「中華ゲーム見聞録」第82回目は、可愛い小狐妖(小さな狐の妖怪)「モーリ」が悪夢の中で敵と戦う横スクロールシューティングゲーム『モーリの夢楽園(Moolii's Dreamland)』をお届けします。
本作はWOWOH CATが開発し、同社と Medusasgameによって2021年1月23日にSteamで早期アクセス版が配信されました。ちなみにSteamのストアページでは、主人公の名前が「モーモリ」と日本語で書かれていますが、タイトルからして「モーリ」が正しいかと思われます。
本作の内容ですが、手書き調グラフィックによる横スクロールシューティングゲームです。シューティングというジャンルは、「中華ゲーム見聞録」で取り上げるのは今回が始めてですね。筆者が学生の頃はシューティングが流行っていた時期もありましたが、今はそもそもリリース本数自体が少なく、マニア向けのジャンルみたいな感じになってきています。
開発者は子どもの頃に遊んだファミコンの『沙羅曼蛇』など、古典的なシューティングゲームが好きとのこと。筆者も友人から借りて遊んだことがありますが、最終ステージをクリアすることができませんでした(『グラディウス』はクリアしました)。本作は取っ付きやすい絵柄で親しみやすそうですが、実際の所はどうなのか、筆者の腕で何とかなるゲームなのか、早速プレイしていきましょう。
猫地獄へようこそ!
ゲームが始まるとムービーが流れます。本作は日本語サポートされていますが、基本的にテキストはほとんどありませんね。ムービー中もテキスト無しでストーリーが進行していきます。画像は主人公モーリの家です。
夜遅くまでテレビを観ているモーリ。母親に怒られ、さっさと寝るよう言われました。森の中の家ですが、電気製品とかあるのですね。ちなみに中国でも、狐は人を化かす物として知られています。中国の怪異譚を集めた書物「聊斎志異」でも狐の話はたくさん出てきます。
間抜けな顔で眠りに入るモーリの所へ、飼い猫(たぶん)がやってきて、布団の上で寝転がります。モーリは胸を圧迫されて苦しくなったのか、魔物たちに追いかけられる悪夢を見始めました。筆者も猫を飼っていて、同じことを一晩中やられたことがあります。朝起きた時、猫の重みで肋骨が痛かったです。
ゲーム開始前のステージセレクト。現在の所「猫地獄1」しか選べません。ゲーム難度の選択は無いようですね。ステージですが、全部で15ステージあります。とりあえず最初のステージから行ってみましょう。
キーボードの場合はWASDキー、もしくは方向キーで自機のモーリを操作します。Jキーで弾を発射。ゲームパッドにも対応しているようなのですが、XBOXパッドで試した所、筆者の環境では動きませんでした。「JoyToKey」などのアプリを使って、キーボードのキーをパッドに割り当てるのがいいですね。
攻撃は弾以外にも、Kキーで「ひっかき攻撃」ができます。射程は短いですが、敵の緑色の弾を掻き消したり、敵のバリアを破壊したりすることができます。特にバリアは通常弾が通らないので、ひっかき攻撃が重要になってきます。
画面にツタなどの障害物が現われ、行く手を遮ることもあります。弾かひっかき攻撃で壊すことができます。自機の当たり判定が分かりづらいのと、プレイしたばかりで慣れていないというのもあり、敵の攻撃がどうもかわしづらい。
まだ1ステージですが、敵の攻撃が激しくなってきました。奥にいるバリア持ちの敵が面倒です。画面左上にあるハートマークは「ライフ」で、すべて無くなると1機失われます。3機失ったらゲームオーバー。
何だかんだで3機失い、ゲームオーバーになってしまいました。途中コンティニューは無く、ステージの最初からやり直しです。シューティングが苦手な人には、このシステムは厳しいかもしれません。
自機のパワーアップ!
