気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Polygon Treehouse開発、PC向けに7月23日リリースされた北欧アドベンチャー『Roki』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、スカンジナビアの民間伝承に影響を受けたアドベンチャー。感情を揺さぶる物語、魅力的なグラフィック、古典的なパズル、独特の世界観、これらすべてが織りなす、シリアスな現代風おとぎ話が展開されます。日本語にも対応済み。
『Roki』は、2,570円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。
Tom&Alexこんにちは。本作の開発者のTomとAlexです。本作は私たちが設立したPolygon Treehouseのデビュー作となります。元々、私たちは二人ともソニーでアートディレクターをしており、『KILLZONE』シリーズや『RIGS Machine Combat League』の開発に携わっていました。二人ともアートの経験が豊富ですので、ビジュアルにこだわったゲームを作るということが、私たちの夢見ていたことでした。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Tom&Alex本作の開発は2017年の初旬に始まりました。私たちは、昔自分たちが遊んだようなポイント&クリックでゲームが進行しながらも、アートが特徴的なストーリーアドベンチャーゲームを作りたいと思いました。古典的ではありますが、現在のプレイヤーにも楽しんでもらえるようなものを目指しましたので、本作はフル3Dで描かれ、プレイヤーを直感的に操作することが可能です。このため、本作では没入感があり、自分で動かしているという感覚を楽しむことができるでしょう。
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――本作の特徴を教えてください。
Tom&Alex本作のストーリーはスカンジナビアの民間伝承から影響を受けています。しかしご存知のあの巨大な神々ではなく、森や湖に住む小さな怪物やクリーチャーたちが登場します。彼らこそ、家族の喪失と救済を描く、この物語を彩る素晴らしいキャラクターたちになると感じました。本作の主人公はトーブという女の子です。彼女は弟を救うため、魔法と伝説に満ちた世界を戦って行かなくてはいけません。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Tom&Alex子供の頃に見たたくさんの映画から影響を受けています。「ラビリンス/魔王の迷宮」「ダーククリスタル」「ネバーエンディング・ストーリー」などです。本作においても何より大事なテーマは、見込みがないにも関わらず、困難に立ち向かうということです。そして奇妙で素晴らしいクリーチャーたちという脇役も忘れてはいけません。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Tom&Alex幸運にもありませんでした。新型コロナが蔓延し始めた頃、すでに開発はかなり進んでいましたし、チームメンバーは全員すでにリモートで作業をしていましたので、普段通りに開発を続けることができました。そういう意味で、私たちは幸運だったと思います。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Tom&Alex私たちは日本文化と日本の神話が大好きですので、本作のストーリーも日本のプレイヤーの皆さんの心に響くのではないかと思っています。本作は喪失と悲劇の物語であり、神話と伝説の物語でもありますが、何よりも救済と受容の物語です。誰もが楽しめるものに仕上がっていると思います!
――ありがとうございました。
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◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に300を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
※UPDATE(2020/8/2 22:00):記事内のリンクを修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。