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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回は2020年3月13日にDumativa Game StudioよりPC向けにリリースされた『Shieldmaiden』について生の内容をお届けしたいと思います。
『Shieldmaiden』とは
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本作は、ブラジルのデベロッパーDumativa Game Studioが手掛ける2D横スクロールアクション。タイトルの通り、盾を武器とした戦闘が持ち味です。マシンによって支配された世界を舞台に、妹を探す少女“アスタ(Asta)”を描きます。
丁寧なピクセルアート、動きのしっかりしたアニメーションも特徴的。音楽も力の入ったもので、世界観に沿ったBGMでステージを盛り上げてくれます。
『Shieldmaiden』の実内容に迫る!
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ゲームを開始するとまず目に入るのが、電車に乗ったアスタ。映像でのオープニングはありませんが、相棒となる“ロミール(Romir)”の通信で彼らの背景が語られます。会話が進むと電車が急停止。ここからチュートリアルステージの開始です。
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基本的なアクションは「盾を構える」、「盾で攻撃する(殴る/投げる)」、「ジャンプ」のみ。一見するとシンプルですが、盾を構える方向やジャンプとの組み合わせなど、テクニックを要求される場面も。敵の様子を見ながら落ち着いてプレイすることも可能ですが、攻撃と防御、回避をうまく組み合わせて“魅せプレイ”に挑んでみるのも面白いかもしれません。盾を投げて攻撃する場合は空中に留め、返ってくる盾での攻撃も。壁で跳ね返すこともできるので、様々な攻撃方法を試してみたくなります。盾を投げている間は無防備になることに注意。
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なんといっても盾がメインのゲームだけに「防御と回避」がキモになります。敵の攻撃は一発の威力が軽いものの、「塵も積もれば山となる」。いつの間にか体力がごっそり削れていた……ということも。また、敵の攻撃を盾で受けると溜まるゲージを消費して広範囲に衝撃波を出すことができるなど、防御することによるアドバンテージも用意されています。相手の行動を見極め、(なるべくかっこよく)防御しながら(なるべくかっこよく)攻撃する……クセになる戦闘です。
なお、本作はコントローラーでのプレイをサポートしています。操作するキー自体が少ないこともあって「部分的コントローラーサポート」とされており、操作の重複もありますが、かえって自分の感覚で操作ができると感じました。自由度が上がるので、筆者はコントローラーでのプレイをおすすめします。
物語を補強するピクセルアートとBGM
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「マシンに支配された世界」というのはありきたりな設定にも思えますが、本作では背景とBGMによってその世界観が補強されています。廃病院のような完全に荒廃しきっているエリアがあったかと思えば、ネオンが輝く街のエリアも。「支配されている」というよりは、公式の説明通り「人間に取って代わった」とも言うべき感触です。作中では多くは語られませんが、どのような経緯でマシンが世界を治めるに至ったかを想像してみるのも面白いかもしれません。
さらにその補強となるのが音楽。オープニングこそ壮大ですが、各ステージのBGMは世界観に沿ったエレクトリックな雰囲気。最終ステージではまさに背景とBGMの融合と呼べるような演出も楽しめます。
テンポはいいが、ボリューム不足感も
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各ステージには公衆電話型のチェックポイントが多めに設置されており、ゲームオーバーになってもそこから復帰することが可能です。ボスを倒すまで進行は記録されませんが、1つのステージが短いので自分のペースで攻略することができます。先述の通り、アクションにはクセがありますが、「基本的に敵の攻撃力が低い」ことや、「チェックポイントが多数ある」ことを加味すれば難易度は低め。テンポがよく、手軽に楽しめる、と言い換えることもできるでしょう。
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一方で、全体的なボリュームとしてはかなり少ないと感じられました。Steamストアページによれば、収集要素やシークレットの捜索を含めて「4時間のゲームプレイ」が約束されていますが、筆者が5つのステージを通しでクリアするまでのプレイ時間はおよそ1時間20分。「収集要素」、「シークレット」を加味しなくても半分以下に収まってしまいます。
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アスタと登場人物たちの会話で進んでいくストーリーもゲームの枠に無理矢理収めている、といった感触。ゲームプレイが短すぎるので無理もないですが、もっとシンプルなストーリーで良かったのではないか、と思えてしまいます。
ゲーム部分で言えば、ステージごとのユニークな敵は少なめ。ステージごとの特色も目立たず、ボスバトルだけがユニークと言わざるを得ません。盾を使ったアクションが楽しいだけに、非常に惜しい出来です。
惜しい部分もあるものの、アクション、ピクセルアートと音楽には光るものを感じる同作。妹の行方を知りたいのであれば、『Shieldmaiden』で戦いに身を投じてみてはいかがでしょうか。
タイトル:『Shieldmaiden』
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2020年3月13日
記事執筆時の著者プレイ時間:1時間20分
価格:1,520円