ゲームレビューコーナー「Game*Sparkレビュー」の中で募集した「Game*Spark読者レビュー」での皆様のアンケート結果や感想をご紹介します。今回取り上げたタイトルはBethesda Game Studiosの『Fallout 76』です。
なお、本稿は2018年12月30日から2019年1月6日まで受け付けていたアンケート結果をベースにしています。そのため、今回掲載する『Fallout 76』のご感想は回答受け付け期間までに配信されたバージョンに基づいています。
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Q1「『Fallout 76』をどのように手に入れましたか」では、6割半が「予約注文をして購入した」と回答。発売日以降の入手はその半数にとどまるなど、事前の期待値が高かったことがうかがえます。
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Q2「どのプラットフォームで本作をプレイしていますか」では「PlayStation 4」が「PlayStation 4 Pro」と合わせてもっとも高く、全体の7割弱。PC版ユーザーの存在が大きい印象があるBethesdaタイトルですが、Game*Spark調べでは半数を下回りました。
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「今作の総合評価をお答えください」では低評価が6割以上を占める結果に。残りの3割強の方が普通、満足していると回答しており、次の「最も満足したポイントをお答えください」ではやり込み要素・サウンド・ゲームシステムが特に評価されています。続く質問の「不満が残るポイントをお答えください」ではサービス方針(オンラインのみ)がもっとも多く挙げられています。
評価されているやり込み要素は、以前より持ち合わせていた「世界を探索する楽しさ」があるということが伝わっている印象を受ける反面、その体験の提供が不十分なのではないか、オンライン化における運営が上手くいっていないのではないか、ということを示唆しています。
最後に、自由記述の「『Fallout 76』をプレイした感想をご自由にコメントしてください」という項目にお寄せ頂いたいくつかの感想を抜粋します(掲載するに当り、編集部が一部改行を加えています)。プレイヤーの皆さんが、今作を巡る状況を真摯に受けとめていることがうかがい知れます。
- 悪玉プレイが可能なオンラインゲーム(ARKやRUSTなど)と比較た時、先に始めたプレイヤーが有利になるパターンを注意して排除しようとした点は評価できる。 しかし、その施策の延長に当然あらわれるであろう問題点は解決しきれていない。
更に、複数の問題点が悪い意味で噛み合ってしまい、プレイの目的感を削ぐ部分が目立ってしまった。 Fallout4のアセットが流用された点については是非あるが「この世界でマルチできたら」と考えたプレイヤーは多かったはずで、そこへ挑戦した事はコストの面を考えても現実的なやり方だったと思う。
長くサービスを続けたい思いはわかるものの、このタイトルの場合はある程度の社会性を持たせなければ難しいだろう。しかしそれは、冒頭の「ARK」や「RUST」の方向を呼び寄せることにもなりかねない。 ジレンマの多いタイトルだが、予測できた問題群を早急に対応し、目指す方向へ注力できるよう期待したい。 - Bethesda初のオンラインゲーム と聞き不安と期待を募らせていましたが、残念ながら良点よりも不満点の方が多い状態となりました。1人用オープンワールドゲームの時点でバグや不具合が多発しているBethesda製ゲームをオンラインゲーム化しようという取り組みは挑戦的ではありましたが目を覆いたくなるような不具合のバーゲンセール状態になっているのが現実です。
こういった不具合に目を瞑っても待ち受けているのは何とも薄っぺらいゲーム内容です。ユーモア溢れるNPCとの交流や多彩なクエストをプレイするのはFalloutシリーズの特徴でありましたが76にはどれもこれも似通ったクエスト、ロボットや音声テープ、日記から一方的に語り掛けて来るのみでありFalloutシリーズの良点を自ら潰してしまったのは残念であります。
