されたのは、ロボッツ・コンシステント(Robots Consistent)と呼ばれるもので、チャット・インターフェイスを使って、コードの生成、コードのデバッグ、コードの最適化、入力中のコードの提案などを行うことができます。また画像を作ることもできます。この機能は、画像、3Dモデル、コードを3本柱としています。
デモをおみせしましょうか。

(ここでCorazza氏が実際にAI機能を使ってゲームを作っている様子を披露。画面左側のボックスに、プロンプトを入力するだけでゲーム画面にそのプロンプト通りのキャラクターが生成されました。今回は「巨大なモンスター」と入れてもらうと、ゴジラのような怪獣型のキャラが生成。他にはクラシックなデザインのバイクやレーサーレプリカのバイクを生成。生成後は大きさなどをその場で調整できます。
また、特定のキャラクターに「おいかけてくる」など動作についてのプロンプトを入れると、そのキャラクターがプレイヤーキャラを追いかけるようになるソースコードを作成してくれました。)


Corazza:これの機能はすでに多言語に対応しており、日本語にも対応しています。
──新しい時代のゲーム開発を垣間見た気がします。ありがとうございました。
『Roblox』はPC、Xboxプラットフォーム、スマートフォン向けにサービスを展開中です。