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レトロSFを思わせるようなグラフィックや演出に、ローグライクとFPSの要素が入ったアクションストラテジーゲーム『Genesis Alpha One』のプレイレポートをお届けします。
本作はRadiation Blueが開発し、Team17 Digital Ltdによって、2019年1月29日にEpic Gamesストアで、一年間の期限付きで独占配信されました。その後独占期限が終了し、2020年2月25日にSteam/GOG.comで本作の「Deluxe Edition」が配信。「Deluxe Edition」は本体に加え、アートブック、サウンドトラック、DLC「Rocket Star Corporation」がバンドルされたものとなっています。
本作の舞台は資源も食料も不足した未来。人類はハイパードライブを開発し、外宇宙に新天地を求めに行きました。そして人類の希望を銀河「Alpha One」に見出します。企業は「Genesis」計画を立ち上げ、資源や居住できる惑星の探査に乗り出した、というのが背景です。
この探査計画には、宇宙船と乗組員たちを率いる優秀な船長が必要です。プレイヤーは宇宙船の船長となり、人類の運命を背負って旅立たなければなりません。いったいどんな冒険が待っているのか、さっそくプレイしていきましょう。
宇宙船をデザインしよう
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ゲームをスタートすると、まずは所属する企業、乗組員、アーティファクトを選択します。企業ですが、それぞれ初期のモジュールや資源、乗組員、アーティファクトに違いがあります。今回はチュートリアル用の企業でプレイします。それと本プレイレポートではSteam版を使用しています。
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ゲームが始まると、前述したようなストーリーがムービーとともに語られます。人類の希望を乗せて宇宙へ旅立つ船の乗組員ですが、全員クローン人間です。プレイヤーの操作する宇宙船の船長もクローンです。
本作では、宇宙船内でクローンを製造することも可能。エイリアンのDNAを混ぜて強化クローンを作り出したりもできます。こんなことが簡単にできる時点で、そもそも本物の人類が存在しているのかどうか疑わしくなってきます。サイバーパンクな世界観の3DダンジョンRPG『Conglomerate 451』もクローンを作って部隊編成していましたね。
本作のゲームオーバーの条件ですが、宇宙船内の乗組員全員が死亡したときです。操作キャラクターである船長が死んだときは、他のクローンに操作が移ります。しょせん船長も「クローン人間」というコマの一つでしかないのです。人数が減ったら、クローンを作って補充しましょう。
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ムービーが終わると、探査に使う宇宙船のカスタマイズを行います。チュートリアルなので作るものは指定されており、まず酸素供給用の植物を育てるための「グリーンハウス」です。施設は宇宙船の通路が突き出ているところにのみ接続できます。計画的にやらないと施設が置けなくなったり、移動が大変になったりすることもあります。ちょっとしたパズルゲームですね。
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グリーンハウスの設置が終わったら、さらにトラクタービーム用の施設を設置。これは宇宙空間に浮いているデブリから資源を回収するための装置です。資源は、新たな武器や装置などを作るのに必要になります。それと、トラクタービームで回収した資源にエイリアンがくっついてきて、船内に侵入することもあります。宇宙船の設定はこれで終わりです。
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このFaberさんが、プレイヤーの操る宇宙船の船長です。チュートリアルでは、最初の乗組員は船長を合わせて4人だけです。本作に食事の概念はありませんが、人間のクローンなので必要なものとして「酸素」があります。エイリアンのDNAで作ったクローンは必要な消費物も変わります。
船内の施設を探索
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ゲームは基本的に一人称視点で行います。パッドにも対応しているので、筆者はXboxパッドでプレイ。操作自体は一般のFPSとおなじですが、銃を覗き込むということはできませんし、リロードもありません。照準が大きいので当てるのは難しくないでしょう。それと現在いる場所は宇宙船のブリッジです。グラフィックはフィルタが入っていて、レトロSF風の独特の色合いになっています。
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Xboxパッドのバックキー(キーボードの場合はタブキー)で船内マップを開くことができます。ここで施設を追加したり、船の状態や資源の量を確認したりできます。道に迷ったときもマップを開けば現在地が分かります。施設が多くなると迷いやすくなります。
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先程作ったグリーンハウスへ行ってみました。結構広いですね。ここで空気が作られています。遠くの方で乗務員が掃除か何かをしていますね。近づいて話しかけてみましょう。それと本作では乗組員を施設に割り当てて働かせることができます。割り当てのない乗組員は宿所施設で待機しています。
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乗組員のWellsさん。グリーンハウスの管理に割り当てられています。ゲームに関するヒントをくれるだけで、個人的な雑談とかはありませんね。基本的に本作に登場するクローンたちは感情があまりないようで、話しかけても面白い話をしてくれるわけではありません。
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トラクタービームのある施設。ここの端末から、回収したいデブリを指定します。前述したようにエイリアンが回収物にくっついてくることがあるので注意が必要です。回収作業は時間がかかりますが、乗組員を配置しておけば時間が短縮できます。
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武器などを作るための施設「ワークショップ」をグリーンハウスの上に設置。エイリアンが船内に侵入してきたときに備えて、自動攻撃してくれるタレットをワークショップで作っておきましょう。
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ワークショップ内の端末から、資源を消費して武器や弾薬などが作れます。タレットに必要な資源は「ガンパウダー」X3ですね。完成した物は、船内にある武器庫から取ることができます。
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船内の何カ所かにある武器庫。ワークショップ内にもあります。ここで弾薬を補充したり、作った武器を取ったりすることが可能。右側にある2つの箱がタレットなので、さっそくもらっていきましょう。
