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日本各地で猛暑日が続いています。今も警戒が続く新型コロナウイルスの影響もあり、なかなか現在も気軽に外へ出ることができない状態が続いています。
「外に出れない今だからこそ、積んだゲームを崩そう!」と思っているゲーマーの皆様も多いのではないでしょうか。SteamやEpic Gamesストアなど、さまざまな配信プラットフォームで最新ゲームが入手しやすい昨今。過去の名作のリメイクや移植作も増えており、ゲーマーとしては嬉しい時代が到来してると言えるでしょう。
しかし、どうしてもSteamなどでプレイできない過去の日本の名作PCゲームも数多く存在しています。古いゲームは対応OSや起動時のDRMなど、少々制限があるためハードルが少し高く感じることもあるかもしれません。そこでおすすめしたいのが、購入してダウンロードさえすれば気軽に遊べる「DRMフリー」のゲームです。
本稿では国産の「DRMフリー」のゲームを検索しやすいDLsiteから、いくつか名作PCゲームを紹介。Steamなどのゲームプラットフォームでは遊べない、でもぜひ遊んでほしい過去の名作などをピックアップします。
そもそもDRMってなに?
DRM(Digital Rights Management)とは「デジタル著作権管理」のこと。簡単に言うならデジタルコンテンツを保護し、簡単に複製や無制限利用をさせないようにする技術のことです。DRMはゲームはもちろん電子書籍や音楽、映像など多くのジャンルで導入されています。
SteamやOriginなど多くのゲームランチャーでは、起動時にゲームをチェックするDRM機能を標準搭載しています。ゲーム起動時にシリアルキーやオンライン認証を求めるケースも。また「Denuvo」などのDRM技術を導入し、コンテンツの保護を行っているゲームも多く見られます。
コンテンツ保護という観点で見ると非常に有用なDRM。しかし、一部の機能が購入ユーザーに不利益を与えるとする意見もあります。ゲーム配信サイトのGOG.comは、すべてのゲームが「DRMフリー」であることを宣言、2018年には反DRMキャンペーンを展開しています。
このキャンペーンでは「DRM提供会社の都合でゲームが遊べなくなる可能性がある」「オフラインでプレイできないものがある」「購入者ではなくメーカーに権利を委ねるのはおかしい」など5つの項目を提唱。GOG.comでは現在もDRMフリーのゲームのみ提供しています。なお、Steamにも、起動時のゲームチェックを組み込んでおらずDRMフリーで遊べるゲームは存在していますが、ゲームによってはセーブなど一部機能に制限がかかってしまうようです。
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実際に、かつて広く使用されていたDRMのうち、物理ディスク向けの「SafeDisc」「SecuROM」がWindows10でサポート対象外となり、適用されていた過去の多くのゲームが起動できなくなる事態になりました。コンテンツ保護は非常に大切なことなのですが、DRMに関する議論は今も続いている状態です。昨今のオンライン主体のDRMでもそれを駆動するためのランチャーやゲームキーのインストールが煩雑になったり、利用可能なPC台数の制限などが厳しかったりするケースもあり、DRMとしての制限がゆるくかつ多数のゲームを備えるSteamが今日に業界最大手の位置にいる大きな理由であるとされることもあります。
DRMはどんな種類がある?DLsiteから一例を紹介!
さて、それでは日本におけるDRMの一例をDLsiteから見ていきましょう。DLsiteでは「作品の閲覧について」という項目で、ゲームの起動に必要な設定やDRM紹介なども行われています。
■PlayDRM
DLsiteを運営するエイシスが提供するDRM技術。初回起動時に16桁のライセンスキーを入力して認証することで、ゲームがプレイ可能になります。メーカーにとって暗号化させるのが非常に簡単で、導入するメリットが大きいとしています。
専用のランタイムなどは不要ですが、認証はオンラインが必要。また、セキュリティソフトや一部ソフトウェアがプロテクトと競合してしまう可能性もあるようです。
■ソフト電池
パルティオソフトが提供するDRM技術。ソフトと、ソフトを起動するための“仮想電池”をセットにしており、正式に認証されていない違法コピーソフトなどからゲームを守ることができます。
多くの場合は、購入後に提供される「ソフト電池充電No」を入力して“仮想電池”を充電する方式。充電頻度はメーカー側で設定可能で、課金体系として充電させることもできます。DLsiteではすべてが「100年電池」とされており、適用すれば実質的には無期限で使用可能です。
PCやOSなど、デバイス変更時にはコード再発行も可能。しかし、古いゲームによっては認証エラーや認証の遅延が発生することもあるため注意が必要です。また、別途専用のランタイムをダウンロードする必要もあります。
■シリアル発行
各メーカーが発行するプロテクトIDを入力することで認証する方式。認証にはインターネット接続が必要なほか、インストール回数に制限があるのが特徴です。PC変更などで回数が上限に達した際には問い合わせで再発行できることもあるようです。
そのほかにも「Buddy(L.A.C.コード)」「Imagine」「DLsite ADV」などが用意されています。DLsiteでは、ストアページで搭載されているDRMの種類が明記されています。また、検索画面からDRMフリーのゲームを「プロテクト作品を除外する」設定で検索ができるのも特徴です。
DLsiteで買えるおすすめDRMフリー作品!
