本作は、初見だからこそ味わうことができるプレイ体験が強いです。そのため本作に興味がある読者の皆様の中で、とりわけネタバレは一切見たくないという方におかれましては、すみやかにブラウザバックしていただけたらと思います。
本作は物語性が強く、作品を紹介する以上どうしても、いくつかの要素に触れなければならず、場合によっては、そこから先が連想できてしまうかもしれません。ここだけはどうしても避けて通れない部分なので、どうかご容赦頂ければ幸いです。
あと老婆心ながら、Steamストアの実績ページも見ない方が良いかもしれません。いやあもう、ある意味、上から順にネタバレのオンパレードでしたからね……。
最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”をモットーに、ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回はSeventh rankが開発を、PQube Limitedとroom6がパブリッシャーを担い、2021年07月16日にSteamにてPC(Windows)向けにリリースしたドットライクポストアポカリプスADV『World for Two』について生の内容をお届け。もともと2019年にiOS/Android、2020年にニンテンドースイッチで配信されていたものが、ついにPC版として登場したという経緯ですね。
『World for Two』とは?
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本作は、大洪水によってすべてが洗い流されてしまった地球が舞台。生命がほぼ絶滅した世界で、人類最後の生き残りである博士によって創られたアンドロイドを主人公として操作します。世界がこのような状態になっても、博士は生命を創ることで未来に繋げようとしており、主人公はその手伝いをしていくことになります。
言語はもちろん日本語完全対応。操作系は、ストア表示ではコントローラー対応でしたが、私のパソコンではどうしても反応しなかったので、今回はキーボード&マウスによって操作しています。WASDとZX、ESCがあれば事足りるので、左手のみの楽な姿勢でプレイすることも可能です。さっそくやってまいりましょう。
本編開始
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タイトル画面から先に進むとムービーが始まり、研究所のようで白衣で白髪の男性が何かの作業をしている様子が流れます。
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なんとアンドロイドを創っていたようです。
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次の研究に進むために助手が必要なようで、さっそく外にでて「自然エネルギー」なるものを回収してほしいとのことでした。ここからアンドロイドの操作が始まります。名前はまだない。
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ESCキーでメニューを開くと、壁画のような意匠でOPTION、MOVE、ITEM、BOOKといった項目が並びます。それぞれ設定、エリアファストトラベル、インベントリ、生命一覧に対応しています。本作のUIは本当にシンプル。無駄を省き、わかりやすいデザインに整えられているのが個人的に好感度が高いですね。
外の世界は美しかった
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研究所のエレベーターを上がって地上に出ると、それはそれは見事に描きこまれたドットライクの風景が広がります。ただしよく見てみると、エリア名は沼地。そこかしこに大災害によるものと思われる爪痕もあります。そして我々が慣れ親しんだ生命の姿はどこにも見えません。美しくありつつもどこか無機質な雰囲気です。
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マップは横スクロール方式で、地下にある研究所などを除いて、すべてのエリアは直線的に繋がって一周しています。アクションは、移動(歩く/走る)と、調査とこれまたシンプル。個人的にBGMが素晴らしいと感じます。主張しすぎず、それでいてマップの雰囲気によく合っており、世界によく溶け込んでいる。景色を眺めながら、どこまでも聞いていられますね。サウンドトラック(リンク先はSteamストア)もリリースされているので、気になる方はチェックしてみると良いでしょう。
星の火、装置を起動しよう
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さてそんな中で、研究所で見かけたものと似たような装置を見つけました。
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反応は無く、おそらくこちらから何かのアクションをする必要がありそうです。
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メニューからMOVEを選択すると、一度訪れたエリアへ一瞬で移動するファストトラベルが可能。ゲームが進むにつれ各エリアの往復が増えるため、この機能は大変便利です。
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一度研究所に戻り、「星の火」なるアイテムを入手しました。こういったアイテムの役割などは説明されるものの、それ自体がどういう経緯で生まれたものなのか?という部分はあまり説明されません。その代わりゲームが進むにつれ、世界について少しずつ明かされていくので、そこから想像することは可能。そういった部分を楽しめるのも本作の良いところですね。
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火が入った装置からは最大10個の「自然エネルギー」を回収できます。エネルギーは初回起動時にまとめて10個が取得可能。そのあとは時間経過(20秒程度?)で1個ずつ生成されていきます。研究所で作業していると、いつの間にか時間が過ぎているので、作業がひと段落したら回収に行く、というサイクルでプレイすると良いかもしれません。
