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前回、というか先日の月曜日。サマーセールおすすめのタイトル!と題してその実、気の狂った怪文書をネットの大海原に放流し、読者の皆様を困惑させたこちらの特集。
ライターによるお目汚しというか「オメェいい加減にしろし」という感じの内容だったにもかかわらず、ゲムスパ編集部は懐が深かった……。読者の皆様からも多くの共感を頂戴したことで、残りの紹介タイトルも書いて良しとGOサインが出ました。そのため今回もライターの愛してやまない偏りのラインナップでお届けしてまいります。
先に断りを入れますと、今回並ぶタイトルも、おそらく大抵の人には「面白いよね。うん……でもそこまで狂う……?」となるはず。
この背景には、僕は生まれた時からどんぶり飯……じゃなかった、ゲームに触れてきたわけではなかったことが関係してると思われます。どういうことかと申しますと、実家がゲームに対して非常に厳しい目を向けていたので、実際に様々なタイトルを遊び始めたのは、年齢を重ねて自由な金を使えるようになってから。そのため、「おめぇそれ義務教育だぜ!?」という名作を「“安室”と“シャー”が戦う話でしょ!知ってる!」という言葉で返すことしばしばで、その噛み合わなさから、それはもう友人達からヒンシュクを買ったものでした。その上で、自分が遊んできたゲームから、特に好きなものを挙げていくと、たいていは「お前の趣味は……わからない……」と言われるのがオチ。
そういう意味で、前回しかり、こうして趣味全開の記事を書かせて貰えるのはとても意味があることだと感じます。なんせネットは広大……必ずどこかの誰かには届いて刺さり、そうよねそうよねと頷いてもらえるはず……。言い訳と前置きが長くなりましたがやってまいりましょう。大丈夫、今度こそ軽く……そう……かる~くまとめて紹介できているハズです。
ちなみに今回取り上げるタイトルは以下の7本。
Ikaruga
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さっそく冒頭の言い訳を使う時が来ました。本作は当時のゲームセンター、またはその後のコンシューマ機で熱中していた思い出深いタイトル……ではなく、2014年Steamリリース時に目を奪われて初めてプレイした次第です。しかも同時期に、川上稔氏の小説「連射王」をちょうど読了したばかりで、興奮状態にあったのがいけなかった。初見ノーダメクリアを目指して……それはそれはもう狂ったように遊んだゲームでしたね。
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縦スクロール型のSTGで、敵の属性に自機の属性を合わせることで、敵からの攻撃を吸収できるというシステムが本作の特徴。属性は「白」と「黒」の二種類あり、その切り替えはプレイヤーがいつでも好きなタイミングで行うことが可能です。ネットに動画を上げている変態……じゃなかった達者なプレイヤーたちの動きは次元が違いすぎて参考にできません。しかし敵が色のまたたきと共に鮮やかに沈んでいく様子は、まるで一種の芸術のようで美しいものがあります。
また、全体的に無機質な雰囲気とメカのデザイン……これが作品世界によく合っていると思います。これは僕が勝手に思っていることですが、本作は設定として世界観などガッツリ練りこまれている筈なのに多くを語りません。その代わりとばかりに、流れる背景や敵の配置にさりげなく情報を仕込むような設計……これが本当に大好きです。別作品ではありますが、小説「ゼビウスファードラウトサーガ」も涎が出るほど大好物ですね。
……なお、こんなに好き好き言っておきながら、ステージギミックの属性が交互に連続すると目が滑って混乱し、2面すらまともにクリアできないウデマエなのはここだけの秘密です。ドンキーコングの母とでも呼んでください(ギャグマンガ日和)。
LUFTRAUSERS
縦がダメなら横だ……しかもちょっと変わり種のな……ということで、おすすめなのがこちら。
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本作もアーケードスタイルのSTGで、プレイヤーは自機を操りますが、一枚でループ状に繋がっているマップで、次々に沸く敵と戦い続けるのが特徴。時間経過とともに敵は増え、その攻撃は苛烈を極めるため、非常に緊張感のあるギリギリなドッグファイトが楽しめます。好き。
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操作は潔いほどシンプルで上下左右移動と攻撃ボタンのみ。機体には慣性がかかるため、無理な軌道を描こうとすると旋回しきれず激突します。そのためボタンを細かくトントン叩くように押すことで、繊細なコントロールをしながら空を踊るようになり、その操作感が実に気持ちが良い。一方で敵も独特な軌道を描いて飛行し、また水上からは対空砲で狙ってきたりもします。そのためこちらの攻撃は当てづらく、確実にダメージを与えるには接近戦を仕掛けるのがベストで、なかなかにハイリスクハイリターンな戦闘を続けることになります。こちらの体力は時間経過によって回復するため、ある程度の攻撃はやり過ごしてダメージを受け流すことはできますが、基本的に一発貰うとそのままタコ殴りにされて撃墜のパターンが多いですね。
