昨年、シリーズ20周年を記念して登場した『Age of Empires II: Definitive Edition』。完全リマスターで蘇った伝説的RTSの興奮も冷めやらぬなか、いよいよ10月15日には『Age of Empires III: Definitive Edition(以下AoE3:DE)』がリリースされます。
本作は2006年に発売された『Age of Empires III』のリマスター版となり、拡張パックであった「ザ ウォーチーフ」と「アジアの覇王」双方の内容を含んでいるほか、グラフィックと音楽をマスタリング。さらに2つの新文明と2つの新ゲームモードも追加され、遊び方がさらに広がった作品となっています。
今回は、そんな『AoE3:DE』を実際にさわって、気になる新要素を遊んだ先行プレイレポートをお届けしていきます!
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そもそも『AoE3』ってなんだ? 文明を率いて領地を広げる王道リアルタイムストラテジー!
未プレイの方に改めて説明すると、『AoE』シリーズは民間人ユニット「町の人」やさまざまな軍事ユニットを指揮してマップを探索、開発、自領地を発展させながら敵国の打倒を目指すという、リアルタイムストラテジー作品になります。
『3』の舞台イメージはアメリカ新大陸の植民地時代。選択できる文明はイギリスやポルトガルといったヨーロッパ諸国に加え、拡張パックではアステカやホデノショニ(イロコイ)ら新大陸の部族、日本やインドらアジア諸国が追加。それぞれ異なる各種ボーナス、ユニットによって戦略は幅広く、華やかな文明同士の激突を楽しむことができる作品なのです!
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新文明1:欧州の軍事強国、スウェーデン参戦!
今回追加された新文明の一つがスウェーデン!三十年戦争の英雄、グスタフ2世アドルフで知られる近世欧州の軍事大国で、優れた戦術能力を有する文明です。
ちょっと丸々、文明紹介テキストを掲載すると――
文明紹介:スウェーデンは、戦術と兵站の革新を通じて、ヨーロッパ随一の強国となった。その砲兵と騎兵の突撃は、特に三十年戦争において戦場を支配した。人口は比較的少ないが、傭兵を採用していたこともあり、スウェーデン軍の規模はヨーロッパでも最大級であった。
システム的に言うと、軍事面では時代IIから投入可能な高速重近接騎兵「カロリアン」と、軽砲「皮革砲」を主軸に、早い時代から機動力の高い攻勢を仕掛けることが可能。内政面では家のコストが木材120とやや割高ながら、建設時に近くに小さな果物の実も同時に作られ、家自体に少ないながら自動採集能力があるというのが特徴です。
- 文明ボーナス:トルプは近くの資源を採集する。傭兵の艦船がより安価になり、到着速度も短縮される。高度な強化を兵器廠で利用可能。
- 親衛隊ユニット:ダルカール(パイク兵)とドラバント(ハッカベル)
- 固有ユニット:カロリアン、皮革砲、ハッカベル
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時代IIで砲兵が作れるというと「火炎放射器」を有する中国、「アプス砲」を有するオスマン帝国が挙げられますが、皮革砲はやや割高(食料300、木材100)な分、移動力・速射能力に長けた印象。対歩兵に強く、槍兵や弓兵を吹き飛ばせるほかアウトレンジから建設物を狙う嫌がらせにもいい塩梅です。
そして速攻の主役といえばやはり騎兵。注目のハッカベルは短銃と剣で武装しており、短いながら間接攻撃が可能。ハサーと比較してコストはだいたい同じながら、HPで劣り攻撃力で優る性能差になっています。当然、敵国の町の人を襲撃するのに向いており、短銃でのヒット&アウェイが大いに捗りますとも…!
欧州文明のお約束である革命や工場も有しているほか、傭兵の艦船が安価で海戦もOK。石弓兵がいないので時代IIの戦い方にちょっと癖はありますが、なかなか個性ある良文明ではないでしょうか!
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新文明2:目覚めよ大帝国!南米の王者インカ!
