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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回はRejected GamesとPlayWay S.Aが2021年3月19日にリリースした地下シェルター建設シム『Mr. プレッパー』について生の内容をお届けしたいと思います。
『Mr. プレッパー』とは?
もし、核戦争により世界が荒廃したら。未曾有の自然災害により住む場所を失ったら。そして、もしも未知のウイルスが地球上に蔓延したらあなたはどうしますか?
そんなもしもを想定して事前に準備に取り組んでいる人がいます。彼らの名前は「プレッパー」。英語の「prepare」を由来とし、「備える人」を意味します。本作では、空中核戦争の危機を察知した主人公「Mr. プレッパー」が終末世界を生き残るべく、地下シェルターを構築していくサバイバルシミュレーションゲームです。
プレイヤーは森や炭鉱に赴き材料を集め、時には近隣住民との取引を行い、来る日のために地下シェルターを拡張していきます。パッと見た感じではすでに核戦争が起きてしまった世界を舞台にした『Fallout Shelter』を彷彿とさせますが、さっそくプレイして内容を確認してみましょう。
『Mr. プレッパー』またの名を自己防衛おじさん
政権交代後、町にはプロパガンダが溢れ人々の思想は統一されようとしていました。かつての自由の国はもはや面影がなく、偽りに満ちています。そして、空中核戦争が近々勃発しそうな気配を察知した主人公は国外脱出を目論みます。
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しかし、秘密警察の追跡からは逃れられず脱出は失敗。車も押収され、保護観察処分となってしまいました。今後は月に数回、政府職員が模範的な市民として生活しているか視察をしに来るようです。
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この国の市民は政府のコントロール下に置かれています。従わない者は消されます。このままではまずいと考えた主人公は秘密裏に行動を起こします。つまり「自己防衛、備蓄、あと海外移住、国外脱出だよね」。
自己防衛おじさんことMr.プレッパーは考えました。バレずに国から脱出するにはどうしたらいいのか。そしてひとつの答えにたどり着きます。そう、地下シェルターです。
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終末論者と言えば地下シェルター。そのくらい切っても切り離せない存在でしょう。現在、アメリカでは300~400万人のプレッパーがいると言われており、最近ではオランダで10年近く地下から出ず生活していた家族が発見されたことが話題となりました。『DEATH STRANDING』や『ファークライ5』などのゲームシーンにおいてもプレッパーは登場しており、現代ではもはやマイナーな存在ではなくなりつつあります。
バレずにシェルターをつくろう!
本作は2.5Dのサバイバルゲームです。主人公には画面上部に表示される睡眠と体力のパラメーターがあります。睡眠はベッドで眠ることで、体力は食べ物を摂取することで回復します。
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そしてこれらの数値は準備値に影響します。準備値は主人公の作業速度に影響し、0になると気絶してしまいます。その名のとおり、クラフトや取引などの準備をする行動で回復していきます。
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それではさっそく地下シェルターをつくってみましょう。画面下部に表示されている家のアイコンをクリックし場所を決めます。作業時間が経過すればそこはもうあなただけの秘密基地です。
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しかしこれだけではただの空きスペースです。そのため、シェルターに必要なものを作成するために作業台を修理していきます。アイテムを製作するためには素材が必要。素材の取得方法は大きく分けて3つあり、1つ目は家具を作業台で解体することです。この方法が一番手っ取り早いですが、家具は後述する理由により必要となるのであまりオススメ出来ません。
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2つ目は近隣住民との取引です。玄関前に設置されているポストからトレードマップにアクセスし、近隣住民やスーパーマーケットからアイテムを購入できます。各キャラクターには信頼度が設定されており、取引を重ねるとレベルが上がり品揃えが増えていきます。また、相手が求めているものであればこちらからも販売できるので、余っているものがあればどんどん売りつけましょう。
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そして3つ目は探索です。玄関前の案内標識にアクセスすると様々なエリアへと向かえます。探索ではそこでしか入手できないアイテムを探したり、人々とコミュニケーションがとれます。
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さて、そんなこんなで作業台を修理しシェルターにライトと梯子を追加しました。これで最低限の部屋にはなったでしょう。
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翌朝目が覚めるとインターホンが鳴り響きスーツ姿の男性が立っていました。核シェルターへの入居権当選を伝えに来たVault-Tecスタッフでしょうか?