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そこをカバーするのが、本作もう一つの特徴である機体カスタマイズの要素です。ハイスコアや条件クリアで解放されていくパーツ類で、自分好みの機体に仕上げていくのがとても楽しい。パーツは武器、機体、エンジンという3つのカテゴリに分かれており、どんなに強そうなものを揃えたところで、自分が御しきれないと宝の持ち腐れで結局撃墜されてしまうというのが絶妙なゲームデザイン。
Banished
僕は仕事抜きにプライベートで遊ぶ際、ゲームがプレイヤーを殺しに来るような作品が大好きなので、どっしりと腰を据えて細やかな調整を続ける街づくり&管理系のゲームはやや守備範囲外。しかしながらトレイラー映像で何か心惹かれるものを感じた本作は、そのまま僕の心をつかんで離さず、気が付けば数時間が一瞬で溶けるほど楽しんでいました。
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本作は、様々な理由で追放された(Banished)人たちを導いて、新天地を開拓していくコロニーシミュレーションゲーム。中世的な世界観と郷愁を誘うBGMの調和が、見かけ上はおだやかなプレイ体験を提供します。まあ実際は、血も涙もない自然の摂理が容赦なく牙を剥くのですが……。それでもゲーム開始直後は文明も何もない土地が、たびたび全滅の危機に瀕しながらも、人々のたゆまぬ努力によって開拓が続けられ、ついには街となって産業や交易など盛んに行われるようになっていく様子には、とても大きな達成感を覚えます。
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また別の角度からの楽しみ方としては、建ち並んだ家々の、その家族構成にドラマを感じることにありましょう。15歳と13歳の男女が夫婦として暮らしているだと!?貴様!こちらは風紀委員会だ!!不純異性交遊は即Banishedしてやる!!!……というところへ、年齢が二回りも離れている男女カップルを見れば「彼氏はヒモかな?」とか「旦那の遺産狙いかな?」とか思ってしまうのは無理からぬこと。こういう邪推……じゃなかったホンワカした想像するのも非常に楽しい。
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ところで、こうして執筆している最中に、何故本作にここまで魅力を感じて遊び狂っていたのか、その理由がやっとわかりました。それは住民が油断するとすぐ大自然に殺されるから。ポポポポポポーン(効果音)と画面下部に、冬を越えられなかった住人たちの墓石マークが連発するのは何度見ても心が抉られますし、ひとっこひとりいなくなった開拓地の様は凄惨を極めます。僕はこれらに「ゲームがプレイヤーを殺しに来るような作品」の要素を感じて、ひとり、マウスを握る手に興奮の震えを走らせていたのでしょう。
Alan Wake
海外ドラマシリーズを見ているような感覚を楽しめるTPSスタイルのゲーム。チャプターごとに「ここまでのアランウェイク……」で、それまでのあらすじが流れるのはまさにそれ。プレイへのワクワク感も同時に掻き立ててくれる粋な演出です。この手法は、よりドラマティックに洗練され、後の作品である『Quantum Break』と『Control Ultimate Edition』にも受け継がれています。僕は全作品プレイ済み。全体的に甲乙つけがたいのですが、Xbox コントローラーと射撃の手応えのバランスが僕好みという点で『Alan Wake』が一番好きですね。これはもしかしたら初めてプレイしたのがXbox 360版だったので、その思い出補正もあるかもしれません。
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本作の舞台は、基本的に夜などの暗い場所。それにより登場する敵は闇をまとっているため、そのままだと銃弾が一切通用しません。闇を祓うには光を使えという教えは古今東西もじもじ君……そこで有効になってくるのがフラッシュライトなどの光源武器です。この戦闘スタイルは本作における最大の特徴でもあり、ライトで照らされた敵の闇はみるみる溶けていきます。そして闇が完全に祓われ全貌が明らかになったところへ、鉛弾をこれでもかと叩きこんで倒した時の気持ち良さときたら!!溜めて堪えて高まったところで解放する快感に近いものがあると思います。マジかよアラン!(CV:高木渉)
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そういえば吹き替えの声優さんによる声とお芝居の良さで誤魔化されていますが、ちょくちょく意外とこの大作家先生のやってることクソでは……?と脳裏にちらつきました。いやもちろん!アランの過去的に、致し方ない部分もおおいに共感できますが!