欧州からやってきたスウェーデンに対し、新大陸文明からの追加となるのがインカ!新大陸文明のお約束としてコミュニティプラザ(ファイアピット)を利用できるのはもちろん、強固な城塞、タンボ(固有の交易所)で拠点を築きながらマップ要所の戦いを優位に進められるのが特徴です。
文明紹介:広大な領土を誇った南米の帝国。難攻不落の防壁と洗練された行政制度で知られていた。
特徴はやはり時代IIIから戦士長が作れる城塞で、西洋文明の築く砦のような強固な防御拠点となり得ます。また、固有交易所であるタンボがそのまま攻撃能力を持ち、町の人を収容することが可能。交易ラインを維持しやすいのはうれしいところでしょう!時代ごとに配布される偵察兵「チャスキ」がタンボの作成能力を有しているので、時代Iから積極的にマップ偵察がてらの交易確保を図れるのもいい塩梅。
また、固有の家であるカンチャは自動で食料生産が可能で、食料資源の乏しいマップでは他文明に優る優位点になり得るのではないでしょうか。
- 文明ボーナス:カンチャは食料を生産する。タンボを築けるチャスキを時代ごとに無償で受け取る。タンボは強力な交易所で、町の人を駐屯させることもできる。軍事ユニットはカランカと城塞に駐屯できる。巫女は敵を転向させたり、コミュニティプラザで働いたりできる。
- 固有ユニット:羽飾り槍兵、チムーランナー、ジャングル弓兵、ボーラ戦士、ワラカ、戦棍兵、巫女、チンチャ筏
- 固有建造物:カランカ、城塞、カンチャ、タンボ
- 固有の踊り:月の囮、スーパイの踊り
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お恥ずかしながら筆者は新大陸文明の運用が苦手なんですが、インカは兵士の系統がシンプルなのが逆に使いやすかった印象です。
序盤の戦闘キャンプでは対騎馬の槍兵「羽飾り槍兵」、対歩兵の弓兵「ジャングル弓兵」、対砲対スカーミッシャーの騎馬代わりとなる高速歩兵「チムーランナー」。で、上位ユニットを作成する「カランカ」では、対建造物も可能な上位槍兵「戦棍兵」、対砲兵、対建造物用の射撃歩兵「ワラカ」、対騎兵に強い範囲攻撃射撃ユニット「ボーラ戦士」。
下位の槍、弓、騎馬もどき高速歩兵を大量生産しながらイニシアチブを取り、いざ敵拠点攻略にはカランカの上位ユニットを投入する…といった感じでした。巫女による転向で、相手の強ユニット寝返りも楽しいいいい!
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新モード1:短編シナリオを進める「歴史上の戦い」!
『AoE3』では各パックにステージクリア型のシングルキャンペーン「ストーリーモード」が存在しました。ブラック一族と秘密結社の長きに渡る戦いを描いた「血と氷と鋼」。新大陸の諸部族の戦い「火と影」、そしてアジア各地の戦い「アジアの覇王」。
これらとは別に、DE版で追加されたのが短編シナリオである「歴史上の戦い」です。上記のストーリーモードは各時代を背景に、ブラック一族や佐久間吉郎ら主役格を中心に物語が展開していきましたが、こちらは歴史上の戦いを再現したもの。『AoE2:DE』にも同盟の新モードがあったので、そちらをプレイ済みの方はピンとくる内容でしょう!
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新モード2:シチュエーションごとの基本の立ち回りを学べる「孫氏の兵法」
こちらも『AoE2:DE』版と同様の新モードで、一言で言えばチュートリアル編。もともと『AoE』シリーズはチュートリアル要素が薄く初心者には敷居の高い面もあったので、リマスターにあたり新規ユーザーの定着にしっかり力を入れた感じでしょうか。
スタート時の初期経済の回し方から、『AoE3』の軍事ユニット代名詞とも言うべき砲兵の運用まで、10項目に渡ってクラウゼヴィッツ氏(タイトルは孫氏の兵法なのに…!?)が指南をしてくれます。
とくに最初にムービーで概要や戦略の狙いを教えてくれるのが、今時の動画配信時代風だなあと感心しつつ、ゴールドメダルでのクリアを目指すと案外難しかったり。チュートリアル的なモードながら、意外にも詰め将棋的な感覚でミッションチャレンジを楽しめます。
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数々の新要素を詰め込みつつ、ビジュアル面でも大幅な進化を遂げた『AoE3:DE』。シリーズファンはもちろん、「名前くらいは聞いたことあるんだけど…」という新規ユーザーにも間口を広げた良作と言えるのではないでしょうか。
ちなみに日本語対応にもニッコリなんですが、リリース前にプレイしたバージョンでは、日本語の怪しい部分もちらほら。そこはゲーム性に関わる部分でもないのでローカライズの味わいと今後のアプデに期待したいところ。ちなみに筆者はスウェーデンの家の名称が「魚雷」なのが、誤訳なのかなんなのか判断つきかねているところです!日本の家はなぜか「社」だし、何かこう、スウェーデン的な言い回しなんでしょうか。
そんなわけでナンバリング最新作『Age of Empires IV』の続報が待ち遠しい昨今、しんぼうたまらない情熱を『AoE3:DE』にぶつけるのもまた良きかな良きかな。
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『Age of Empires III: Definitive Edition』は、Steam/Microsoft Store/Xbox Game Pass for PC向けに2020年10月15日の発売予定です。