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THQ Nordicより、PC/PS4/Xbox One向けに発売されたケモノオープンワールドRPG『バイオミュータント』。文明崩壊後の世界を舞台に、主人公が戦闘や人々との交流を行い、やがて世界の命運を握ることになる旅の物語が描かれる作品です。
本作の開発が発表されたのは2017年のこと。開発を行った「Experiment 101」は、過去に『ジャストコーズ』や『マッドマックス』などの作品に携わっていたStefan Ljungqvist氏が設立したスタジオです。
本作の主役は、この世界に適応して生まれた動物たちのような見た目の「ミュータント」たち。彼らはそれぞれの生活を持ち、世界を救う、あるいは世界をその手に収めるためなどの目的を持って群れや個人で生活しています。プレイヤーは、彼らと交流して協力することも、独自の道を歩むこともできる自由な存在です。
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本稿では、いよいよ発売となった『バイオミュータント』のプレイレポートをお届け。圧倒的自由な世界の冒険、ポストアポカリプス世界に銃&格闘技の戦闘、ロボットまで登場するワクワクする本作の魅力を紹介していきます。
なお、本プレイレポは開発版で行っています。そのため、製品版と一部表現などが異なる可能性があるのをご了承ください。
種族やスタイル、見た目まで!キャラクリエイトがすごい
まずはプレイヤーの分身となる主人公の作成です。本作のキャラクリエイトは「種族」「クラス」など、ゲーム中の能力に関わる部分のほか、毛皮のパターンや毛の色まで細かく設定可能。自由自在に、理想のキャラクターを作り出すことが可能です。
種族によっては、本作のステータス「腕力」「俊敏性」「知性」「カリスマ」「生命力」の得手不得手が存在。ステータスは戦闘でのダメージ量のほか、知性が高ければミニゲームで手数が増えるなど、ゲーム内のさまざまな場面に影響を及ぼします。
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クラスでは銃器の扱いが得意な「デッドアイ」「コマンドー」、近接攻撃に長ける「サボター」、防御力の高い「センチネル」、特殊攻撃を使用する「サイフリーク」の5種類が存在。それぞれのクラスで初期スキルが異なるのですが、最初はあまり悩まず「かっこいい!」と思ったクラスを選んでも問題ありません。
本作では、戦闘でのレベルアップや収集アイテム入手により、ステータスやスキルを自由に伸ばすことができます。そのため、初期に設定した種族やクラスの得意分野を伸ばすことも、バランス良く育成してあらゆる場面に対応させるプレイスタイルも可能です。
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カリスマ特化の交渉上手プレイから、戦闘力特化にした己の力のみで突き進む覇王のようなプレイも可能な本作。カスタマイズは自由自在なので、最初のキャラクリエイトは「理想のケモノ主人公」を作るくらいの気軽さで、見た目にこだわるのもおすすめです。
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主人公は過去の記憶なし?気になるストーリーにも注目!
プレイ開始直後、移動や戦闘のほかマップ内の探索アップグレードなどを学べるチュートリアルが用意されています。本作は、ストーリーを進めることで新たな要素がどんどん追加されていきます。大切なことは親切な説明が用意されているほか、インタラクトできそうな部分はしっかりと表示されるので移動や探索で迷うことは少ないと思います。
チュートリアルでは、最後に車椅子の老人ケモノ「アウト・オブ・デイズ」に出会います。彼は主人公のことを知っているようですが、主人公は過去の記憶を失っているようです。本作では、失っていた主人公の記憶を思い出す形式で過去の世界を体験するパートが用意されています。そこでは彼の両親や大人たちの思い出が語られ、主人公の目的や存在が説明されていきます。
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アウト・オブ・デイズの説明によると「生命の樹」と呼ばれる植物が枯れそうになることで、世界が滅びゆく運命にあるようです。滅びを止めるためには4体の怪物「ワールドイーター」を倒さねばならず、現在彼の仲間たちが対抗手段を用意しているようです。「ワールドイーター」の打倒が本作のゲーム目標でもあります。
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チュートリアルが終わり、ある程度話を進めることでプレイヤーは広大な地上へ移動。いくつかのクエストを終わらせることで、ここからは自由な旅の始まりです。まずは、たっぷりと緑が生い茂る美しい世界を堪能しましょう。とは言え、世界には敵対するケモノや怪物もいるので身を守る術も覚えましょう。
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頼れる格闘術「ワン・フー」を極めろ!