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トラクタービームの施設を長い間放置していたので、いつの間にかエイリアンたちの発生源が出来上がっていました。エイリアンは放っておくとどんどん発生源を作って増えていきます。乗組員は気にせずに淡々と仕事をしています。いちおうエイリアンが出現すれば攻撃してくれますが、あまり頼りになりません。自力で何とかするしかなさそうです。
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船内のあちこちからエイリアンが出現。アサルトライフルで撃退するも、早々と弾切れです。ピストルは無限に撃てますが、連射速度が遅い。船長が死に、宿所で待機していた別のクローンに視点がスイッチします。しかしまた死んでしまい、最後の一人に。
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敵を倒したときにドロップするDNAや回復アイテムなどは、RBを長押しすることで回収できます。しかしグリーンハウスを壊されたため、酸素の供給量が足りなくなってしまいました。酸欠で最後の一人がダウン。ゲームオーバーです。
惑星探査に乗り出そう
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気を取り直してすぐに再開。ワークショップを作るところまで進め、エイリアンが入ってこないようにトラクタービームはいったん止めておきました。今回はクローン製造の施設を作って、乗組員を増やします。乗組員は船長含めて4人ですが、キャビンが5つあるのであと1人増やせます。
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端末から作りたいクローンを選択。エイリアンのDNAを採取することで、ヒューマンタイプ以外の様々なクローンを作製することが可能。それと作るときには性別を選ぶことができます。
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作業速度を上げるために人員を配置してもいいのですが、小型端末から手動(LTを押しっぱなし)で作業速度を速めることも可能です。人員が少ないときは自分でやってしまった方が速いでしょう。
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クローン完成。これから惑星探査へ行く予定なので、さっそく手伝ってもらいましょう。1人だと心もとないので、もう1人の乗組員にも付いてきてもらいます。3人パーティですね。
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惑星探査をするには、施設「ハンガー」を作らなければなりません。ハンガー内に探査船がありますので、これに乗って惑星に降り立ちます。ハンガーに人員を配置しておけば、探査時に付いてきてくれます。
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探査船が惑星に無事着陸。後方のハッチが開いて降りることができるようになりました。仲間たちとともに惑星に降り立ち、資源の採取です。敵も出てくるので気を付けましょう。ちなみに搭乗口のそばにいれば、探査船のタレットが敵を撃ってくれます。
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資源のありそうな岩に照準を向け、RBを押しっぱなしで回収作業を始めます。そこそこ時間がかかります。もちろん作業中でもエイリアンは遠慮なく襲ってきます。敵出現のアラートが表示されたら注意。
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資源を持てる量が最大になったので、探査船に帰還。宇宙船に戻ります。ハッチが閉まるまでの間に、エイリアンが船内に入ってくることもあるので、油断は禁物です。仲間とともに撃退してやりましょう。
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惑星で獲得した資源ですが、そのまま使えないので精製する必要があります。精製施設をハンガーのすぐ横に設置し、さっそく作業に入ります。トラクタービームの時と同じように、エイリアンが資源にくっついて侵入してくることもあります。
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惑星で取れた資源は「硫黄」です。精製することによって「ガンパウダー」に変換することが可能。タレットの素材になりますので、作っておきましょう。先程のクローン作製と同じように、小型端末を使って手動で作業速度をアップさせることもできます。
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ワークショップでエナジーバリアを開発しました。これを通路などに置いておけば、エイリアンの侵入をしばらく防ぐことができるでしょう。
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星域内での探査が終わったらブリッジへ向かい、ハイパージャンプで別の星域へと向かいましょう。次はいったいどんな冒険が待っているのか。この続きはぜひとも自身の目で確かめてみてください。
宇宙船生活を楽しめるローグライトストラテジー
本作は一人称視点で宇宙船内を歩き回れることから、しばらくプレイしていると宇宙船に愛着のようなものが湧いてきます。慣れてくると、施設の効率的な配置を考えるようになるでしょう。レトロ感のあるグラフィックも良い雰囲気を醸し出しています。
筆者はプレイしながら、PS1で遊んだエニックス(現スクウェア・エニックス)の『プラネットライカ』を思い出しました。『クーロンズゲート』の是空が企画を担当した作品で、レトロ感のある不気味なSFアドベンチャーゲームです。何となく雰囲気が似ている気がします。
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クローンですが、エイリアンのDNAを収集することで新たな種族の開発ができます。画像の「Kraul」は知性は低いですが、HPが高く戦闘向きです。新たなクローンをアンロックしていくことも本作の楽しみと言えます。
本作は日本語サポートはありませんが、基本的にはアクションゲームなので、テキスト自体はそれほどありません。名詞やちょっとした説明文などが読めればプレイできるとは思います。古典的なSFが好きな人は、ぜひ本作をプレイしてみてください。
製品情報
『Genesis Alpha One』
開発・販売:Radiation Blue、Team17 Digital Ltd
対象OS:Windows
通常価格:Steam3,090円/GOG.com29.99ドル/EGS3,080円
サポート言語:英語、中国語(簡体字)など7言語
ストアページ:Steam/GOG.com/EGS
■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「中華ゲーム.com」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。新刊「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)。著者Twitter、「マイナーゲーム.com」Twitter。