気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Aleksandar Kuzmanovic Games開発、PC向けに5月30日リリースされたハードコアメトロヴァニア『Unworthy』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、戦闘に特化した2Dアクション。プレイヤーは墓から蘇った戦士となり、剣と盾を手に暗く悪意に満ちた世界で、凶悪なクリーチャーたちを相手にすることとなります。ジャンプのないメトロヴァニアなため、敵との間合いを調整するなどと言った『DARK SOULS』シリーズに近いシビアな戦闘が特徴です。
『Unworthy』は1,600円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Aleksandar Kuzmanovic氏(以下Kuzmanovic氏):Aleksandar Kuzmanovicと言います。カナダ・トロントでインディーゲームの開発をしています。ゲーム開発に携わるようになるまでは、土木工学を7年間勉強していました…完全なキャリアチェンジですね。あ、あと『DARK SOULS』がめちゃくちゃ好きです!
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Kuzmanovic氏:私がゲーム開発を始めたのが約4年前になります。当時は土木技師として働いていましたが、ほかの多くの人と同じ様に、同じ仕事の繰り返しに不満を持っていました。私のフィアンセ(当時は付き合っているだけでした)は私が家に帰ってくるときの態度からそれに気づいていました。当時は家に帰ってくるとゲームしかしたくなかったです。彼女は私に仕事を辞め、ゲーム開発を始めてみてはどうかと勧めてくれました。私は、彼女のいう通りにしました(笑)。当時はゲーム開発について、本当に全く知りませんでした。ゲームエンジンが何なのかも知らず、スプライトが何なのかも知らず、絵の描き方もアニメーションの作り方も、本当に何も知らなかったのです。
しばらく色々と試した後、いくつか野心的なプロジェクトを始めてみました。そのうちの一つが『Runic:LoS』です。始めてすぐに気づいたのですが、これは当時の自分の能力では無謀で、妥当な開発期間で完成させることは不可能でした。そして『Unworthy』の開発が始まったのです。
――本作の特徴を教えてください。
Kuzmanovic氏:本作で一番の特徴は、メトロヴァニアでありながらジャンプがないということだと思います…はい、クレイジーですよね?昔からある縦方向に移動するという能力がないことで、私はどうやってこのゲームを面白くできるのか考えなくてはいけなかったので、そう言った意味で面白いシステムだと思います。縦方向の移動方法についてはここでネタバレをしたくないので言いませんが、多くの人がクールだと言ってくれています。あと、ゲーム内のAIには基本的な機械学習を導入していますので、すごくいいAIになってますよ。:)
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Kuzmanovic氏:もちろん『DARK SOULS』から影響を受けています。もしかしたらやり過ぎたかもしれません…正直、これは私がこのシリーズを好き過ぎるためです。『DARK SOULS』と『Bloodborne』以外では、ここ最近私が心から楽しめたゲームはないかもしれません。本作はまた、ステージデザインという面でもちろん『メトロイド』と『キャッスルヴァニア』の影響を受けています。しかし戦闘面においては『DARK SOULS』の感覚をシンプルな2Dに落とし込むことを目指しました。
――本作の日本語対応予定はありますか?
Kuzmanovic氏:日本語には対応させたいと思っていますし、ほかの多くの言語にも対応させたいです。しかし予算のない個人開発で、この様なことをするのはとても難しいのです。このゲームの開発を始めた時、お金を使わずに作り、使うのは自分の時間だけにしようと自分自身に言い聞かせました。もし本作の人気が出て、財政面でも成功すれば、日本語への対応はぜひしたいと思っています!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Kuzmanovic氏:日本の皆さん、ありがとうございます。ゲーマーの皆さん、ゲーム開発者の皆さん、そして日本の文化。皆さんなしでは、『DARK SOULS』や『Bloodborne』と言ったゲームは誕生しなかったでしょう!これらのタイトルは、哲学的な意味でも、私にとってとても大事なものなのです!心から、皆さんに感謝しています!あと、もし宮崎さん(注:『DARK SOULS』のディレクター&プロデューサー)がこれを読んでいたら…あなたは神です!!!
――ありがとうございました。
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