主人公は、近接武器と銃を組み合わせた格闘術「ワン・フー」の使い手。ゲーム開始時点は剣と片手銃しか使用できませんが、ゲームが進んでいくごとに新たな武器や技術を入手して戦闘スタイルはより多彩になっていきます。もちろん、回避や防御などの行動も重要です。
近接武器には片手剣や両手剣のほか、巨大なグローブなどの種類が存在。銃ならハンドガンやブーメラン、ショットガンなどもあり、それぞれの武器に独自のコンボが用意されています。剣や防具の一部装備は、ゲームのカスタマイズ画面からパーツの付け替えも可能。剣は性能はもちろん、見た目も大きく変わります。
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また、主人公は短距離ダッシュや、踏んだ相手を上空に打ち上げるキノコ出現、周囲に氷を発生させるなどの特殊能力が使用可能。使用のためにはアンロックが必要ですが、非常に強力なサイキック能力とワン・フーの組み合わせは主人公の旅の大きな助けになるでしょう。
戦闘時に3種類の異なるコンボ技を成立させることで、主人公は必殺の“スーパーワン・フー”を発動できるようになります。発動時は一定時間ですが専用技が使用でき、一方的に相手を射撃する、周囲の敵すべてを攻撃するなどの強力な攻撃を繰り出せるようになります。もちろん完全無敵というわけではないので注意は必要です。
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主人公はレベルアップで上記の技や特殊能力のほか、世界の汚染環境への耐性や「敵がアイテムを落としやすくなる」などのスキルも取得可能。アンロックにはそれぞれポイントが必要になるため、自身のプレイスタイルに合わせて主人公とワン・フーを強化していきましょう。
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物語は自分で選べ!ロボットにも乗れるぞ!
主人公の目的が、世界の崩壊を食い止めるために4匹の怪物を倒すことはすで述べました。もちろんそれは最重要課題なのですが、本作はその目的を無理に急がせる要素はありません。そもそも主人公は記憶もなく、彼が幼い頃に住んでいた村も壊滅している状態。世界を救う存在としてはあまりに弱いのです。まずは、世界を旅して自身の強化や人脈を広げていくのが大切です。
ゲーム開始すぐの場所に、(一般的な見地で)善・悪の目的を掲げており、対立している「トライブ」が存在しています。「トライブ」に所属することでNPCと交流したり、ワン・フー用の武器を入手することもできるので、まずはどちらかの「トライブ」に加入するのがおすすめです。
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本作ではNPCとの会話時の選択によって、主人公の心の有り様を決める「光」「闇」のポイントを獲得。これは主人公の考えが善か悪かを判断するもので、NPCはその属性に対応する話やストーリーの導きを行ってくれます。また、属性によって入手できる特殊能力も異なります。
しかし、ここまで紹介してきた行動はゲーム内のほんの一部の選択でしかありません。トライブなんて気にせずにいきなり世界銃を巡っても自由ですし、「ワールドイーター」を倒すためにひたすら修行するのも自由です。冒険をしていてふと、その広大で美しい風景に心を奪われることもあると思います。
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汚染には文明の名残で対抗。
武侠映画やSF、ポストアポカリプスなどさまざまな世界観をごった煮にしている本作。美しい森が茂っていると思えば、ちょっと歩けば汚染された荒野が広がっています。そしてその汚染された世界を冒険するためにロボットに乗ることも!物語を進めれば進めるほどワクワクする要素が増えていく、それが『バイオミュータント』という作品の魅力なのです。
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ここまで紹介してきた『バイオミュータント』。その美しくも汚染や破壊の跡が見える世界の冒険は、オープンワールドゲームとしての魅力にあふれています。ワン・フーによる多彩な戦闘スタイルやカスタマイズ可能なさまざまな要素など、ゲームを飽きさせない工夫に溢れたデザインです。
ゲーム内容は非常に自由な行動を可能にするだけでなく、道に悩んだプレイヤーを助けてくれるようなNPC会話などサポートも充実。主人公の過去を追憶するストーリーや、ゲーム内のさまざまな場所で提示されるこの世界の成り立ちなど、魅力的な世界観をより鮮明にさせてくれるような演出なども必見です。
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『バイオミュータント』は、PS4/Xbox One向けに5月25日、PC(Steam)向けに5月26日発売。現在公式サイトでは、ゲーム内の日本語修正を含む今後の予定などを明らかにする「よくあるご質問」も公開中です。
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