気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回はA.Y.std開発、PC向けに5月28日に正式リリースされたファンタジーサバイバルRPG『Force of Nature 2: Ghost Keeper』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、様々なジャンルの要素が詰め合わされたファンタジーRPG。サバイバル、サンドボックス、アクション、アドベンチャー、RPG、ストラテジー、資源管理の要素を楽しめます。ランダム生成されるマップや昼夜/天候システム、クラフトやサイドクエスト、2つに分岐するエンディングなども特徴です。記事執筆時点では日本語未対応。
『Force of Nature 2: Ghost Keeper』は、1,640円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。
Artemウクライナ・ハルキウ出身のArtemです。今はロシアに住んでいます。元々、大学に通うためにモスクワに引っ越したのですが、ここ数年はロシア国内のあちこちを旅しています。
私は今33歳で、妻と娘と一緒に暮らしています。音楽を聴いたり絵を描くのが趣味で、ゲーム開発という私の仕事にはぴったりの趣味です。アクション、ストラテジー、シューティング、レース、ホラーなど、あらゆるジャンルのゲームが好きで、一つを選ぶことはできません。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Artem初めてプログラミングの授業を受けた高校以来、私はゲーム開発を行なっています。しかし、本格的なゲーム開発に取り組み始めたのは、プログラマーとしての実務経験を得た後になります。これまでに10本ほどのゲームを作ってきましたが、今販売されているのは3本になります。前作『Force of Nature』、その続編である本作、そして小さくても中毒性のあるパズルゲームで、私が友人の手伝いをした『Seven Red Lines』です。
前作を作り始めたきっかけですが、ある時ふと「自分にもゲームを作るための知識やスキルがあるじゃないか」と気づいたのです。当時、私は『テラリア』を遊んでいたので、「自分でも同じようなゲームが作れるんじゃないだろうか」と思い、開発をスタートさせました。
続編である本作の開発は、2017年の夏に開始しました。本シリーズ開発の経緯については、ブログ(英語)で詳しく書いていますので、お読みいただけると幸いです。本プロジェクトにはおよそ10人が関わっています。かなり部分的に手伝っていただいたりもしているので、正確な人数ははっきりと言えません。アシスタントの中には、友人に手伝ってもらったりしている人もいるようです。
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――本作の特徴を教えてください。
Artem特にクラフトが特徴的だと思います。本作はファンタジーな世界が舞台ですが、クラフトはとても論理的でしっかりと作り込まれているのです。また、UIもかなり丁寧に作られていますよ。本作はとにかくコンテンツが満載です。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Artemたくさんのものから影響を受けています。本でしたら、ジュール・ヴェルヌの「神秘の島」「十五才の冒険船長」「グラント船長の子供たち」、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの「宝島」、ダニエル・デフォーの「ロビンソン・クルーソー」。映画でしたら「The New Swiss Family Robinson」「ジャングル・ジョージ」「レヴェナント: 蘇えりし者」。ゲームでしたら『マインクラフト』『テラリア』。サバイバル関連のYouTubeチャンネルからも影響を受けています。
しかし何より、本作の発端は旧ソビエトのカートゥーン「Treasure Island」です。子供の頃、一番好きなカートゥーンでした。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能でしょうか?
Artem本作の翻訳はすべて有志により行われています。日本語訳も喜んで採用したいと思っていますので、もしお手伝いしていただける方がいらっしゃいましたら、ぜひ私に直接ご連絡ください(メール)。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Artemそれほどありませんでした。私はほぼ自宅から開発を行なっていますし、お手伝いいただいた方とは全員オンラインで連絡を取り、彼らも全員自宅から作業をしていました。とは言え、新型コロナが本作の開発にまったく影響を与えなかったとは言えません。アシスタントのうち数人は新型コロナに罹患し、開発が一時停止してしまったりもしたのです。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫でしょうか?
Artemはい、配信していただいて問題ありません。著作権の問題もありませんので、本作の音楽も配信していただいて大丈夫ですよ。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Artemぜひゲームをたくさん遊んでください。でも勉強や自分磨きも忘れないでくださいね。良い数学の授業やコンピュータ教育を受けられたからこそ、私も自分の好きなことを実現できました。
私はまだ残念ながら日本に行ったことがないのですが、私の妻は日本で学びましたので、今年の冬には家族で日本を訪れたいと思っていました。しかし、パンデミックによってその計画も頓挫してしまったのです。
私はたくさんのゲームをプレイしますが、それらのゲームがどこで作られたかはほとんど気にしません。それでも、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』『サイレントヒル』『バイオハザード』シリーズは大好きですね。
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に400を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。