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ちなみに、この青色の自然エネルギー装置を起動してから、ゲーム内の時間がゆっくりと流れ始めます。太陽や月が弧を描いて空を進み、朝、昼、晩で移り変わる景色。朝焼け、夕焼けも大変色鮮やか。空の様子が変ればエリアの雰囲気もまた変わる、これがとても美しいですね。
生命を創ろう
キーは人工DNA
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研究所に持ち帰った自然エネルギーを「DNA生成装置」に入れて、さっそく原始生命体のDNAを創り出しましょう。
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これは人工DNAと呼ばれ、ゲームの進行で、今後はより多くのバリエーションのDNAを創り出すことが可能になります。
はじまりは人工DNA同士
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先ほど創った原始生命体DNAを2つ組み合わせて、今度はこちらの「生物創造装置」に入れます。DNA生成装置と同様、生命との様々な組み合わせによって、最終的には60種類のバリエーションを創っていくことになります。
ただし最初は、何と何を組み合わせれば何になるといった予想はできません。なかには上手くいかない組み合わせもあり、その場合、選択したDNAは消費されてしまいます。手持ちがない時はまた生命を創り出し、DNA採取を繰り返さなければなりません。
そんな中で、現実の生物たちが、どのような過程で進化を遂げてきたのかを想像し、「ひょっとすると……?」で試した組み合わせが見事はまった時の喜びは大きい。なにより、この「選択」に対する判断と試行錯誤こそ、本作のプレイ体験を程よく引き締めて、面白くしている部分だと個人的に思います。
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ともあれ今回はアメーバという結果になりました。先ほどの沼地エリアに放されたとのことなのでさっそく見に行きましょう。
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エレベーターに向かうアンドロイドから目を背けて呟く博士。これは一体……?
DNAを採取しよう
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実際に創り出した生命からは新しくDNAを採取できます。そのためにはまず、DNA構造を把握するというミニゲームをこなす必要があります。
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ミニゲーム自体は簡単で、画像のように対になる色同士を合わせればクリア。一種のパズルゲームですね。どの色が何に対応しているのかは、画面右下のカラーチャートが教えてくれます。
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上の四角マスが白く染まればクリア。
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採取する際に注意しなければいけないのは、3回までという回数制限。画像のように、頭上に表示されたハートマークは採取一回ごとに削れていき、それが尽きると生命は死んでしまいます。
生命一覧を埋めていこう
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細かいあれやそれはまだありますが、とりあえず「新しい生命を創り続ける」ことが当面の目標になります。
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創り出した生命の種類が増えるごとに、探索可能なエリアが増えます。各エリアではそれぞれに対応した星の火で装置を起動することで、新しい自然エネルギーを得られます。沼地を含めて全部で4種類あり、組み合わせて人工DNAを創り、さらにDNAと生命を組み合わせて一覧を埋めていく……というのが、本作における基本的なゲーム進行の流れになります。
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自然エネルギーは上記以外にも、研究所の各装置を強化するために使用します。装置は星の火や人工DNAのバリエーションを創る際に必要なので、可能であれば序盤は自然エネルギーを多く集めて、一気に投資するとその後はよりスムーズに進行するかもしれません。
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また、攻略的な話をもう少しだけするなら、生命一覧において分岐の多い生命については、失敗込みで多めに用意しておくと良いでしょう。自然エネルギーしかり、最初にある程度集めておけば、以降はDNA採取の度にちょこちょこっと回収するだけで、枯渇することはあまり無いはず。
おわりに
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最初はアンドロイドである自分以外は誰もいない、ただ剥き出しの自然がそこにあるだけでした。それが少しずつ生命で賑わい、新しく豊かになる様子を見るのは、なかなか感慨深いものがあります。
徐々に明らかになっていく世界の真実など本作は丁寧に作られており、そのプレイ体験はまるでじっくりと味わいながら本を読むようでした。クリア後にはいくつかアンロック要素もあるもまた良い。こういう世界観が好きな方には、とても魅力的なゲームだと思います。
対応機種:PC(Windows)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2021年07月16日
記事執筆時の著者プレイ時間:3時間
価格:通常価格 1,420円、セール価格 1,278円(21年07月22日まで)、サントラ付きバンドル通常価格 3,900円、セール価格 3,159円