気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Event Horizon開発、PC/Linux向けに4月12日正式リリースされた戦略RPG『Tower of Time』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、独特なリアルタイムバトルが採用された新感覚の戦略RPG。自由度の高いキャラクターカスタマイズや、様々なルートアイテム、そして戦略性の高いリアルタイムバトルを特徴としています。濃厚なストーリーに、クリアまで50時間以上というボリュームたっぷりな作品です。
『Tower of Time』は2,570円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。
Krzysztof Monkiewicz氏(以下Monkiewicz氏):Krzysztof Monkiewiczと言います。長い間銀行員として働いていましたが、夢を追いかけるため、仕事を辞めてしまいました。私の夢は「新しく、他のどんなゲームのコピーではなく、むしろ自分が若い頃に遊び楽しんだゲームをミックスさせたようなゲームを作る」ということです。
――本作はいつどのようにして開発が始まったのでしょうか?
Monkiewicz氏:我々が開発を始めたのはちょうど2年前です。本作の開発費は全て私一人で出していますので、完全に個人的なプロジェクトです。パブリッシャーは存在しません。
――本作の特徴を教えてください。
Monkiewicz氏:2つあると思います。
1つ目は、ストーリーです。本作の舞台は蒸気機関、電気、空飛ぶ機械など、科学技術が進歩した世界ですが、そこに突然魔法が登場します。そしてこれが文明を壊滅に追いやるのです。ゲームはそれから1000年後から始まり、一体何が過去に起きたのかもわからず、ただ崩壊した世界で人々は生き残ろうとします。ゲームのストーリーを通し、国(Artara)の歴史を紐解き、何が起きたのか、魔法がどこからやってきたのか次第にわかってくるのです。真実は恐ろしいものです。プレイヤーの目的は地下に存在する巨大な塔の最下層に到達することで、そこには世界を救う、または世界を永遠に破滅させる力が眠っているのです。
2つ目は戦闘システムです。一旦時間を止めたり、時の流れをゆっくりにすることができる、戦術的なリアルタイムバトルを採用しています。反射神経は役に立ちません。ユニークなチャンピオンたちを追加していくことで、徐々に自分のパーティーを構築していきます。最終的には7人のチャンピオンが登場し、その中から4人を選び、戦闘に参加することとなりますが、入れ替えも可能です。戦闘において最も重要なのは戦略です。どこにチャンピオンを配置するか。壁やチェックポイントなど、地形をどのように利用するか。攻撃役を防御役がどのように守るかなど、戦略がとても大事な戦闘システムとなっています。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Monkiewicz氏:私自身がかなり昔からのゲーマーなので、昔のゲームを中心に、多くのタイトルから影響を受けています。戦闘面において、本作が最もよく似ていると言われるのは『Dragon Age: Origins』シリーズです。しかし私としては、『バルダーズ・ゲート』や『Icewind Dale』、『マイト・アンド・マジック』シリーズ、それに私が大好きな『ウィザードリィ』シリーズ(特に『ウィザードリィVII』が大好きなんです)のような古典ゲームから影響を受けていると思っています。たくさんのSFやファンタジーの本など、読む価値はあるものは何でも読みますので、最近はブランドン・サンダースンの作品をすべて読んでいますね。
――本作の日本語対応予定はありますか?
Monkiewicz氏:正直、考えていませんでした。一体どれぐらいの需要があるかわかりませんので。私たちの開発スタジオは小さく、たった10人しかいませんし、予算も少ないです(本作を作るのにすべて使ってしまったので)。もし翻訳料だけでもカバーできるほどの売り上げが見込めるようであれば、もちろん喜んで対応したいとは思います。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Monkiewicz氏:もしあなたがAAAタイトルの続編ばかりに飽きてきてしまっていたら、ぜひ『Tower of Time』をお試しください。本作の開発者である我々も、同じような気持ちでしたので。本作のデザインと製作には多くの愛と情熱が注ぎ込まれています。すべてが手作りで、斬新なアイデアも詰まっています。戦略的なバトルは、特に高難易度においてとても面白いですよ。Epic難易度はまだ誰もクリアしていないのですが、敵は容赦なく、本物の生きた人間がするような行動を取ります。もしAIが血の匂いを知っているとしたら、奴らは真っ先に攻撃役を殺しに来るでしょうね…
――ありがとうございました。
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