正直なところ、DLsiteであっても決してDRMフリー作品が多いというわけではありません。「日本ファルコム」「工画堂スタジオ」「自転車創業」などの老舗PCゲーム開発メーカーによる過去作品が多めです。本項では、その中からいくつかピックアップして紹介していきます。
なお、ここで紹介するゲームは現行のPC環境そのままでは動作しない可能性が高いです。動かない場合は、Windowsの「互換モード」でストアに記載されている対応OSに設定する必要があります。また、古いゲーム向けに「DirectX9.0」が必要になる場合もありますが、こちらはマイクロソフトが公式配布中です。それでも十年以上前の名作が手軽にチェックできるのはPCならでは。では、早速タイトルを紹介していきましょう。
■工画堂スタジオ
1916年に「図案と版画 谷工画堂」として創業。1982年にPC向けソフトウェア事業部を設立し、以降『シュヴァルツシルト』『パワードール』『火星計画』『リトルウィッチパルフェ』『蒼い海のトリスティア』など、幅広いジャンルのPCゲームを開発してきた老舗メーカーです。
同メーカーから近年リリースされているビジュアルノベルはSteamでも購入可能です。しかし、それ以外の過去の作品をプレイするためには各種国内サイトで購入する必要があります。
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『蒼い海のトリスティア』『蒼い空のネオスフィア』『暁のアマネカと蒼い巨神』『白銀のカルと蒼空の女王』の「蒼いシリーズ」4作品がセットになったお徳用パッケージです。
街発展シミュレーションや探索RPGなど、シリーズによってさまざまなゲームシステムを搭載。共通した世界観として描かれるストーリーや豪華声優の起用など、多くの魅力が盛り込まれています。
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1994年に発売されたシリーズ第1作『POWER DoLLS』のリメイク。女性ばかりで構成された特務部隊「DoLLS」の指揮官となり、機動兵器「パワーローダー」を操って戦うシミュレーションゲームです。
美少女&ロボットと言う組み合わせとシビアなストーリー、そして現代基準でも細かい戦術ストラテジーとしてのゲーム内容や高めの難易度で人気を集めた作品です。ミッション内容にあわせた適切な機体や武器の選択、マップの高低差や支援要請など細やかな戦略を立案するのが勝利の鍵となります。
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■日本ファルコム
今もシリーズが続く『イース』『英雄伝説』などを手掛ける日本PCゲームの雄。1987年に発売された『イース』は、アクションRPGというジャンルにおいて、輝かしい歴史を作り上げた作品です。作品のBGMも高い評価を得ており、過去には古代祐三氏なども在籍していました。DLsiteではそれらの作品を含む多くのゲームが販売されておりDRMフリーで提供されています。
『英雄伝説』ガガーブトリロジー
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『英雄伝説』といえば現在も続く「軌跡シリーズ」が知られていますが、今回ご紹介するのはそれ以前のシリーズ作品。『英雄伝説III 白き魔女』『英雄伝説IV 朱紅い雫』『英雄伝説V 海の檻歌』の3作品では、ひとつの世界観での異なる時代を舞台に、それぞれの物語が描かれます。
シリーズごとに独自のシステムを備えた戦闘システムが特徴。ファルコムらしい壮大なストーリーや操作性なども良好で、今プレイしても比較的遊びやすい作品になっています。
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製作したキャラクターが歳を取り次代へ繋ぐ「世代交代」、シナリオという単位をベースとして各々に異なる冒険が展開する内容など独自のシステムが特徴的なRPG。『ソーサリアンオリジナル&フォーエバー』では、オリジナル版とリメイク版の内容をあわせた、合計20本のシナリオが用意されています。
歯ごたえのある謎解きや冒険、育てたキャラクターが成長しやがて世代交代する「自分だけの物語」を作るシステムなどは今プレイしても単純な古さを感じさせません。
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ファルコムのシミュレーションゲーム『ヴァンテージマスター』シリーズ第3作。日本をモチーフにした世界を舞台に、プレイヤーは「幻魔使い」と呼ばれる魔物使い同士の戦闘で勝利を目指します。
極力シンプルに、そして奥深い「将棋やチェス」のようなゲームを目指したという本作。性能の異なるマスターと、それぞれの属性を持つユニット「幻魔」の特性を見極めながらいかに相手に対して有利な状況を取るかが重要です。
