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「タチャンカ」―――この名を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。タチャンカは、Ubisoftより発売中のタクティカルFPS『レインボーシックス シージ(Tom Clancy's Rainbow Six Siege)』に登場するオペレーター(キャラクター)の1人です。本記事では、数奇な運命によって、プレイヤーのみならず公式からも愛されるようになったタチャンカの魅力に迫ります。
※本記事には多くの個人的見解が含まれています。
◆第1章:私がタチャンカです
タチャンカとは一体誰なのか?さきほど、『レインボーシックス シージ』に登場するオペレーターだと触れましたが、もう少し、彼のことを深く知るために、詳しく説明してみましょう。
タチャンカ(TACHANKA)
所属:スペツナズ(ロシア)
役割:防衛
固有ガジェット:LMG
本名:アレクサンドル・セナフィエフ(Alexsandr Senaviev)
誕生日:1967年11月3日
出身:ロシア、サンクトペテルブルク
身長/体重:183cm/99.8kg
アーマー/スピード:3/1
過去の因習にとらわれない男、アレクサンドル・セナフィエフは、グラスノスチ以前の時代に赤軍一家で育ち、ソビエトの機械と武器に関心を持つに至った。任務では、自らレストアして念入りにメンテナンスした、トレードマークの古い機銃を駆使する。―公式サイトより
ゲーム内では、さらに詳しく経歴が確認できますが、(ゲーム内設定では)ソ連・アフガニスタン戦争などへの従軍経験があり、経験値はバツグンです。スピードは1と遅いですが、アーマー値は3と強靭。固有のガジェットは固定式LMG"RP-46軽機関銃"で、強烈なストッピングパワーを有しています。
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なお、およそ120年前から130年前、実際に使用されていた"タチャンカ"という機関銃付き馬車が存在していましたが、直接的な元ネタ/語源になったかどうかは不明です。
愛称は、タカちゃん、(タチャンカ)先生/先輩など。タチャンカに呼称を聞いてみたら「好きに呼べ」と言ってくれそうな気がしています(個人的見解です)。筆者はそのままタチャンカ、もしくはセナフィエフと呼んでいますよ。
◆第2章:アレクサンドル・セナフィエフ 数奇な人生(ゲーム内の)
前述したように、タチャンカの固有ガジェットは、強烈なストッピングパワーを持っています。数発当てるだけで敵を倒せるため、狭い通路や侵入方法が限られた場所に設置すれば、非常に強力なオペレーターに……なるはずでした。…………おそらくは。
本作では、ヘッドショットをすればどんな銃器でも一発で倒せるのですが、タチャンカの固有ガジェットは固定銃座のため、その場から動けません。つまり、タチャンカの場所をあらかじめ把握してしまえば、簡単に倒せてしまうのです(いわゆる決め撃ち)。また、投擲物にも非常に脆弱なので、グレネードや、Fuzeのクラスターチャージには、文字通り"為す術"がありません。
以降、タチャンカはマルチプレイヤーで使われること(ピックされること)が無くなっていき、ランクマッチはおろか、カジュアルでもその姿を見る回数は減っていきました……。しかも、野良のランクマッチで使おうとすると、除外投票(キック)が始まることもあるとかないとか……。
そんなこんなで、ゲーム内で見る回数が減ったタチャンカですが、限定的な性能や硬派な姿がいつからかプレイヤーの心を掴むようになりました(それでもピックされる回数は増えていませんが)。不運な境遇が、プレイヤーの目には捨てられた子猫のように映ったのかもしれません(繰り返しますが個人的見解です)。
その後、海外のネットミーム「Lord Tachanka」でブレイクのきっかけを掴むと、さらには「Epic Sax Guy」という有名ネットミームとタチャンカを掛け合わせた映像が一部で話題(一般にタチャンカダンスと呼ばれる)に。『レインボーシックス シージ』プレイヤー以外にも広く認知されることとなりました。
YouTube:https://youtu.be/D8YZkSf8rok
プレイヤー以外にも知られるようになったタチャンカですが、2016年12月、遂にその時が来ます。大規模なアップデートにより、タチャンカが強化されたのです!!この強化のおかげで、タチャンカのLMGに頭部を保護するシールドが正面に増設され、ヘッドショットされる危険性がグッと減りました。
これで「タチャンカが強化された、ミッション成功だ」と言いたくなるところですが、そう簡単にうまくいかないのが『レインボーシックス シージ』。というのも、タチャンカのLMGにシールドがついたところで、依然として固定銃座なのは変わらず、投擲物には脆弱なまま。そして、どこにでもLMGを設置できるというわけではないので、ここなら役に立ちそうなのに!という場所に限って置けないことも多々……。このためか、強化されたあともピック率はあまり増えていないようでした。
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ちなみに、タチャンカが強化される際、公式サポートサイトでは、「2016年11月13日、アレクサンドル・セナフィエフは戦場で2分間の臨死状態にあったと報告された。」と(設定上)一時的に死亡させられたうえ、「発売以来、Tachankaは最も人気のあるオペレーターでありながら、最弱のオペレーターでした。この点は使用率に明確に表れており、ゲーム内で最低となっています。」と説明されていました。公式設定なんですよねこれが。
体感では、このあたりから公式のタチャンカイジリがフルスロットルで加速し始めたようになった気がします。
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