ステージ選択画面の左下にフィレットのアイコンがあり、それを押すとステータスアップのできる画面になりました。フィレットマークを消費して、ライフアップや攻撃力アップができます。ゲーム開始時に10もらえたので、これを使いましょう。フィレットマークは、ゲーム中に取ることで増やせます(ただしステージクリアしないと入手できません)。とりあえずライフを増やしておきます。
敵を倒した時や、敵の弾をひっかき攻撃で掻き消した時に、緑色の玉が出てくることがあり、画面左上のメーターが1つチャージされます。10になると、Qキーで「スーパー状態」に変身することが可能。メーターが0になるまでの時間、攻撃力や弾速が上がります。先程ゲームオーバーになった所までたどり着いたので、スーパー状態になって一気に撃破しました。
自機の弾は直線に飛ぶ物だけでなく、拾ったアイテムで変化することがあります。画像は3方向弾です。広範囲に攻撃できる上、大きなボス敵には一回で3発当てられるので便利です。他にもブーメランショットや貫通弾もあり、敵を倒した時に出てくるアイテムでパワーアップしていくことができます。
1ステージのボスであるフクロウの登場。太い拡散レーザーのようなものを放出してきます。突進攻撃もあるので注意。3方向弾があるので、敵の正面に回らなくてもいいのは楽ですね。
左上のメーターが4貯まった時にUキーを押すと、画面全体を攻撃する巨大な火の玉を発射します。他にもメーターが5貯まった時にIキーを押すと、画面内の敵の弾をすべて消滅させることができます。
ボスを撃破して勝利!ステージ1クリアです。ステージ中に入手したフィレットマークは、前述したステータスアップのストアで使用することができます。シューティングが苦手な人は、とりあえず同じステージを周回して、フィレットマークを稼いで自機をパワーアップさせるのがいいでしょう。
猫地獄最終章!
次のステージである「猫地獄2」へ行こうと思ったら、ステージ選択画面の下に何やら見慣れぬアイコンが出てきました。「Lv1」と書かれていますが、何かよく分かりません。とりあえず選択してみます。
ボス戦オンリーのステージが始まりました。相手はヤマネコか何かでしょうか。それほど強くなく、撃破してステージクリア。クリアしてしまうと、ステージ選択画面に表示されていたアイコンは消えてしまいました。一度しか戦えないようですね。ただステージクリアを続けると、レベルの上がったボスが再登場します。
ステージ2に当たる「猫地獄2」をプレイ。ゲーム開始時は、スクロール方向が縦になっています。そう言えば『沙羅曼蛇』も縦スクロールがありましたね。ただ本作では、自機の弾は横にしか飛びません。
左上のメーターが5つ貯まったときにIキーで発動出来る、敵の弾を打ち消すスキル。避けられそうに無い時に発動するといいでしょう。本作は、弾が画面を埋め尽くすような弾幕シューティングではなく、開発者の好きな古典的シューティングの雰囲気ですね。
操作にも慣れてきて、ステージ2のボスまで特に難なくたどり着きました。当たり判定が大きいので、火力集中で一気に撃破してステージ2もクリア。フィレットマークも貯まったので、ストアでさらにパワーアップさせましょう。
ステージ3の「猫地獄3」は、猫地獄の最終ステージに当たります。敵の攻撃もそこそこ厳しくなってきました。ステージの途中にあるフルーツを取ると、ライフを回復させることができます。死ぬとショットのパワーアップが失われてしまうので、ボス戦まで死なないようにしたい所です。
猫地獄ラストのボス登場。中央から襲ってくる巨大な猫以外に、弾を吐いてくる猫が上下にいるので結構厄介。中央の猫は、正面に立って撃っていると、爪を振って突進してきます。ここで1機死に、パワーアップした3方向ショットを失ったことでずるずると死亡を増やしてゲームオーバー。『グラディウス』や『沙羅曼蛇』のように、一度死ぬと態勢の立て直しが困難ですね。
この後、ステージ2を再プレイしてフィレットマークを稼ごうとするも、ステージ2でもボスに敗れてゲームオーバー。初プレイ時は一発でクリア出来たのですが、やはりボス戦で死んでパワーアップを失うと厳しい戦いになります。さらに戻ってステージ1でフィレットマークを稼ぐことにしました。果たして筆者は猫地獄をクリアできるのか、それはさておき続きはぜひ自身の手でプレイしてみてください。
遊びやすいクラシックスタイルの横シューティング
本作は近年流行りの弾幕シューティング的な物では無く、開発者の好きだった『沙羅曼蛇』などクラシカルな横シューティングに仕上がっています。難度選択はありませんが、ストアを利用して自機をパワーアップさせることにより、時間を掛ければ初心者でも何とかなるのではないかとは思います(たぶん)。
それとストアでのパワーアップですが、アドバイスとしてはライフを優先に増やしておくのがいいでしょう。特にボス戦で死ぬとショットのパワーアップが無くなってしまい、その後の立て直しが厳しいため、ライフを多くしておくに越したことはありません。
ゲーム自体は遊びやすいので、シューティングが好きだけどあまり得意でない方でも楽しめると思います(ステージ3以降は厳しくなりますが)。イラストも可愛いので、興味のある方はぜひプレイしてみてください。
製品情報
開発・販売:WOWOH CAT、Medusasgame
対象OS:Windows
通常価格:620円
サポート言語:日本語、中国語(簡体字)、英語など6カ国語
Steamストアページ:https://store.steampowered.com/app/1280380/Mooliis_Dreamland/