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ナンバリング最新作として、PS4/Xbox One/PCを対象に発売予定の『ファークライ5』。その強烈なアクション性とユニークな悪役は、国内外のファンの間で熱視線を集め、各イベントで開かれた試遊展示でも好評を得ています。
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そんな『ファークライ5』のゲーム内容や開発エピソードを伺うべく、Game*Sparkはユービーアイソフト・モントリオールで『ファークライ5』のリードコミュニティーデベロッパーを担当するマシアス・アーレンス氏にインタビューを実施。アメリカの田舎町を舞台にした今作ならではの魅力、サイドミッションやCo-opプレイにマップエディターといった要素から、悪役を生み出すまでの話を伺いました。
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――本日はよろしくお願いします。まずは自己紹介をお願いします。
マシアス・アーレン氏(以下、マシアス): 『ファークライ5』のリードコミュニティーデベロッパーを担当するマシアス・アーレン氏です。ユービーアイソフトのモントリオールスタジオで活動しています。
――ナンバリング前作の『ファークライ4』ではヒマラヤの自然環境をゲーム要素として取り入れていましたが、今作ではどのようなギミックが盛り込まれているのでしょうか。
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マシアス: 今回はアメリカが舞台ということで、いろいろなビークルが登場します。トラックや4WD、飛行機、そのほかにも武器もたくさん登場します。野球のバットなんかも武器として扱えますね。
――今作の新要素の中で、マシアスさんがいちプレイヤーとして気に入っているゲームプレイはどのようなものでしょうか。
マシアス: 私が好きなのは、トラックを盗むことですね。ドライバーを撃ってクルマを乗っ取って、大きいトラックで乗り込むのが楽しいです。カルト教団が道を封鎖しているところに突進していったり。バギーみたいなクルマも、ゲーム内のいろんな地形に対応できて面白いですね。
――「アメリカの田舎町」を再現したマップでは、プレイヤーはどのようなゲームプレイを体験できるのでしょうか。『ファークライ4』ではゾウに乗ったり山々をジャイロコプターで飛び抜けたりと、様々な楽しさがマップに詰め込まれていました。
マシアス: ゲーム全体でモンタナ州を作り込んでいるので、何もかもが“アメリカン”という感じが出ています。ガレージやバー、民家の中にも国旗やハンティングの写真が飾ってあったり、ポスターや新聞もアメリカらしい雰囲気を出しています。ニセモノのブランドなんかもあって、“ホープカウンティ”ではホンモノとして流通していたり。モンタナ州には「Testicle-Festival」と呼ばれる独自のお祭りもあって、それもゲームの中で再現しています。
――今作からキャラクタークリエイションを導入するとのことですが、どのような意図で採用されたのでしょうか。
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マシアス: 前回までは主人公のキャラクターが決まっていましたが、今回は警察官としての肩書があるにせよ、それ以外は「プレイヤーが作る」という仕組みになっています。男性も女性も選べるし、服やクルマも見た目を変えられます。そうやって自分で選択していくことで、パッと紹介された主人公ではなく、自分が主人公そのものになれるのです。
――これまでのシリーズでは、主人公が徐々に狂気に染まっていくような物語がとても印象的でした。道徳観が一般人に近いように見えたのに、ゲームが進むにつれて残酷な戦士になっていくような。今作の「プレイヤーが主人公になる」というシステムでは、そのあたりの物語にも影響がありそうですね。
マシアス: ネタバレになってしまうのであまり詳しくは言えないのですけど、『ファークライ』シリーズでは「自分の命をかけて戦う」という物語が毎回繰り広げられます。今回は、カルト教団の長“ジョセフ・シード”の逮捕状を持って主人公が街にやってくるのですが、警察官としての肩書なんてものはまるで意味を持ちません。そのようなカルト教団に乗っ取られた街で、「自分はどのように生き抜いていくのか」というエピソードを描いていきます。
――マップ解放のための“タワー”攻略や“基地”の制圧など、シリーズおなじみのサイドミッション的要素は取り入れられているのでしょうか。『ウォッチドッグス2』では“タワー”が廃止され、ユービーアイソフト作品ならではのゲームシステムが、着実に刷新されていったように感じられましたが。
