気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Black Eye GamesとFishTankStudio開発、PC向けに5月18日にリリースされた後方支援サバイバルストラテジー『Siege Survival: Gloria Victis』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、早期アクセス中のMMORPG『Gloria Victis』のスピンオフとなるサバイバルストラテジー。リアル調の中世ファンタジー世界を舞台に、プレイヤーはイスミール軍から逃れた民間人となり、落城間近の城内で後方支援を行います。日本語にも対応済み。より詳しいゲーム内容はプレイレポをご覧ください。
『Siege Survival: Gloria Victis』は、2,570円(5月26日までは20%オフの2,056円)で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。
Bartosz Idzikowski氏(以下Bartosz)こんにちは。Black Eye GamesのBartosz Idzikowskiです。本作では、プロジェクトリードとナラティブデザイナーを担当しました。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Bartoszすべては私たちのデビュー作であり、2016年にSteamでリリースされた中世オープンワールドMMORPG『Gloria Victis』から始まりました。本作のアイデアは、このMMORPGでカタパルトやレビュシェットを使った包囲戦のプロトタイプを作っているときに生まれたのです。私たちはすぐに、これだけで一本のゲームになるほどのポテンシャルがあることに気づきました。
しかし、私たちは小さなインディーゲーム開発スタジオであり、MMORPGの方のアップデートも毎週行っていました(現在もしています)ので、出来ることは多くありませんでした。そんな中、経験豊かな別の開発者グループが、『Gloria Victis』のIPを使って新しいリソースマネジメントゲームを作りたいと私たちにコンタクトしてきたのです。私たちはそれを了承し、開発は2018年5月に始まりました。それからしばらく経つと、そのチームも正式にBlack Eye Gamesの一部となり、本作が誕生したのです。
――本作の特徴を教えてください。
Bartosz強靭で恐れることのない戦士目線で戦争に身を投じるゲームは数多くありますが、公務員や看護師、近くの宿屋のウェイトレスのような民間人目線のものは多くありません。本作おいてプレイヤーは兵士ではなく、食料、武器、薬と言った、兵士たちが必要とするものを提供するのです。中世の戦争において発生する絶望、飢餓、負傷といった様々な困難に向き合いながら、この任務を成し遂げなくてはなりません。
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――本作が影響を受けた作品はありますか?
Bartosz私たちは全員ゲーマーですので、みんな素晴らしいゲームが大好きです。特に『Frostpunk』や『This War of Mine』と言ったサバイバルジャンルは難しいテーマを扱っていることから、特別な思い入れがあります。
しかしある1本の映画が、サバイバルゲーム以上に本作に大きな影響を与えています…「アイアンクラッド」です。勝ち目のない大軍を相手に、守りに徹すると言う雰囲気のある奥深いストーリーが特徴の作品です。この映画のテーマは「最後の抵抗」であり、これが私たちにとって大きなインスピレーションの源となりました。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Bartosz私たちはこのパンデミックの始まりを比較的スムーズに乗り越えられたと思います。MMORPGをSteamでリリースする以前から、私たちはリモートで開発を行っていました。そのため、このような働き方に慣れていたのです。また、私たちチーム全体が熱烈なゲーマーの集まりですので、このプロジェクトに携わることはまさに「愛の労働」だったと言うこともあり、スムーズに進みました。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫でしょうか?
Bartoszはい、大丈夫です。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Bartoszお体を大切にし、家の中で遊び、生き延びて(サバイブして)ください。この壁を突破させてはいけません!
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に400を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。