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「中華ゲーム見聞録」第17回目は、クラフト要素やレベルアップもあるドット絵横スクロール探索型アクションRPG『Lisa's Memory(麗莎的記憶)』をお届けします。
本作はAliveGameStudioが開発・配信を行い、1月2日にSteamで早期アクセス版が発売されました。開発者のAlive氏は「中国版ニコニコ動画」として知られるビリビリ動画で、2014年7月から本作の開発日記を動画として投稿し続けていました。
配信までの4年間に30本以上の動画が上がっていて、フォロワー数8.7万人、総再生数297万回と人気シリーズになっています(本作以外の開発日記も何本かあります)。有名ゲームの実況動画ならまだしも、名の知られていないゲームの開発動画でここまで再生数があるのは珍しいのではないかと思います。
4年を経て早期アクセス版として配信したのは、完全なものを作ろうとするといつまで経っても完成しないことや、ゲーム開発にはユーザーからのフィードバックが必要不可欠とのことからだそうです。4年間ずっとフォローしてきた視聴者も多いので、ビリビリ動画のコメント欄は祝福のメッセージで溢れ返っていました。今回はAlive氏からコメントを頂けたので、記事の最後にインタビューを掲載します。
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本作の内容ですが、横スクロール探索型のアクションRPGです。探索型アクションの名作『メトロイド』と『キャッスルヴァニア(悪魔城ドラキュラ)』を合わせて、このタイプのゲームは「メトロイドヴァニア」と呼ばれていますが、本作もその系統です。グラフィックはレトロ風味のあるドット絵。主人公のリサはモンスターの徘徊する研究所で目を覚まし、そこからの脱出を試みます。彼女には「死んでも記憶が残る」という能力があり、本作ではこれを活用するそうですが、いったいどういうことなのか。さっそくプレイしていきましょう。
いきなりゲームを終了しようとすると……
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ゲームが始まりました。昔のPCゲームを思わせる白黒の大型ドット絵が現れます。録画ができているかチェックするため、いったんゲームウィンドウを閉じようと右上のXマークを押したとたん、「待った!」と文字が表示されます。えっ?と思いながらもさらにXマークを押し続けると、「何をする気だ」「操作方法がわからなくて、適当に押してないか?」「リサが危険な目に遭ってるんだぞ」とメタ的なセリフが画面に出てきて、なかなかウィンドウを閉じさせてくれません。この感覚、中国産アクションゲーム『ICEY』のナレーションを彷彿とさせます。しばらくXマークを押し続けると、やっと諦めて閉じさせてくれました。
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録画チェックも終わってゲームを起動すると、いきなりまたこの画面から始まりました。「戻ってきたか」「よかった。おまえは良いやつだ」「早くリサを研究所から脱出させてやってくれ」と、またもやメタ的なセリフが。もう一度終了したらどうなるかやってみたら、「何してるんだ」「やめろ」と延々とセリフが出てきます。最後には根負けしたのか、「もういい。好きにしろ」と閉じさせてくれました。
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そしてまた起動。「なんで終了したり戻ってきたりしてるんだ」と言われます。4回目の再起動では「おまえ、おちょくってんのか」とキレ気味に。8回ほど再起動を繰り返すと、文句を言いつつもどこかにワープさせてくれました。これ以降、セリフはありません。謎の達成感を得つつ、プレイを開始します。
謎の研究所で目覚めるリサ
すでにやり切ったような感じになってますが、やっとゲームを始めます。いったんデータをリセットしてプレイ開始。横スクロールアクションのはずが、なぜか『パックマン』のような鬼ごっこをプレイさせられることに。敵の動きが速いうえに当たり判定が大きくて避けるのが難しく、ぶつかってゲームオーバーです。
もう一度挑戦しますが、また敵にぶつかってゲームオーバー……とはならず、本編がスタートしました。おそらく8回目のゲーム起動時にワープさせられた場所は、ゴール地点かと思います。オープニングではガイコツの仮面をかぶった男が、リサを実験体として誘拐。その後、リサはどこかの研究所内で目を覚まします。リサには記憶がなく、なぜここにいるのかわかりません。
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ガイコツ仮面はリサに、研究所から脱出するよう命じます。ただし研究室内には凶悪なモンスターがいるのでそう簡単には逃げられないとのこと。逃げる過程が、リサに対する実験なのでしょう。
リサの操作ですが、WASDで移動、マウス+左クリックで好きな方向に弾が撃てます。またシフトキーで緊急回避、Rキーでリロード、Eキーでインタラクト、スペースキーでジャンプ、メニューはESCキーで開くことができます。部屋のあちこちを調べると、匕首(ナイフ)をゲット。さっそくメニューから装備します。探索できる場所が結構多いので、アドベンチャーゲームっぽい感じです。
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部屋のドアはロックされていて、パスワード入力を求められます。先ほど室内で見つけた数字を入力すると開きました。本作ではドアや宝箱を開けるときに、6桁のパスワード入力をさせられる場面が多々あります。紙か何かに書き留めておくか、もしくはメニューに記事本(メモ帳)があるので、ここにタイプしておくことも。システム的に面倒な感じがしましたが、理由はのちのちわかりました。
死ぬことも重要
宝箱があったので取りに行ったところ、背後のシャッターが閉まってしまいました。スイッチもありませんし、出るにも出られません。ここでガイコツ仮面からの通信が。「自殺したらいい」と言われました。メニューからロードを選ぶと、リサがその場で自殺し、セーブ地点から復活。宝箱の中は扉のパスワードだったので、目の前の扉に入力して先に進みます。