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マシアス: 今までの『ファークライ』同様、今作ではたくさんの武器や車両が登場しますが、様々な部分でゲームプレイを向上させようとしています。パートナーが選べるようになったのも新しい要素ですし、Co-opもファンからのリクエストに応えるかたちで再び搭載することになりました。サイドミッションで言うと、今回は“タワー”はありません。まだ行ったことのない地域のマップは霧がかかったような状態になっていて、そこに足を運ぶと見えるようになります。より現実的な見え方になっていますね。
――Co-opについて触れられていましたが、協力プレイでないと体験できないコンテンツなどはあるのでしょうか。
マシアス: Co-opは選択肢のひとつでしかなく、すべてソロで楽しめるようにはなっています。Co-opで遊べば友達と攻略できますし、ハチャメチャでカオスなゲームプレイを楽しむためのひとつのやり方でもあります。
――今回のマップエディターについて詳しく聞かせてください。過去のエディターから操作性が向上したり、新たな要素が組み込まれたりはするのでしょうか。
マシアス: マップエディターも確実に進化しているのですが、情報はもう少し後で公開予定です(笑)。待ってくださっている方のためにマップエディターを使ったイベントを開催していくので、しばらく待っていてください。
――舞台設定や物語について質問させていただきます。今回はカルト教団「エデンズ・ゲート」とその預言者が敵として現れますが、どのよう経緯で生まれたアイデアだったのでしょうか。
マシアス: 開発チームはいつも新しい舞台設定を探していて、クリエイティブチームの中には「常に新しいモノを見つけ出さねば」と危機感を持っている方々もいました。そういった中で、「カルト教団という敵なら『ファークライ』とも相性が良いのでは」というアイデアが出ました。
――「アメリカの田舎町とカルト教団」という設定を明かしたとき、ユーザーからはどのような反響が得られましたか。アメリカの現地のユーザーとその他の地域のユーザーでは、感想も大きく変わってくるかと思いますが。
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マシアス: PAX Westでモンタナ出身の人と話したとき、「リアルなモンタナらしい雰囲気を感じる」と言っていただけました。ヨーロッパの方たちにとっては、「エキゾチック」なものとして受け取ってもらえているようでした。今まで見たことのない舞台なので楽しみにしている、といったような意見をもらっています。
――カルト教団「エデンズ・ゲート」を描いたアートワークでは「最後の晩餐」をオマージュしていたり、他では実際に存在する宗教団体から着想を得たようなマークも見られていました。「エデンズ・ゲート」は様々な宗教をモチーフにしているようですが、どのようにアイデアが練られていったのでしょうか。
マシアス: 「エデンズ・ゲート」はひとつのカルト教団をモチーフに描写しているのではなく、さまざまな「よくあるカルト教団」をベースにしています。専門家達からも詳しい話を聞いてみたのですが、ほぼすべてのカルト教団に共通点があることが分かりました。「カリスマ的なリーダーがいる」「目的のためには手段を選ばない」「人々を洗脳する」といったような。「エデンズ・ゲート」もそれに則っています。
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彼らは何年もの間“ホープカウンティ”で活動していたのですが、警察官が取り締まるようになってから更に悪事を働くようになります。「本当に文明が崩壊しつつある」と察した彼らは、そうして物資を強奪したり、暴れたりして、終焉に備えるようになりました。キーアートのように、自分たちが「フレンドリーな組織である」というように見せかけながら目的を達成しようとしています。
――『ファークライ3』では東南アジアの島、『ファークライ4』ではヒマラヤの山岳地帯を舞台にしていましたが、『ファークライ5』の舞台アイデアは他にどのようなものがあったのでしょうか。
マシアス: 舞台アイデアの候補については詳しく言えないのですが、『ファークライ』の舞台として選ぶためのチェックリストと言うのはあります。美しくてエキゾチックだったり、いろいろな文明から少し遠く離れていたり、自然が豊かだったり。そういったチェックポイントを満たした場所が『ファークライ』の舞台に適している、と言えます。
――最後に、アメリカの田舎町をリアルに描いた『ファークライ5』の魅力を、発売を期待する日本のゲーマーに向けて教えてください。
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マシアス: 今作の新しいマップをぜひ楽しんでください。自分の選択で様々なゲームプレイを楽しめるので、それぞれのプレイヤーに違った体験をしてほしいです。武器やパートナー、クエスト、野生動物といったたくさんの要素があり、ステルスを活用した攻略や逆に超攻撃的なプレイもできます。同じマップでありながらたくさんの遊び方が存在している『ファークライ5』を、自分の思うがままに遊んでくれたらと思います。
――本日はありがとうございました。