Prototype
2009年にリリースされた、バイオレンスアクションである本作。アメリカはニューヨーク、マンハッタンを舞台にしたオープンワールドで、主人公のアレックス・マーサーはひょんなことから記憶をなくし、人間ではありえないスーパーパワーを手に入れてしまいました。街は謎のウィルスによって化け物どもが闊歩し、逃げ惑う人々は哀れそいつらに襲われたり、感染して正気を失い同族化。それを制圧すべく軍が戦車やヘリでミサイルを乱射しているのでまさに地獄の様相。
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そこへさらなるカオスをお届けするのが我らが主人公のスーパーパワー。これは形態変身能力(シェイプ・シフティング)と呼ばれ、もう本当にやりたい放題できます。車より速く走るわ、むしろ車を掴んで投げるわ、ビルも駆けあがるわ、そのまま空を滑空して戦車に肘鉄かまして破壊するわとなんでもござれ。しかもこれだけに飽き足らず、そこいらの人間を殴り殺して自身の中に取り込み、相手の姿をそっくりコピーできるという驚異の能力を見せます。記憶が間違っていなければ、MOD導入したGTAを除いて、当時のオープンワールドでここまで大暴れできたものは他に無かったはず。
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すごいですよぉ……道行く人(NPC)に殴り掛かり、触手(?)を突き刺して吸収すると、アレックスがその姿になってしまうんです。そのうえで、攻撃力は据え置きなので絵面がただただひどい。ちょっと古い例えですが、『METAL GEAR SOLID 2 SUBSTANCE』のお遊び要素であるキャスティングシアターを見ている気分。ローズがRAYをP90で……!?ともあれ僕は謎の興奮に突き動かされ、ただひたすらブロンド美人を取り込んでは、一般人の振りをしてストリートを端から端まで歩くロールプレイを続けていました(スティック微傾斜)。
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また当時、友人たちに本作を熱心におすすめしていましたが反応は渋かった。「この汚いスパイ〇ーマンのゲーム面白いよ!」と例えたのがまずかったのでしょうか。「このゴアな星のカー〇ィめっちゃ良いよ!」と言えば良かったのでしょうか。いずれにせよ洋ゲー好きが周りにほとんどいなかったので、『HALO』シリーズに狂っていた時と同様ぼくはひとりでした。つらい。
Ys VI: The Ark of Napishtim
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この名作を今更おすすめするってことはオメェ余計なことを言ってみろ……シリーズファンから死をお届けされるぞ……という声が聞こえてきます。大丈夫、もう様々なタイトルでやらかして残機を減らしてますからね。大丈夫じゃない。
オリジナルのリリースは2003年で、僕がプレイしたのはSteam版がリリースされた2015年。この時点でずいぶんと間に開きがありますよね。これも、記事冒頭の言い訳にもつながりますが、僕のプレイ遍歴には時間が経ってから触れた往年の名作というのがしばしばありました。本作もそのひとつで、友人からは「俺なら記憶をなくしてもう一度プレイしたいと思うタイトルを、いま初プレイできるというのはとても羨ましい」と言われたり。
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主人公のアドルは、お約束の展開の末に、南国めいた雰囲気を持ったカナン諸島に流れ着き、そこで現地人であるレダ族と交流が始まります。ヒロインのオルハがドストライクでした……耳!!!イーシャちゃんも可愛いねぇ……青髪!!!!!!