パワーアップキットも同梱されており、オリジナル版よりも多くの要素も追加されています。「シナリオモード」「フリーモード」などボリュームもあり、気軽に長く遊べる作品です。「ネットワークモード」もありますが、さすがに現状で人を見かけることはほとんどありません……。
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■自転車創業
2000年にゲームソフト開発を目的とした会社として創業。これまで進んだ物語の記憶を持って物語の分岐まで戻る「ANOS(Advanced Novel Operation System)」と呼ばれる独自のシステムを持ち、一癖ある魅力的なシナリオを展開する作品を多く作っているメーカーです。
『ロストカラーズ』などいくつかの代表的作品はSteamなどでもプレイ可能。しかし、過去作品やそのリメイク作品はDLsiteなどを含む各種配信サイトで入手するのが比較的簡単です。
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舞台は昭和74年のこと。元素Maの発見により魔法が発明された世界を舞台に、とある大学の「(魔)法学部」で繰り広げられるアドベンチャーゲームです。
主人公の「夏辺水華」は身長201センチで、第一回全日本女子格闘大会準優勝という凄まじい経歴。公式サイト内などで「萌えません。」と書かれてはいますが、彼女を含め登場する多くのキャラクターが非常に魅力的です(萌えるかどうかは個人の感想です)。
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記憶や未来などがすべてなかったことになる「前向性健忘」の少女と「過去のない」男が織りなす物語を描くアドベンチャーゲーム。2人は互いに欠けた「過去」と「未来」を取り戻すための旅に出るのですが、実はこの世界は……?
「ゲーム性を重視したノベルシリーズ」と銘打っている本作。メーカー独自のANOSシステムで、より深みのある多層的、立体的な物語を作り出しています。
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■エクスペリエンス
『デモンゲイズ』『剣の街の異邦人』『GENERATION XTH』などを手掛けるゲーム開発会社。PCだけでなくさまざまな家庭用プラットフォームの作品開発を手掛けており、7月15日にはニンテンドースイッチ向けに『モンスターを倒して強い剣や鎧を手にしなさい。死んでも諦めずに強くなりなさい。勇者隊が魔王を倒すその日を信じています。』をリリースしています。過去作品のリメイク版はSteamでも取り扱われていますがオリジナル版が遊びたい場合は各種配信サイトに頼るのが良いでしょう。
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100年前に魔王に敗れた勇者が復活し、ともに戦う若者たちを「円卓の騎士」として育てながら冒険を行うファンタジーRPG。非常に王道でオーソドックスな内容ながら完成度が高く、ハックアンドスラッシュとしてアイテム集めなどを楽しめます。
主人公が未来ある若者を育てる「先生」としての役割を担い、彼らとの絆を深めていくことも。仲間の特性も多種多様で、プレイヤーのスタイルにあわせたキャラクター育成も可能です。
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■番外
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DLsiteでは多数の成人向けタイトルも取り扱いがある上、もちろんその大半はSteamに存在すらしていませんが、商業作品に関してその殆どは何らかのDRMが導入されているものです。ただし、同様に探せば過去の名作の他にも、例外的にでぼの巣製作所のRPG/ローグライクRPG作品群や、Lose『まいてつ Last Run!!』(いずれもリンク先18歳未満禁止)など近年の大きめの作品であってもDRMフリーとなっているケースもあるので、気になる方は探されてみてもいいでしょう。(編注:なお、『まいてつ Last Run!!』、セール価格は90%引き1,188円でSteam海外版より安い、コレまた珍しいタイトルになっているようです)
※ここで紹介しているゲームはDLsite以外のサイトでも購入可能なものが多数あります。
ここまでDRMについての簡単な紹介と、いくつかの「DRMフリー」ゲームを紹介してきました。今だからこそ、過去の名作を遊んでみることで新たな発見や楽しみがあるかもしれません。
DRMという技術がデジタルコンテンツを守るもの、であることは疑いようがありません。筆者もよほど不具合が出るものでもない限りは認証に関して不満を思うことは正直ありません。しかし、たまには気軽に、いつでも遊べるゲームを楽しむのも嬉しいものですね。