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「ドアを開けなさい、エージェントだ」そう言うとづかづかと家の中に入ってきました。そうです、まだ朝7時前というのに仕事熱心な彼こそが、保護観察処分中の主人公の視察へと来た政府職員です。
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もちろんこんな時のために地下シェルターの入口は隠蔽済みです。安心安心。
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うん?
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あれ?
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調査結果が出ました。疑惑度100%。ダメみたいですね……。
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自給自足をしよう!
どうやら先程の逮捕は不審なアイテムが家に多すぎたことが原因のようですね。視察の結果に表れる疑惑度は不審なアイテムが多すぎる、または家として最低限の家具がないと数値は上昇していきます。そして今回のように100%まで上昇するとお縄につくことになるので注意しましょう。どうしても設置したい場合は地下シェルターに置いておけばバレません。
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さて、気を取り直して探索に繰り出します。各エリアを訪れると問題を抱えた人々と出会うことが。彼らと話をするとクエストが発生するので解決してあげましょう。信頼する人物に足ると判断されれば、きっといい取引相手になってくれるはずです。
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困りました。食料が底を突きました。原因は常温で放置したことによる腐敗。冷蔵庫からいちいち出し入れするのが面倒だったので全部持ち歩いていたらこうなりました…。
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こうなったら仕方ありません。地下シェルターに畑を作って自給自足を目指しましょう。畑で使う土はシェルターを拡張するための採掘で入手できます。次に土を設置し種を蒔きましょう。種は家の棚の中や取引で入手できます。
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しかし、ただ埋めるだけでは作物は育ちません。種を蒔いたら収穫出来るまで定期的に水を撒く必要があります。もちろん光合成のための光源も重要です。まっくらなシェルターでは作物は育たず、また光源の明るさも作物の生育速度に影響します。絶妙にリアルですね。
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となれば畑一個ずつにライトをつければいいのでは、そう考えライトを増設しようとしたところ……
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停電しました。まだまだ自給自足シェルター生活の先は長そうです……。
近い未来のもしもの世界。備えあれば患いなしですが近年では新型コロナウイルスの影響もあり、海外のプレッパー専門ショップが盛況のようです。
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本作ではそんなプレッパーをコミカルに描き、0からコツコツとシェルターをつくっていきます。シェルターを拡張するには素材を自分で集めに行かなければなりません。そのためゲームの進行はゆっくりとしており、さらに序盤は金属を多数要求されるので集めるのに苦労しました。
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作業台をレベルアップすると作れるアイテムの種類も増え、金属を精錬するためのかまど等も作れるようになります。
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現状では1日の時間が短く、アイテムの分解やクラフト、シェルターの拡張など何をするにも時間を消費するので、あっという間に1日が終わります。また睡眠ゲージの減少も早く、ブーストアイテムを使用しない場合昼寝を繰り返すことになるので、テンポの悪さも目立ちます。
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嬉しいことに日本語翻訳は実装されていますが、クオリティはあまり高いとは言えません。文字抜けも多く雰囲気でなんとなくわかる程度です。
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多くの建設シムでは部屋の拡張などがメインとなっていますが、本作はシェルターの拡張と探索、人々とのコミュニケーションのバランスがよく単調な作業にはなりません。むしろやるべきことが多く、タスクに追われます。
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本作が気になった方は、Steamにて体験版も配信されているのでプレイしてみてはいかがでしょうか。来る日に向けて地下シェルター……とまではいかなくても、非常バッグくらいは備えておいた方がいいかもしれませんね。