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操作はシンプルで、剣を振ることで敵を倒すアクションRPGスタイル。その剣は特別で、風と炎と雷といった3つの魔法属性による攻撃も可能。その他防具やアイテムなどを組み合わせ、敵を皆殺しにしながらマップをうろつき、ボスを倒して攻略することで物語は進行します。ただしレベルが1つでも異なると、ボスにはほとんど歯が立たない上、雑魚敵ですら魂持ってく良いパンチを放ってくるので、十分なレベルに鍛えておきたいところ。
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このシンプルながらも命(タマ)の取り合いをするヒリついた感覚……繰り返しになりますが「ゲームがプレイヤーを殺しに来るような作品」という、自分の琴線をぴんぴん弾いてくれちゃうので大好きです。
Fairy Bloom Freesia
ふりい”い”い”じあぢゃんッ!!(本当にきたない声)
日本語タイトルだと『花咲か妖精フリージア』……本作は全人類の義務教育であるため今更説明する必要もないほどに皆様ご存じであることと思いますがもし何かの間違いで履修漏れがあるといけないのでここでは僭越ながら私がフリージアちゃんがいかに可愛いかをお伝えしましょういやどうやって表現したら良いんだふざけるな文章ごときで表現しきれるわけがないだろう私を馬鹿にしているのかSteamストアでフリージアじゃなくてFreesiaと検索しないと表示すらされないのは貴様どういうつもりだいいからとっととプレイしてあの健やかなワンピース姿から繰り出されるキレとしなやかさを兼ね備えた愛らしい四肢の動きを楽しみたまえ!!!!!!
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……正気に戻ります。フリージアちゃん……。戻れねぇ。本作は肉弾妖精無双アクションと公式のジャンル表記にもある通り、この可愛らしい緑髪の妖精が、肉体言語で敵を黙らせるアクションゲーム。基本的な流れは、各ステージの敵を殴る蹴るして次に進むというものです。攻撃によっては敵を吹っ飛ばすことが可能で、それによって複数の敵を巻き込んでダメージの連鎖に繋げると非常に爽快感があってよろしい。
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またステージ間にはインターミッションというご休憩(?)が設けられており、セーブをはじめ、ステータスの確認、スキルの購入/割り振りができます。強化には敵を倒すと手に入るマナを消費するため、どのようにフリージアちゃんを強くしていくのかを考えるのが楽しい。また雑魚敵相手にトレーニングも可能なので、コンボの練習にも最適なタイミング。一部のボス戦は、急に理詰めの動きが要求されるテクニカルな戦いだったりするので、積極的に利用すると良いでしょう。
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デベロッパーがえーでるわいす様だからか、特に戦闘スタイルは、後の傑作農業アクション『天穂のサクナヒメ』にも受け継がれています。もちろんそちらも狂ったように遊び、飛燕原理主義者として宙を舞っていましたね。そういえば最近、猫だけでなく犬も同時に抱っこできるというアップデートが実施されました。ふわふわじゃあ……ココロワ姫様も皆可愛いし、もう主題歌の「ヤナト田植唄・巫 ―かみなぎ―」が流れるだけで自動的に滂沱の涙が溢れるくらい好き。全部好き。あとさりげなくコラボ要素(?)もあって、ミルテの思い出話の中にはフリージアちゃん達と思われる人々が登場したりもします。リスティンは相変わらずだな!!
おわりに
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どうでしょう、今回は狂気に走ることなく、ほとんど正気を保ったまますべてのおすすめタイトルをご紹介できたことと思います。ちょっと大人しくなってしまったかもしれませんが、これぐらいがきっとちょうど良い塩梅というもの。
まだまだ続くSteamサマーセール、もしこの特集で興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、楽しく一緒に狂ってまいりましょう。次のセール特集をお許しいただけた暁には、またおすすめをご紹介できたら幸いです。それでは!