私はもっぱら友人たちと一緒にプレイしていますがやりこみ要素が乏しいのも度し難い点です。クエストを一通り終わらせた後はレジェンダリー武器、防具、突然変異の厳選ぐらいしか残されていないのです。 また、折角のオンラインゲームなのにPvP要素が乏しい、プレイヤーが集まる場所が人気の狩り場ぐらいなく他プレイヤーとの交流が楽しめないのも物悲しい点です。 Bethesdaさんに言いたいのは唯一つ、ユーザーの意見を真摯に受け止め改善して欲しい 唯それだけです - 個人的には実験的な内容を評価しているが、ソロとマルチ両方に無理に配慮した為、結果としてコンテンツと配慮の不足という形で両サイドのプレイ感や方針に軋轢をもたらしている点が残念
配慮が中途半端に居座る為、逆にMO・MMO特有の多種多様なプレイ方針を内包する器としての機能を阻害する形になっており、各プレイヤーが"過去作のプレイから導き出したスタイル"を流動的に変更させ、この作品独自の良さを体験させる機構が非常に少なく、作品の変化に対応できたり、そういった環境に恵まれたプレイヤー以外を一斉にふるい落とす状態なのも問題
簡単に言えば他人の存在を前提としたゲームで他者の存在を無視したプレイが出来る現状がオンライン独自の良さを破壊しており、MO/MMOじゃなくて普通にSolo/Coopとして作れば良かったと感じさせやすい 元々"やりたいようにやる"を多く輩出してきた会社だけに出した内容のまずさとはまた別にターゲット層への内容の周知が失敗したので"私たちが思うベセスダやFallout"を押し付けあう形で各所でプレイヤーによる罵りあいが発生し、更にそれを煽る形で憶測やグリッチの利用法を掲載するメディアやYoutuber等が対立を加速させており、単純なゲームとしての良さの実装では取り返しがつかない状況となりつつある
新しい事をした時、長期的なスパンで物を見る会社側と短期的なスパンと過去から判断するユーザー側はすり合わせが難しく、ここまで混沌とした状況下で完全なる打開の一手という物はまず望めない
暫くこの難局は続くだろうが、一先ず内容を評価したいにも関わらずバグ等の点から低評価を付けざるを得ない人々と真摯に向き合う事と、長期的なスパンで見てあげようという人の為に明白な長期的ロードマップとビジョンの公開が必要なのではないかと感じた
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続く質問「プレイ経験がある過去作品や関連作品を教えてください」の結果はこのようになっており『Fallout 3』でのリブートが成功を収めたことを思い起こさせてくれます。僅差ですがもっとも多いのは『Fallout 4』で、主にナンバリング作品が評価されていることがうかがえます。この点から『Fallout』らしさはこれらによって印象づけられているといえるかも知れません。
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「『Fallout 76』を遊ぶとき、ストーリーを気にかけながらプレイしていましたか。」という質問では「興味を持って物語を追っていた」という方が上回り、本作はストーリーに対して関心を持たせる、もしくは物語体験に期待を寄せるプレイヤーが多いという結果が出ています。
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最後の質問「アドホック(野良)で協力か対人プレイに発展したことはありますか。」では「希にあった」という回答が突出しており、仮にBethesdaがプレイヤーに対して「インゲームで関わり合う能動性」を求めるのであれば、それを促す施策が必要だといえます。
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本作はオンラインゲームであり、コンテンツが追加されていくことが期待されているはずです。現在のアパラチアで何が起こっていて何が起きそうなのか――たとえば象徴的な存在であるラジオによってそれが報道されたり(もちろんローカライズや運営コストを度外視したうえでの記述です)集落の形成を促したり、プレイヤーによる手記や新聞であったり、そういった「ゲーム内で形成される文化」をこれから育んでいってほしい――今回の読者レビューを拝読するにあたって、私はそういった願望を抱きました。それはプレイヤーだけではかなわず、Bethesdaによる行動も求められます。必要なのは“『Fallout』シリーズ旧作が無料で配布される”などといった、本作のおもしろさとは無関係な行動ではないでしょう。プレイヤーと同等もしくはそれ以上に、Bethesdaも『Fallout 76』へ愛情を注いでほしいと願います。