気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、EndlessFluff Games開発、PC向けに8月1日リリースされたシミュレーションRPG『Fae Tactics』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、若き魔法使いの少女「ピオニー」と共に、危険と謎に満ちた鮮やかな世界を冒険するシミュレーションRPG。仲間を召喚し、スペルを唱え、さまざまな種族のキャラクターと交流しながら、「フェイ」と呼ばれる魔法生物と人間との対立が続く世界を冒険します。日本語にも対応済み。Game*Sparkではプレイレポも掲載中です。
『Fae Tactics』は、2,050円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。
Carolina Moya氏(以下Moya氏)こんにちは。EndlessFluff Gamesの共同設立者の一人、Carolina Moyaです。EndlessFluff Gamesは2人で活動しているインディースタジオで、もう一人のメンバーはKyron Ramseyです。私たちは二人ともニューヨークで育ち、高校で出会いました。これまでに20年間、二人で一緒にアーティストとして活動してきたのですが、Kyronはゲームデザイナーでもありプログラマーでもあります。彼は黒人で、私は米国の移民二世です(チリとペルーからの移民の娘)。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Moya氏本作の開発が始まったのは2016年の夏です。私たちは『Valdis Story: Abyssal City』の後、何か小さなプロジェクトに取り組もうと思いました。しかし始めてみるととても楽しく、小さなプロジェクトのはずが、プレイ時間60時間のシミュレーションRPGになってしまったのです。本作開発のきっかけは、Kyronが昔シミュレーションRPGをたくさんプレイし、同じようなものをまたプレイしたいと思ったからです。
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――本作の特徴を教えてください。
Moya氏本作の特徴的な要素の一つが、ひたすらメニューをクリックするような、退屈でプレイの流れを阻害する要素がない点です。また、すべてのキャラクターは個性的で、異なるアビリティを使用できます。敵を選んで攻撃するか、仲間を選んでアシストするか、そうでなければ待機することになりますが、待機にも独自の効果があります。それ以外に他のシミュレーションRPGと差別化している部分としては、モンスターを集めて使用できるという点でしょう。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Moya氏『ファイナルファンタジータクティクス』『フロントミッション』『ラ・ピュセル 光の聖女伝説』『リトルマスター~虹色の魔石~』からある程度の影響を受けています。エレメントとカードシステムは私たちがたくさんプレイした『カルドセプト サーガ』からの影響がありますし、個人的なレベルだと、昔のカプコンのデザインや、世界観においては映画「ラビリンス/魔王の迷宮」「The Last Unicorn」から影響を受けています。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Moya氏幸運にも、私たちの家族や友人で感染した人はいませんでした。しかし地元の病院はニューヨークでも特にひどい状況で、病院の外には遺体を載せるための冷蔵トラックがいくつも止まっていました。本当に悲惨でした。他の影響ですと、ソーシャルディスタンスを保つため児童保育がなくなってしまいました。Kyronと私には娘が一人いるのですが、このせいで私の作業時間が限られ、彼の手伝いが難しくなってしまったのです。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫でしょうか?
Moya氏はい、いいですよ!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Moya氏日本の皆さん、こんにちは!日本語に対応したこともあり、多くの皆さんに本作を楽しんでいただけることをとても嬉しく思っています!私たちは時間がある時、日本の方による配信を見たり、日本語のツイートを訳して読んだりしています。本作のゲームプレイやキャラクター、世界観へのリアクションを見るのがとても楽しいです。90年代、私たちがまだ10代だった頃、まさか自分たちがいつかゲームを作ることができるなんて思ってもいませんでした。だって日本に住んでいないのですから!バカみたいに聞こえるかもしれませんが、それだけ日本のゲームの影響力は絶大だったのです。もし本作をすでにプレイしていただけたのなら、遊んでいただきありがとうございます!もしまだでしたら、ぜひ試しに遊んでいただき、感想を聞かせてくださいね。それでは良い一日、良い人生を!
――ありがとうございました。
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◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に300を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。