気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、DreamSmith Studio開発、PC向けに6月18日にリリースされた2Dパズルアクション『Monobot』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、可愛らしいロボット「モノボット」を操る2Dパズルアクション。パズルを解き、道を切り開き、強力なアップグレードを発見しながら、人類衰退の謎を解き明かしていきます。キャラの見た目に関わらず、硬派なストーリーが特徴。日本語にも対応済みです。
『Monobot』は、1,520円(6月26日までは15%オフの1,292円)で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。
Robert Jiang氏(以下Robert)こんにちは。DreamSmith Studioを設立したRobert Jiangです。中国・深圳市を拠点に6人で活動している小さなチームです。私たちはゲーマーかつSF愛好家の集まりであり、メンバー全員がこれまで何年間もゲーム開発に従事してきました。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Robert私が今までプレイしてきたゲームの中で一番好きなのは『Mass Effect』ですので、あのようなスペースオペラを作るのがずっと夢でした。2014年頃、私は壮大なSFユニバースを思いつき、この思いつきから私はキャリアを変えたのです。ゲームプログラマーとして働き始め、ゲーム開発を学び始めました。
2017年4月、現在のチームメイトとなる4人と出会い、私たちはこのまだ発表されていないSF物語に夢中となり、これを世に送り出したいと思ったのです。それ以来、空いた時間を使って本作のプロトタイプを作り始め、2019年5月にこれが完成しました。仲間内でこれが良い評価を得ましたので、これに背中を押され、2019年7月に当スタジオが設立されたのです。完成版ができるまで、それから2年かかったことになります。
――本作の特徴を教えてください。
Robert本作一番の特徴は、「重力によってジャンプの高さに制限がかかる」というシステムです。ほぼすべての2Dアクションゲームにおいて、ジャンプというのは最も基本的なアクションの一つです。しかし、本作ではそれに制限がかかっているのです。プレイヤーキャラは室内(重力100%)ではジャンプできず、外(重力30%)でのみジャンプすることが可能です。これにより、まったく異なるパズルの解き方が必要になってくるのです。
また、障害物を突破する方法として、2つのアームスキルが用意されています。これも他のゲームではあまり見ない要素ではないでしょうか。
そして何より、本作のコアとなるのは、背景となる物語のユニバースです。ゲーム内に24の文書が散りばめられており、私たちの作り出した壮大な物語の最初の一欠片を垣間見ることができます。本作は、このユニバースの初めの一歩であり、始まりに過ぎません。巨大な一枚絵のほんの小さな一部分に過ぎず、まだまだお話したいことはたくさんあるのです。私たちの次のプロジェクトは、本作と明らかな繋がりがあります。
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――本作が影響を受けた作品はありますか?
Robert 本作のゲームデザインは、『LIMBO』と『INSIDE』から影響を受けています。私たちはPlaydead作品の大ファンなのです。また、本作の背景となる物語は『Mass Effect』シリーズと劉慈欣による三部作小説「三体」、そしてアイザック・アシモフの「ファウンデーション」シリーズからインスピレーションを受けています。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Robert新型コロナが広がり始めた頃、私たちは2ヶ月弱の間、自宅から作業をしなくてはなりませんでした。しかし私たちの国では比較的早く感染対策が取られたことから、開発への影響はそれほど長く続かなかったのです。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫でしょうか?
Robertはい、問題ありません。もっと多くの人に本作のことを知っていただきたいので、その助けになります。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Robert私たちは東京ゲームショウ2020において、「選考出展」として世界中の80のインディーゲームスタジオの一つとして選ばれました。また、Steam上で初めて海外から頂いた本作のレビューは、日本の「インディグ:インディーゲーム発掘隊」からだったのです。
日本の方々は私たちに栄誉を与えてくださり、ずっと感謝しております。日本は私たちが最も重要視するゲーム市場の一つです。英語対応が終わった後、真っ先に日本語ローカライズに取り掛かりました。日本の読者の皆さんに心から感謝していますし、本作を楽しんでいただけると嬉しいです。
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に400を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。