この「死んでも生前の記憶を残している」というのがリサの能力。戻れないところへ行って情報を得、自殺してセーブ地点に復帰するのを上手く使って謎を解いていく、いわゆる「デスルーラ(死と引き換えに拠点に戻る)」システムです。あくまで「セーブした時点」に戻るのに注意。だからパスワード入力なのでしょう(セーブ地点に戻るということは、セーブ後に立てたフラグや取ったアイテムはすべて消えるということ)。
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しばらく進むと2人の男が牢に閉じこめられいました。右側のほうの男はリサの知り合いのようですが、リサにはその記憶がありません。牢の側にはレバーがあり、どちらか一方の牢しか開けらません。ここは知り合いの男を助けましょう。しかし助けたあと、「なにか違和感が……」みたいな気になるセリフが。ここでストーリーが分岐しそうな感じです。
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さらに進むと、今度はベリーという少女がいました。彼女もさらわれてここにいるようで、しばらく一緒に行動することに。マップのあちこちには本作の謎に関する断片的な情報があり、ベリーがいることで先ほど発見できなかったものを見つけることができました。しかしベリーは道を急ぐため、途中で別れてしまいます。
レベルアップとクラフト要素
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一人で冒険を続けることになったリサ。彼女は敵を倒すことで経験値を得られ、レベルアップ時には好きなステータスを上げることができます。またドロップされた素材で、武器やアイテムの作成も可能です。
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画像の機械でクラフトが行えます。アイテムを複数選んで「確認」を押すだけ。機械のそばにレシピ表があるので、それを見ながら作るといいでしょう。また敵のドロップした原石(このゲームの通貨)で買い物をすることも可能。アイテム装備もありますし、案外RPG色が強いです。
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モンスターだけでなく、特殊部隊も登場。そこへ謎の少女が助けに来てくれます。ミーアという名で、リサのことを知っているようです。「早くここから離れて」とかばってくれたので、お言葉に甘えて先を急ぎます。
鳥型のボス敵にたどり着きました。突撃からのローリングが速く、2発食らっただけで死亡。リサのジャンプはフワッとした遅いものなので、見てから跳び越そうとしても間に合わず。まわりにいるザコも硬く、銃弾5発ほど当てないと死にません。
ゲーム側が死にまくった惨状を見かねたのか、コンソールが出現。「godmode」のご提案をされてしまいます。いわゆる無敵モードですね。さすがにそこまでするわけにもいかないので、しばらくプレイして緊急回避でかわせることに気づき、なんとか撃破。この後さらに敵の攻撃が厳しくなるようなので、覚悟して取りかかったほうがよさそうです。リサは果たして研究所から脱出できるのか、そもそもリサを実験体にした理由は何なのか、続きは自分の目で確かめてみてください。
開発者へのインタビュー
本作はいわゆるメトロイドヴァニア型のアクションゲームですが、クラフト要素やRPG要素、謎解き要素もあり、しかも何度も死ぬとガイコツ仮面がアイテムをくれたりなど救済措置もあるため、アクションゲームの苦手な人でも楽しめます。また謎の多いストーリーなど、先の気になる作りになっています。以下は開発者Alive氏へのインタビューです。
――まずは自己紹介をお願いします。
Alive氏:開発者のAliveと言います。「老A」や「A桑」とも呼ばれています。AliveGameStudioは以前までは私一人だけでしたが、後に何人かの志願者が加わってくれました。しかし大半の人たちは忙しく、現在は兼業の方と私とでやっています。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょう?
Alive氏:4年ほど前に開発を始めました。自分のオリジナルゲームが作りたかったので、仕事を辞めて家に戻り、本作に取りかかりました。
――本作の特徴を教えてください。
Alive氏:特徴はストーリーです。テーマは「輪廻」ですね。ストーリーやドラマ性を重視した作りにしています。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Alive氏:『Ever17』、『極限脱出』シリーズ、『シュタインズ・ゲート』、『Undertale』、『洞窟物語』、『Doki Doki Literature Club!』などです。
――本作の日本語対応予定はありますか?
Alive氏:もし日本市場で要望があれば、喜んで日本語版を出したいと思っています。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Alive氏:私は日本のACG文化(中華圏でよく使われる言葉で、A(アニメ)、C(コミック)、G(ゲーム)の総称)を受けて育ってきました。そのため、もし日本のプレイヤーたちに本作を楽しんでもらえれば、これほど嬉しいことはありません!
――ありがとうございました。
本作はまだ早期アクセスが始まったばかりです。今後もフィードバックを活かし、アップデートによってさらに遊びやすくなるでしょう。現在のところ中国語(簡体字)のみですが(インストール時に英語が選べますが、中国語になってしまいます)、ストーリーに重点を置いているということなので、今後日本語版が出ることを期待したいと思います。
製品情報
『Lisa's Memory(麗莎的記憶)』
開発・販売:AliveGameStudio
対象OS:Windows
通常価格:205円
サポート言語:中国語(簡体字)のみ
Steamストアページ:https://store.steampowered.com/app/679490/Lisas_Memory/
※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字を日本の漢字に置き換えています。